刺身盛り合わせは表示義務ナシ!? 知っておきたい「産地表示」のウラ側

2013/07/21 16:00

■消費者庁に聞いてみた

 食品の原材料、原産地表示は、全てJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)によって司られている。平成11年には、「全ての食品への表示」が義務付けられ、平成21年の「改正JAS法」では、産地偽装には罰則が盛り込まれた。にもかかわらず、偽装は後を絶たず、消費者にわかりにくい表示が目立つのはなぜなのか。

 消費者庁に問い合わせてみたところ、

「どこの水域で獲れたか、判別困難な場合が多々あるんです。その際は、最も確実な情報ということで、港か都道府県名を表示せざるを得ないんですね。もちろん、輸入品は原産国名を表示しますし、養殖か解凍かも正しく表示するよう、指導してます。改善命令に従わねば、1億円以下の罰金ですから、JAS法は厳格な法律ですよ」

 しかし、水揚げ港か都道府県が原産地といえるのだろうか。

「我々は、食品の衛生面・品質に目を光らせてますから、産地にこだわられても、なんともコメントできかねます」

 要は、国は「食品の品質や安全面を指導するだけで、産地など関知しないという立場のようだ。じゃ、誰が産地を監督するのだろうか?

 話は変わって、レトルト食品。腑に落ちない点がある。それは「パッケージ写真」だ。あの写真は、どう考えてもやりすぎで、明らかに本品とは似ても似つかぬ別物だろう。お肉たっぷりの牛丼パッケージを見ながら封を切れば、中身は玉ねぎと大量の汁ばかり、お肉はジョークみたいな量だ。「全然、違うじゃん!」と嘆いたことのある方も多いだろう。「盛り付け例」といわれても、どう盛り付けたら「例」になるのか。

 食品会社に勤務する吉田氏(仮名、35歳)によれば、フード・デザイナーと呼ばれる職業に就く人間がいるそうだ。彼が言うには、「大したことない商品・食品を、可能な限りおいしそうに見せる職人」ということらしい。

「食品は味が最重要です。見た目の問題じゃありません。また、紅しょうがやグリーンピースが添えられている時点で、実物とは異なることをメッセージとして伝えています。『例』という表現が全てです」とまで言われると、偽装としか思えないのだが……。

 マクドナルドのメニュー写真と同じである。あの写真も、フード・デザイナーの手によるものと証言を得たが、あまりにも実物とは違い過ぎる。ふっくらとボリューム感のあるおいしそうな写真に比べて、実物はビッグマックですらペチャンコなのは、皆さんご存知の通りだ。

 犯罪レベルではないが、我々の身近には「偽装」がはびこりすぎている。「誰でも幸せになれる魔法のブレス」「絶対当たる、ロト6の当選番号情報」「楽して痩せるダイエット飲料」「マイナスイオンでサラサラヘアのドライヤー」「年利0.9%の金貸し屋さん」「相場の半額以下で買える最新型スマホ」――これらの中に「本物」はない。全てが偽物なのだ。
(鷹司昇一郎)

最終更新:2015/11/27 00:04
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