制作費は計画的に!

「韓流ブームの版権頼みのツケか」韓国ドラマ界の重鎮、ギャラ未払いで自殺の深層

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『イ・ミンホのシンイ―信義―スペシャル・メイキングvol.2』/エスピーオー

 7月下旬、衝撃的なニュースが韓国芸能界を揺るがした。プロデューサー兼演出家である“韓国ドラマ界の重鎮”キム・ジョンハクが遺体で発見されたのである。現場には練炭の燃えカスと、家族に宛てた遺書があったという。

 本国では伝説的大ヒットを飛ばした『砂時計』や、イ・ビョンホン主演の『白夜3.98』、チャン・ドンゴン主演の『ゴースト~永遠の愛~』、チャン・ヒョク&イ・ヨウォン主演の『大望』、ヨン様ことペ・ヨンジュン主演の『太王四神記』などをジョンハクは手掛けてきた。まさに韓国ドラマの大ヒットメーカーである。

 警察は、現場の状況から事件性はなく自殺と断定。重鎮を自殺に追い込んだ要因にマスコミの注目は集まった。

「ジョンハクの最新作となる時代劇『シンイ~信義~』における、俳優への出演料未払い問題が原因といわれています。『シンイ』をはじめ、韓国のドラマの大半が外注の制作会社で作られています。通常、ミニシリーズと呼ばれる全18話程度のドラマの場合、1話当たり4~5億ウォン(約3,500~4,400万円)のコストがかかりますが、そのうちメインキャストへのギャラが5割を占めるといいます。放送権を獲得したテレビ局から制作費として1話当たり1~1.5億ウォン(約880万~1,300万円)の支援金がもらえたとしても、多額の制作費を補うのは容易なことではない。制作者サイドとしては、韓国内の放送よりも日本や中国、台湾といった海外市場での版権販売からの収入を見込んでの企画、制作のため、有名俳優を起用した大作を作る価値はありますが、それはハッキリ言えば“取らぬ狸の皮算用”。こうして、制作費の回収ができないまま、出演料未払いという結果に陥っているのです」(韓流ライター)

 『シンイ』では、ギャラの未払いをめぐり、主演女優のキム・ヒソンがジョンハクに訴えを起こしていた。出演料未払い問題は、以前から取り沙汰されており、ある意味「またか」な問題である。2008年にはSBSのドラマ『銭の戦争』で、主演のパク・シニャンが契約時に交わされたギャランティ6億2,000万ウォンのうち3億8,000万ウォンが1年以上経過しても未払いであるとして、制作会社を相手取り訴訟を起こしている。11年には、ヒョンビン、ソン・ヘギョ主演のドラマ『彼らが生きる世界』で、未払い総額4億3,925万ウォン、『恋する国家情報局』では総額3億3,990万ウォン、『太陽をのみ込め』では1億7,440万ウォンなど、17もの作品でギャラの未払い問題が起こっている。

 これを受け、韓国放送映画公演芸術人労働組合が、KBS、MBC、SBSの外注制作ドラマへの出演拒否を宣言。当時制作中だった『トンイ』や『グロリア』といったドラマにも支障が生じた。その後、テレビ局から出演料の支払い保証と、再発防止対策の約束を取り付けた組合が、宣言を撤回してその場は収まったが、保証をしたところで、テレビ局や外注制作会社にしてみれば、ない袖は振れない。結局また同じ問題が起きたのである。

「そもそもの原因は、韓流ブームでしょう。経済先進国の日本での韓流ブームにより、日本のビデオメーカー各社によるドラマの版権争奪戦が熾烈となった。必然的に版権の値段は高騰し、韓国のテレビ局や制作会社には多額の収益が入るように。今度は韓国内で『より人気の出るドラマを世に送り出し、日本へ売ろう』となり、そのためには旬の人気俳優を起用しなければならず、どの会社も俳優獲得に血眼になり、俳優のギャラは右肩上がりに上昇していく。そしてそれが、制作会社の首を絞める結果をもたらし、ギャラの未払いへと続く。一連の流れの中で、外注制作会社の数が雨後のたけのこのように増加したものの、放送媒体の数はケーブルテレビ局が新しく数社開局したほかは、基本的にはKBS、MBC、SBSの3社のみなので、供給過多に陥るのは火を見るより明らか」(同)

 今回のキム・ジョンハク自殺を受けて、韓国ドラマ制作者協会が俳優の高額出演料要求の自粛と、制作会社登録制の導入といった改善要求を発表したが、果たして制作会社、テレビ局、俳優(および所属事務所)の要望がすべて円満に収まる打開策が見つかるのか。

 プリプロダクションが常に不十分で、撮影前に準備しておくべきことが、撮影と同時進行になりがちな行きあたりばったりな慣習も含め、すべてにおいて“ケンチャナ(なんとかなるだろう)精神”のツケが回ってきているような韓国ドラマ界。世界を相手にするのに“ケンチャナ精神”は通用しないということを、制作者もテレビ局も、俳優もきちんと理解すべき時が来ているのではなかろうか。

日本に売る気マンマンで作られても~

しぃちゃん

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