[TVツッコミ道場]

「ヤラセマジック」番組で涙まで流した矢口真里が、ウソ=悪の価値観を覆す!

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胡散臭さで仕事をもぎ取った矢口

 日頃は「えげつなさ」がウリに見える『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)。ところが、意外にも心温まる(?)企画だったのが、ドッキリだけで構成された特番『ドッキリハーツ』(5月7日放送分)だった。

 中でも印象的だったのは、「騙してゴメン ヤラセマジックドッキリ」。「芸能界から、いかにもヤラセをしそうな6人」として矢口真里、クワバタオハラ・小原正子、TKO、JOY、大島麻衣が選出されていたのだが……。

「マジックをかけると、激辛カレーが甘くなる」というヤラセでは、激辛のままのカレーをJOYが一口食べて「甘い(ハート)」とすぐさまリアクションしたり、「苦いせんぶり茶が、紅茶になる」というヤラセでは、苦いままのせんぶり茶をTKO・木本武宏が「紅茶(ハート)」と言ったり、小原が「苦くな~い」とコメント。挙げ句、がぶ飲みする小原に「オレもくれよ」と木本がせがむという茶番まで展開されていた。

 そして、最後の「東京タワーを一瞬で消す」というヤラセでは、全員が大袈裟に驚いて見せ、「東京タワーどこいった?」「返して~!」などとノリノリのリアクション。

 だが、不思議だったのは、ヤラセであるはずのリアクションの数々が、どういうわけかいやらしさではなく、「空気読み」「気配り」に見えたことだ。中でも一番衝撃的だったのは、日頃から「いやらしさ」「あざとさ」「大袈裟リアクション」イメージにのある矢口真里の反応だ。

 いつもならグイグイ前に出て、誰よりも大きなリアクションをしそうなのに、比較的控えめだった矢口。収録後の集合スチールかなんかの撮影時に、たまたま消灯時間で本当に東京タワーの光が消えた。それを6人はやっと本当の「マジック」が見られたと勘違いして大騒ぎし、矢口に至っては涙目になっていたほどだった。

 この時のリアクションは、6人とも明らかにヤラセの時とは別モノだった。もしかしてなんらかの罪悪感があり、それがヤラセではなく「本当」だと信じたかったのだろうか……と思うほどに。

 「ヤラセ」の趣旨を瞬時に理解し、それに抗うことなく簡単に応じていた芸能人たち。本来は胡散臭くあざとく見えるはずなのに、求められていることにきちんと応じる「優しくイイ人たち」に見えるというのは、実に不思議な結末である。

 ちなみに、対照的だったのは、場違いな「急増する未婚女性シンポジウム」に呼ばれたアンジャッシュ・児嶋一哉。質疑応答コーナーで、一般客(仕込み)に「コジマジック」と間違えられ、収納法について聞かれるという仕掛けには、即座に「それ別人ですね。別の人なんですよ、コジマジック」と冷たく返答。さらに、「夫婦別姓」について聞かれると、「まあ一緒の方がいろいろ便利だと思います」「そんな負担なモンなんですかね?」と、ビックリするほど素の反応を返していた。

 これが「ヤラセ」だったら別だけれど、もし本当のドッキリだとしたら、むしろ「顔を作らないこと」「正直であること」って、必ずしも良いことじゃないように思える。どの程度の計算があったのかはわからないが、「ヤラセ(ウソ)=悪いこと」「正直=いいこと」の概念を覆す、新しいドッキリ企画だったように思う。
(田幸和歌子)

彼女の涙はガチ

しぃちゃん

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