[女性誌速攻レビュー]「Grazia」6月号

ワーキングマザー向け雑誌「Grazia」の想定読者は実在するのか?

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「Grazia」2013年6月号(講談社)

 3月中旬、「Grazia」(講談社)が8月号をもって休刊することが発表されました。2012年5月号から「ワーキングマザーがいちばん楽しい!」というキャッチコピーをもとにワーキングマザー向けの雑誌として新創刊したものの、以後、徐々に雑誌が薄くなっていく様を見るにつけ、ざわわざわわと心の中で森山良子の「さとうきび畑」がエンドレスリピート状態だったのは、筆者だけじゃないはず。

 休刊の理由としては、「出版不況」「読者の共感が得られなかった」などの理由があるのですが、筆者としてはそもそも「Grazia」が想定する読者というのは実在しなかったのでは、という疑問が拭いきれません。今月号は、「Grazia」を支える3つの屋台骨(ファッション・子育て・仕事術)でそれを実感しました。では具体的にはどんな要因があるのか、早速誌面を見てみましょう。

<トピック>
◎みんなどう乗り越えた? 小学校1年の壁
◎360度スタイルよく見える服
◎働く。育てる。私の履歴書

ワーキングマザーには細かな階層がない

 「Grazia」の想定読者の不在……それが如実に表れていたのは、今号の子育て問題のページ「みんなどう乗り越えた? 小学校1年の壁」にありました。夕方まで、場合によっては夜遅くまで預かってくれる保育園と異なり、下校時間が早く、学童も夕方には終わる小学校。加えて学校行事やらママ友との付き合いやらが一気に増える小学校は、ワーキングママたちが直面する問題も多くなるそうで、具体的なお困りエピソードや先輩ママからのアドバイスが寄せられています。

 その中に、「私立の小学校に電車で通わせるのが不安で、家族ごと学校まで徒歩5分のマンションに引っ越した」という45歳のママと、「いろいろな選択肢を検討した結果、私のオフィスに近い公立小学校へ越境入学させました。放課後、クラブに行く日もありますが、宿題が多い日などはオフィスの一角を借りて、勉強させています」という46歳のママがいました。「Grazia」が獲得したい読者層は、まさにこの2人! 登下校が心配だからと引っ越しを決断できる経済力と行動力を持ち、オフィスに子どもを置かせてもらうことを職場に納得させるだけの立場やキャリアを持ったママ。まさに「Grazia」が望むワーキングマザーの理想形。でも、この手の女性は問題解決能力も高いし、他人の意見を鵜呑みにはしないので雑誌の読者にはなりにくい。どちらかといえば自身がオピニオンリーダーとなって雑誌に載る側の人です。

 しかしそれはどの雑誌だって同じこと。例えば、読者の専業主婦率が高い(最近でこそ、労働や社会へのコミットを促す記事が多いですが)「VERY」(光文社)。センスのいい家や洋服に囲まれた生活を維持するだけの経済力や情報収集能力・人脈を持っている人は「VERY」を買いません。雑誌の情報や提案より、自分が持っている情報やセンスが勝っているから。その手の人は「VERY」に掲載されるタイプです。ではなんで「VERY」が好調なのかというと、そこまでの属性に入っていなくても“なんとなく手が届きそう”という人が多いから。「VERY」の某モデルのようにポルシェのカイエンが買えなくてもアウディのQ7は買える、ハリー・ウィンストンのジュエリーは買えなくてもティファニーは買える、車やジュエリーが買えなくてもちょっぴりお高いインテリアは買えるというようにランクや分野をずらせば代替可能な世界です。

はコラムも活きてないのよ

しぃちゃん

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