今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

マツコ新番組中止で、逆に「○○生命」のお株が暴落してしまった理由

2013/11/01 21:00
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『マツコの日本ボカシ話』(TBS系)公式サイトより

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎保険商売の小心者根性
 「苦情で中止」だぁ? 視聴者からクレーム殺到ってんならともかく「スポンサーから苦情が出たから中止します」って何だ。「視聴者よりスポンサーが大切です」ってのは、あくまでこっちにバレないように内々でやってくれ。むき出しはやめろ。それがマナーだ。

 近頃のテレビにしては珍しく、TOKYO MX的な匂いがして面白い番組が始まったなぁと思ってたのに。生保レディの「枕営業」そのものには特に驚かないが、初体面の素人をどんどんぶっちゃけさせていくマツコの「懐に入り込む技術」の高さには、あらためて見入った。保険のオバちゃんが配っているクリアファイルやボールペンは、保険会社のものではなく、オバちゃんが自腹切って買っている、という話も、知らなかったから目からウロコで興味深かったし。生保レディを統括する営業所のリーダーはイケメンばかりで、しかもコロコロメンツが変わるという「操縦術」、億単位を売り上げる伝説の生保レディの実在などなど、いやこれは楽しみ。しかも次回「銀行」か。こりゃ見逃せないわ、とワクワクしてたのに。ケツの穴小せえなぁ○○生命。「私たちが、皆様の人生応援団です」みたいな、あのCMの上っ面なイメージを、額面通り受け取れってか。「この仕事の魅力は何?」というマツコの問いに「学歴、職歴、家庭の事情一切関係なく、1人で生きて行かなければならない女性が、身ひとつでいつでも始められる希少な仕事」という返答を見て「なるほど」としみじみ。○○生命入っちゃおうかな、と本気で思ってたのに。やめたやめた。

 ノルマと人生との、ギリギリカツカツのせめぎ合い。そんなモンを生保レディに科しておきながら、ぶっちゃけ話ひとつ許さないとは。これはこれ、それはそれ。清濁併せての保険商売だろが。枕営業があったことよりも、金の力で圧力をかけ、面白い番組を1つツブした、○○生命の大人げない仕打ちを、その懐の狭さを、私たちは生涯忘れない。

◎樫木騒動のお次は……
 カーヴィダンスの樫木裕実、スタジオ閉鎖をめぐってゴタゴタ。またか。組む相手組む相手、必ずモメるヤツっているよなぁ。前の独立の時はヒロミが悪者みたいになってたけど、こりゃこっちが問題アリだってことか、とヒロミの株が自動的に上がる形になるのもまた。最近「ヒロミ待望説」まで出てるしなぁ。適当にアオるのやめて。要らないって。
あと、「樫木裕実が教えるのは有名人ばかりで、一般会員から不満が出ていた」って情報で思い出したが、美木良介んとこってどうなってるんだろ。次はここだな。まだかな。

◎矢部の父親ぶりに共感
 「分娩の瞬間は見たくない」等々、終始「子どもが生まれる」ということに腰が引け気味だった『もてナイ!~出産間近、ナイナイ矢部・子育て修行24時~』(TBS系)での矢部浩之。何か最近「イクメン」つってワイワイキャッキャ、パパも積極的に子育て参加して当たり前、みたいな風潮だけど、本来「父親」のスタンスって、こんなモンだと思うんだが。泣いてる赤ん坊の口に、構わず哺乳瓶を突っ込むようにアドバイスされて「怖い怖い怖い」と本気でビビって赤ん坊を投げ出してしまった矢部の姿に、妙に「そんなモンだろ」と共感してしまった。「赤ちゃんが来てうれしいな」が実感を伴うのはまだまだ先。そしてそれは、別におかしいことでも何でもない。即前のめりになれる方が「何とかして、イクメン路線でももう一山」というヤマっ気の匂いがして、不自然な気がするが。ま、矢部の場合は「不慣れだった俺が今では……」という新しい金脈が用意されているから、あくまで予定路線上の展開なんだろうけど。

 とりあえず、まだ実感もない赤ちゃん誕生に右往左往してるヒマがあったら、少しでも食ってスタミナつけといた方がいい。門外漢の私に言えるのはそのくらい。つーか、門外漢の私から見ても、明らかにバテるであろうことが予想つくガリガリっぷり。お前がやつれるんかい。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

最終更新:2019/05/22 16:36
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