[女性誌速攻レビュー]「VERY」6月号

内田樹と高橋源一郎が「VERY」を憂う! おじさんたちから見た女性誌

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「VERY」2013年6月号/光文社

 最近、NHKの『あさいち』での、「キラキラ40+ オンナの選択」や、WEB上でのベビーカー論争など、専業主婦やお母さん、またそれ以外の女性の対立を煽るようなテレビ番組やWEBコンテンツが目立ちます。立場の違いを言い合って対立してるのを見ているうちに、「あれ、なんでこんなことさせられるんだろう?」と疑問に感じることが多くなりました。

 そんな一件があってから、小島慶子さんの「VERY」(光文社)コラムを読んでみると、「女の喧嘩は面白い見せ物なのでしょう。だから、メディアで仰々しく取り上げられるのかもしれません」と書いてあるではありませんか。自分自身、女性の対立と社会問題を絡めてあるコンテンツを興味深くチェックしてしまう節があるのですが、小島さんのコラムを読んで、メディアに煽られてギスギスするのは避けたいなと思った次第です。

<トピック>
◎ハンサムマザーの可愛い服
◎ママになって、「もう一度就活!」服
◎「VERY世代よ どこへ行く!」西原理恵子×桐野夏生

■おじさんたちの目に映る「VERY」

 先日「VERY」のTwitter公式アカウントが、子どもを産んだ女性の乳房からミルクが出ることに対し、「珍・仰天・怪奇現象に平然としている女性というものに、生物的敗北感。」とツイートし、特に読者層であるお母さんから批判が殺到した一件がありました。「女性誌なのに女をバカにしてる」と大炎上しましたが、今月号の特集もなかなか物議を醸す内容になっています。

 「VERY世代よ どこへ行く!」と銘打たれた対談3本立てを見ていきましょう。特集の冒頭には、「やれ『ハンサムマザー』だ、『第2のモテキ」だ、ほれ『イケダン』だ、『いい女』だと暴走している『女リア充』VERY世代の手綱を締めるために、各界の著名人にご登場いただき、『ちょい待てよ』とあえて物申していただきました」と、なかなか挑戦的な文言が並びます。このところ「VERY」では、「多くの読者にとって、グラビアページのような華やかな暮らしは、実は現実的ではない」という事実がクローズアップされていました。そんな、理想を夢見るだけの自分自身を、ワイドショーや女性週刊誌目線で取り上げる“自縄自縛的”な企画が誌面を飾っていたわけですが、今号からは「だったらとことんまでやってやろう」という気迫が伝わってきます。

 最初は、思想家・内田樹さんと作家・高橋源一郎さんの対談です。お2人は、「VERY」には「オカルト」がない、「占い」すらないと指摘。確かに「VERY」には、女性誌のド定番・占いページがありません。それは、「VERY」が既婚者向けの雑誌であることに起因しているのではないでしょうか。

 占いやスピリチュアルにハマる未婚女性はたくさん見ますが、既婚女性にはあまりいないような気がします。そもそも好きな相手がいない時は、占いページを見ないという人もいるかもしれません。そう考えると、「VERY」には実は“恋”がないのかもしれません。というか、「VERY」読者は、相手の気持ちを考える暇があったら、自分磨きに邁進した方が良好な人間関係を築くには手っ取り早いと思っている節も感じます。「VERY」の読者像は、そんな真面目なリアリストゆえ、占いページがないのではないでしょうか。

 また内田さんは、「和物」もないと指摘しています。確かに、30歳をすぎた未婚女性の一部には、持て余した自意識と女子力に折り合いをつけるため着物に走る人も。ほかにも、和物といえば、地方や郊外に住むヤンキー文化圏の人々も思い浮かぶことでしょう。じんべえをこよなく愛したり、暴走族が漢字を多用しがちなのも、和物好きの一例かと思います。しかし、「VERY」は決して「和物」には走らない人種なのです。

 それは「VERY」読者の「着物好きの未婚サブカル女や、ヤンキー文化圏の人間に見られたくない」「差別化をはかりたい」という信念ゆえなのかもと感じましたが、そもそも「VERY」は非常に空気を気にする人々ですので、和装をすると浮く可能性を危惧しているのではないでしょうか。ママは毎日頑張っていますから、和装を着る時間的、心理的余裕もあるはずがない。タワーマンションでベビーカーを押しながら着物を着ている女性がいたら、一般的には「おかしい」と思われてしまいますよね。

西原・桐野の両オバハンに睨まれたら一大事よ~!

しぃちゃん

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