恋人レイ・Jもブチ切れ

ホイットニーの全裸遺体に性的侮辱発言をし、隠ぺいする警察に非難殺到

2013/09/20 16:30
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死者を冒涜するにも程があるわ!

 昨年2月に衝撃的な死を遂げた、歌手ホイットニー・ヒューストン。彼女の全裸遺体を、現場に駆けつけた男性刑事部長が舐め回すように見て、侮辱する言葉を吐いたということが暴露され、警察を批難する声が高まっている。

 ホイットニーが48歳の若さでこの世を去ったのは、第54回グラミー賞授賞式を翌日に控えた昨年2月11日のこと。滞在していたホテルの部屋で、湯を張った水深約30cmの浴槽にうつぶせの状態で沈んでいるのが発見され、司法解剖の結果、「アテローム硬化性心疾患とコカイン摂取による溺死事故」と結論付けられた。

 葬儀が行われる直前、遺体の写真がタブロイド紙に掲載されたり、公開された司法解剖書に両乳房の下に傷跡があることが記されていたため「やっぱり豊胸手術を受けていたのか」とネット上で話題になるなど、死者にムチ打つようなことが続き、さまざまな論議を醸したホイットニーの急死事故。あの日から、1年7カ月たった今月11日、ホイットニーが亡くなった現場にいち早く駆けつけたビバリーヒルズ市警の巡査長が、「現場にやって来た刑事部長が死者を侮辱する不適切な言動をしたことを市警に報告、問題提起したところ、左遷させられるなどの嫌がらせを受けた」と、カリフォルニア州労働局に告発、訴えを起こした。

 米大手ニュースサイト「TMZ」によると、告発したブライアン・ウィアー巡査長は、ホイットニーの遺体が発見された現場に急行するよう指示され、駆けつけたとのこと。ブライアンは、全裸のまま浴室のタイルの上に置かれていた遺体を見て、「発見されたままの状態を維持するため」、そして「故人の尊厳を守るため」にシーツをかけたという。

 そこに、詐欺や自動車盗難を捜査する部署に所属していたテリー・ナトール刑事部長がやってきて、「遺体のそばにひざまずき、身を乗り出してシートをつかみ、陰部よりも下の位置まではがして」「遺体に触れるほどの距離まで顔を近づけ、じろじろ見ながら、『年のわりには魅力的だよな』『ちくしょう! いまだにスゲェいいカラダしてんじゃねぇか』という不適切なコメントをした」とのこと。ブライアンはこの発言を「州法と連邦法を破るものだ」と捉え、ビバリーヒルズ市警に報告。上司や行政機関に訴えたのだが、聞き入れてもらえなかった。それどころか、所属していた特別機動隊(SWAT)や警察犬部隊を除名され、監督職から外され、特別手当や訓練を申請しても却下され、ハラスメントや仲間はずれなど「問題提起に対する」報復としか考えられないようなひどい扱いを受けるようになったという。また、ブライアンは長時間にわたり時間外勤務をしており、残業代を申請しているのだが、これもまったく支払われていないと主張している。

 ブライアンは、テリーだけでなく、警察長ら3人を相手取った訴えを起こしているとのこと。市警は、一貫してテリーを擁護するコメントを出しており、「テリーが現場に駆けつけたのは、指示に応じたから」「刑事部長が現場に到着後、遺体を確認することは適切な行動」だと発表している。

 野次馬根性丸出しでやってきた刑事部長が、ホイットニーの遺体を舐め回すように見て侮辱発言をしたというニュースに、全米は嫌悪感をあらわにした。アメリカでは、警察官は「口は悪いが正義感が強いヒーロー」「市民の味方」だと見られており、ブライアンの主張が本当だとしたら、大幅にイメージダウンするだけでなく、信用もなくす大問題へと発展してしまうだろう。ネットでは、「口が悪いから、こういうことはよく言ってるんじゃないか」「男だし、ホイットニーはスタイルもよかったし、仕方ないのでは」という声もちらほらと上がっていたが、19日、ホイットニーが亡くなる数カ月前から交際していたとされるレイ・Jが、テリーの問題発言を聞き、激高していたという報道が流れると、警察を擁護する声は消えてしまった。

 報道によると、テリーが「ちくしょう! いまだにスゲェいいカラダしてんじゃねぇか」と言った時、レイは警察官や救急隊員がスムーズに仕事を行えるよう、部屋の外に待機していたとのこと。ブライアンの侮辱的な発言とその言葉に大爆笑する警官たちの笑い声を聞いたレイは、ブチ切れて部屋に殴り込みに行ったものの、すぐに押さえつけられてしまったという。レイはしぶしぶ外で待ち続けることにしたものの、再び笑い声が聞こえてきたため激高し、彼女を侮辱した警官を殴るために部屋に入ろうと大暴れしたため、部屋のある階から追放されてしまったそうだ。

 このことについて、レイはまだ何もコメントしていない。ホイットニーの死後、彼は激しく落ち込み、周囲が心配するほど長期間沈み込んでいた。年末になり、自分とのセックステープが流出したことによりスターダムにのし上がったキム・カーダシアンの交際相手カニエ・ウエストを挑発し、いつもの彼に戻ったとファンを安心させたが、ホイットニーのことは、いまなお心に深い傷として残っているのだ。

 ビバリーヒルズ市警は侮辱するようなことは言っていないと発表しているが、レイが証言すれば、市警がウソをついていたと一層の批難を浴びることになるだろう。ブライアンの弁護士は、彼の警察官としてのキャリアにも精神的にも大きなダメージを受けたとして慰謝料を求めており、今後の進展に全米が注目している。

最終更新:2013/09/20 16:38
『LIFE特別編集 ホイットニー・ヒューストン Whitney 1963-2012』
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