[女性誌速攻レビュー]「nina's」11月号

不便な住まいと過度なご近所付き合い……「nina’s」のオシャレな暮らしはハードル高め!

2013/10/17 16:00
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「nina’s」(祥伝社)2013年11月号

 おしゃれママたちの秋場所、「nina’s」11月号が登場です。あれ? 表紙、写真がブレブレなんですけど大丈夫? というか、どなたさま……? 大変失礼ながら一瞬マジで誰だかわからなかったこの女性、正解は歌手のMINMIでした! 湘南乃風の若旦那を夫に持つ3児の母でアーティスト、特にバカ売れしたわけでもなく落ち目なわけでもなく、ちょうどいい立ち位置を確保しているMINMIは、華はないけど収まりはいい、いわば「nina’s」界における代打の切り札的な存在でした。表紙インタビューでも期待を裏切らない“ナチュラルLOVEのファミリーLOVE”を語っておいでです。

 一方、マタママタレントインタビュー「nina’s people」にはスザンヌが登場。どっしり腰の据わったMINMIに比べ、不安定さ満点の笑顔で妊婦生活の充実をアピールしていました。「(父親教室に)参加したいって思ってもらえるように、赤ちゃんの物を買いに行くときは誘って、父親気分を盛り上げるようにしています」と、元プロ野球選手のバツイチ夫へ涙ぐましい働きかけをしている様子。いらぬお節介ながら、心配だわ~。

<トピックス>
◎nina’s people スザンヌ
◎おしゃれ家族のくらしのカタチ
◎中石みきさんが人気です!

■相変わらず室内帽子率高いクリパパたち……

 今号の特集は「おしゃれ家族のくらしのカタチ」。「nina’s」で定期的に組まれる住宅&インテリアページで、筆者も楽しみにしている企画の1つ。なぜなら、この雑誌の本懐である“オリジナリティ溢れるこだわりからだだ漏れる幸せ家族ライフ”がもっとも如実に表れるページだからです。今回も一般的なおしゃれルームとは一線を画す個性的なお宅がてんこもりのご様子。

 全4軒のおしゃれ家族のおしゃれ住まいに共通しているのは、「中古である」ということ。古いものの良さを生かしながら自分たち流に手を加える、これぞ“三度の飯よりリノベーション”が合言葉の「nina’s」的暮らしのバイブルです。世間が新築一戸建てを目指す中、「家にはストーリーがないと」とか言っちゃうのがクリエイティブパパ。「古いものには人の温もりがありますから」とか言っちゃうのがクリエイティブママ。

 そうです、「nina’s」の言う“おしゃれ”のバックグラウンドにあるのは昭和的家族の絆。シンプルなシステムキッチンではなく、お気に入りのタイルを貼った台所、気楽な核家族より賑やかな三世代同居などなど。「この物件は子どものいる家族が多くて。大人たちの年齢も近いしうちと同じく自営業も多いから、互いの家を自然と行き来するように。今じゃ、他の部屋も自分ちみたい(笑)」とは築40年以上の集合住宅に暮らすご主人の弁。「nina’s」では、長屋的な古き良きご近所付き合いが今最もオシャレなライフスタイルのようです。しかーし。写真を見るからに、お隣さんもそのまたお隣さんも同じようなナチュラルおシャンティなので、長屋的近所付き合いの条件として“ソファのさりげない布づかいテクや外国の民芸品を道具として使いこなすワザをちゃんと理解する能力”がありそうです。庶民の長屋ハードル高っ!!

 ほかにも「仲のよいファミリーを招いて“合宿”のようなお泊まりイベントをすることも」など、家族同士が行き交うことを日常にしているご家庭の多いこと。面倒くさくないのかな、トラブルは起きないのかな、奥さんの実家に同居で肩身は狭くないのかな、金妻みたいな事態には陥らないのかな……いろいろ下衆な勘ぐりをせずにはいられない「nina’s」おしゃれ住まい特集。人間関係のイザコザも、おしゃれであれば乗り越えられるのでしょうか。「nina’s」の昭和志向とクリエイティブパパママたちのおしゃれ感覚の相関関係は、今後も注目したいテーマです。

nina's (ニナーズ) 2013年 11月号 [雑誌]
忙しくないクリエイターって、売れてないだけなんじゃ?
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