[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

『あまちゃん』ブームに反抗を続けた中年女が味わった、屈辱と敗北

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(C)安彦麻理絵

 今さらなのだが『あまちゃん』(NHK)……気が付いたら終わってた。結局、全然見ないうちに放送が終了してた。いや、正確に言えば、全然見てなかったわけではない。半年の放送期間中、トータル「5分」くらいは見ただろうか? 半年で5分。短い。あれだけ人気のあった番組なのに、私は、『あまちゃん』に背を向けるような日々を送っていた。なぜか。今さら言うのも何なのだが、キョンキョン……「キョンキョンの芝居が、私にはキツかった」……キツかったのである、どうにもこうにも。

 別に最初から、見ない気でいたわけではない。あれは、番組が始まって間もない頃。「そういえば朝ドラ、新しいの始まったんだよな」と思い立ってNHKをつけたら。ちょうどキョンキョンが能年玲奈を相手に「キョンキョン芝居」をやっている所にブチ当たったのだ。……キョンキョン芝居って何だよ、と思われそうだが、私の目にはそんなふうに映った。とにかくキョンキョンは(って、キョンキョンキョンキョンしつこいが)なんていうか「まだまだ若い子には譲らないわよ」「枯れるわけないでしょ」という雰囲気の、しどけない? 「現役の肉食」って感じの? 若い子たちが「まだまだ全然カワイー!!」と持ち上げてしまいそうな、なんだかそういう芝居をしてたので、思わず私は「うわっ!!」となって、即座にチャンネルを変えてしまったのだ。

 本当に、一瞬、目にしただけではあったが、その一瞬の、最大瞬間風速が凄かったような気がする。「おい、今の見たか!? 何だったんだあれ!!」「わかんねぇっす!!」という会話が成立してしまいそうな、なんだかそんな映像だった。そしてそれっきり、私は、『あまちゃん』を見るのをやめてしまったのだ。

 私が、『あまちゃん』を見なかった理由はほかにもある。大体ご想像がつくとは思うが、とにかく私は「ハヤリものギライのヒネクレ者」なのである(その割には、放送終了してからこんな事書いてるんだから、よほどの臆病者とも言える)。とにかく世間の「あまちゃん旋風」に対して私は、反抗期まっただ中の10代のように、「ケッ!!」だの「チッ!!」などと拒絶反応を剥き出しにしていた。そして、今にして思えば、まったく大人げないと思うのだが、子どもたちが「『あまちゃん』見たい!!」と言っても「ウチは見ない家なんだ!!」と言い放ち、「ひろちゃんが保育園で『じぇじぇじぇ』って言ってたよ!!」と言えば「お前たちまでそういうことを言うかあっ!!」と、激しく一喝するのだった。

 ここまでくると、くそジジイの頑固おやじである。そして、あげくの果てには、国民的アイドルである「あまちゃん」を「あま」と呼び捨てにして、ハヤリものには流されない己の孤高さにウットリするのであった。そんなふうに「反あま」な日々を送っていたある日。私は書店で何気なく、マガジンハウスの「クロワッサン」を立ち読みしていたのだが……。

 巻頭の「林真理子と、アンチエイジングのスペシャリストであるオーガスト・ハーゲスハイマー」の対談を読んでギョッとした。何故なら、林真理子が対談中、ビックリするような話題になるたびに、意気揚々と「じぇじぇじぇ!!」を連発していたのである。……ハタチやそこらの若い子が言う「じぇじぇじぇ」は、まぁ可愛げがある。しかし、中年女の調子に乗った「じぇじぇじぇ」は……これは許されるものなのだろうか? 若くない女の、言いたくて言いたくてたまらないふうな「じぇじぇじぇ」……堪え切れない「じぇじぇじぇ」……それを「お茶目」と呼ぶには、あまりにも発酵臭がキツすぎる。こんな事があったせいで、私の「反あま」っぷりは、ますます激化の一途をたどるのであった。

真理子はお茶目の懐になんでも詰め込みすぎ

しぃちゃん



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