[TVツッコミ道場]

フジのトレンディー呪縛と“遊び心”がスベり続ける、『独身貴族』の“なにもない”感

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『独身貴族』(フジテレビ系)公式サイトより

 今回ツッコませていただくのは、11月22日放送分の『独身貴族』(フジテレビ系)。

 視聴率は初回から12.6%、11.3%、11.6%、10.6%、12.7%、10.1%、10.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、かろうじて2ケタをキープし続け、数字の上では『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』(TBS系)に続いてジャニーズドラマの2位の作品ではある。にもかかわらず、不思議なのは、何かと話題になる『安堂ロイド』に比べて、ビックリするほど「無風」だということだ。今回は、北川景子演じる「春野ゆき」が書いた脚本『8月のボレロ』の制作が実現し、その主演を、本人が演じる「山下智久」が務めるという内容だったのだが……。

 内容云々が頭に入ってこないほど、とにかくドラマ中でフルネームの「山下智久さん」を言いすぎ。制作サイドの「何回言うんだよ!?」というツッコミ待ちの姿勢が見え見えで、ひどくスベり倒していると思っていた。しかも、伊藤英明、北川景子の2人に「山下智久さん」が加わることで、『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』(フジテレビ系)の3人が揃う、という演出も正直、制作サイドの単なる自己満足に見えて仕方ない。

 「遊び」を効果的に見せるためには、真ん中に1本シンプルな「筋」が必要だと思うのだが、ムダな演出ばかりに情熱を注いでいるように見える。だが、Twitterのトレンド有名人では1位になっていたから、案外世の中的にはこういうの、アリなのですね……。

 ところで、もう1つ不思議なのは、フジテレビドラマに共通する「絵づくり」が、どれもこれも似ているということだ。会社に社員たちが集ってワイワイしている場面は、一瞬『リーガルハイ』かと本気で思ったし、『ショムニ2013』にも似ている気がする。演出のせいもあるのかもしれないが、ザッピングしている最中にたまたま見た一場面の「絵」だけで「これってフジ?」と手を止めてしまうくらい類似しているのだから、セットなどのせいもあるだろう。もしかしたら、「トレンディードラマ」に取りつかれた美術さんのお化けでもフジドラマには棲んでいるんじゃないかと思うほどに、どのドラマも往年の「トレンディーフジ」なのだ。

 そして、得意げに繰り出すギャグもまた、出演者が変わっても、脚本家・作品が変わっても、同じ空気をまとっているのは伝統芸能のようでもある。ちなみに、SMAP・草なぎ剛ドラマに山下智久、Kis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔が出るというのも、いわゆる「飯島班」3世代が揃った記念写真みたい。

 ただでさえ作品になかなか入り込めないのに、「脇」の雑多な情報が引っ掛かりすぎて、何も頭に入ってこない回だった。
(田幸和歌子)

つよぽんの無駄使い!

しぃちゃん

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