【海外メディアの裏事情:第1回芸能誌編】

独占ネタに強い「People」、主婦を狙う「USウィークリー」。米芸能誌のすみ分け

2013/05/18 11:45

 「OK!」は、イギリスの名出版社ノーザン・アンド・シェルが誇る国際芸能誌であり、20カ国を超える国で発行している。アメリカ版は05年に創刊され、発行部数は80万部。11年に、芸能/ゴシップ誌アメリカ最大手アメリカンメディア・インク社が、アメリカ版を買収し、パパラッチ写真が増えた。なお、日本では「OK!」ウェブ版として08年から展開されている。

■写真を多用し、主婦層にアピールする「USウィークリー」

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 セレブの最新ニュースにゴシップ、最新トレンド、ファッションだけでなく、テレビや映画、音楽などのエンタテインメント情報をバランスよく盛り込んでいる、優等生的存在の芸能誌。パパラッチ写真だけでなく、レッドカーペットのファッション特集やイベントの写真も多く、同じドレスを着用したセレブの写真を並んで掲載し「どちらが似合う?」かを問いかけるコーナーや、最後のページに掲載されている「ご意見番による、セレブのファッションチェック」コーナーなどで、人気を集めている。

 同誌は、中年の主婦層を中心に人気があるとされる。その理由は、写真が多くページ数も多いこと、過激な内容の記事や写真は掲載しないこと。じっくりと記事を読む時間がなくても、パラパラと写真を見るだけでも楽しめるし、小さな子どもが見ても安心であるからだ。セレブ・ママ特集など、子育て層のニーズに応える記事も多い。セレブが愛用する高級アイテムに似ている安い商品を紹介するコーナーもあり、主婦にとっては“かゆいところに手が届く”芸能誌なのである。

 「USウィークリー」は1977年にザ・ニューヨーク・タイムズ社が創刊し、86年にウェナー・メディアが買収。発行部数は185万部で、定期購読者が多いとも発表されている。

ゲームやブロードウェイまで包括する「エンターテインメント・ウィークリー」

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 テレビや映画、音楽だけでなく、ブロードウェイや本、DVD、ゲームなどエンターテインメント全般をカバーしている、ザ・芸能誌。ゴシップ記事はないが、役者、歌手、監督、業界関係者らのインタビュー記事が多く、セレブの秘話や告白記事などもあり、読み応えは十分だ。インサイダー情報を紹介するコーナーもあって、スクープも多い。

 同じようにエンターテインメント全般を扱う「バラエティ」「ザ・ハリウッド・リポーター」は業界関係者向けであるのに対し、「エンターテインメント・ウィークリー」は大衆向けであり、とても人気が高い。年末を締めくくる、その年の「ベストとワースト」を特集する号は必見だ。また、毎年恒例の「エンターテインメント・オブ・ザ・イヤー」という特集も人気で、2012年はベン・アフレック、11年はダニエル・ラドクリフ、10年はテイラー・スウィフトが輝いている。

 創刊は1990年で、タイムワーナー傘下のタイム社が発行。発行部数、約180万部を誇っている。

最終更新:2013/05/18 11:45
「People」
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