[TVツッコミ道場]

『Woman』が終わってようやく言える、いくつもの違和感と野暮なツッコミ

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『Woman Blu-ray BOX』/バップ

 今回ツッコませていただくのは、9月11日に最終回が放送された『Woman』(日本テレビ系)。
 
 最終回の視聴率は16.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、初めて15%を超え、有終の美を飾る形となった。でも……終わってみて、最後の最後で、今までなんとなくフタをし続けてきた数々の疑問・違和感が抑えられなくなってしまった。

 夫の不審な死により、シングルマザーとなったヒロインが、厳しい現実に立ち向かいながら、2人の子どもを愛情たっぷりに必死で育てていくストーリー。放送開始当初~中盤までは、貧困の描写のリアリティがつらくて「離脱」してしまった視聴者が多数いた。さらにヒロインの病気、夫の不審死の「原因」が義妹にあったことなど、次々に重たい出来事がのしかかってきた。

 それでも見続けたのは、何より「ほとんど100%に近い、達者な俳優陣」の力量によるところが大きいだろう。ストーリーだけ抜き出してみると、悲惨すぎる出来事の連続は、ともすれば陳腐になってしまい、昼ドラのようにも思える。それが、ヒロイン・満島ひかりと義妹役・二階堂ふみという「カルチャー指数高め」なうまい女優2人と、ヒロインの母を演じる田中裕子、再婚相手の小林薫という達者すぎる役者たちが揃うことで、迫力も説得力もありすぎて、野暮なツッコミや疑問を持ってはいけない雰囲気になっていた。

 正直、役者たちの力量に飲み込まれてしまっていたのだと思う。でも、最終回を見終えて、やっぱり気になる違和感をこっそり口にしてみたいと思う。

 1つは、会話の不思議な、独特な「間」。

「○○ですか」「いえ、△って。△だって。そうですか」
「私、こんな風に思うんです。○○って。ホントは△かもしれないけど、でも○○って。それが、それが私はつらいです」

 同じフレーズを何度も繰り返すことで、リズムを生む手法は、まるで「詩」のようだ。だから、ドラマを見ているというよりも、朗読劇を見ているような、絵本の読み聞かせを聞いているような気分になる。

 視聴者が勝手に自分なりに解釈し、妄想を膨らませ、それを語り合うことで共有していく『あまちゃん』(NHK)に象徴される現代ならではの「双方向性ドラマ」とは違い、完全に作り手の中で閉ざされている、ある種、芸術作品のようでもある。演技のうまい人ばかりを集めて美しく丁寧に作っていること、テーマが重たく、メッセージ性も強いことから、そうした野暮なツッコミをすると、さまざまな方面から怒られそうだけど……。

 肝心なセリフをあえて「無音」にして不安をあおったり、静かな狂気を見せたりという技巧派の演出は、過剰にも見えて、どこか浮世離れしているように思えた。また、「植杉家」のシーンが常に夕暮れのようなオレンジ色がかった画面だったり、スローモーションがたびたび取り入れられていたりするのは、美しく、意味深に見えて、それでいて大した意味はなかった。

 ポエミーな会話と、夕暮れのオレンジ色の画面と、偶然の「悲劇」の数々とは、ともすれば『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)第5話あたりで出てきそうな不思議な世界にも見える。結局、何だったのだろう? という疑問が残る一方で、あらためて思ったこと。何か賞をとる作品とかって、こういう感じだよね……。
(田幸和歌子)

作ってる側の「うっとり感」がびんびん!

しぃちゃん

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