【海外メディアの裏事情:第1回芸能誌編】

独占ネタに強い「People」、主婦を狙う「USウィークリー」。米芸能誌のすみ分け

パパラッチが日夜セレブを追いかけ回し、ネットやタブロイド紙では常に最新ニュースが飛び交うハリウッド。スピードやネタの強さでしのぎを削っている印象の強いアメリカのメディアだが、どのようにすみ分けされているのか。メディア自体にスポットを当てる短期集中連載!

 昨年、老舗週刊誌「ニューズウィーク」が紙媒体を廃止すると発表し、世間に大きな衝撃を与えた。販売部数が落ち込み、広告収入も減ったことが原因で、今後はデジタル版の展開に全力を注ぐとしている。

 日本同様、アメリカの出版業界は、今とても厳しい状況に置かれている。しかし、そんな中でも芸能誌はとても元気。2ドル(約200円)で買えるという気安さと、豊富なセレブの写真で女性を中心とする購読者のハートをがっちりと握っているのだ。今回は、そんなアメリカを代表する人気芸能誌を5つ、紹介したい。

確かな情報で、セレブからの信頼も厚い「People」

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 セレブニュースやゴシップだけでなく、一般人が興味を持つ時事ニュースを取り扱い、内容の濃さで他の芸能誌を圧倒している。「問題や事件だけでなく、関係している当事者たち」にスポットを当てており、事実に基づいた記事を書くため、セレブからの信頼も厚い。そのため、セレブのスクープ記事や独占インタビューも多く、結婚式や赤ん坊お披露目も独占的に扱うことが多い。毎年恒例となっている「最もセクシーな男性」「最も美しい100人」などの特集も人気。

 「People」は、セレブ記事だけでなく、時事記事も多いため、幅広い購読者を持つのが特徴。発行部数はダントツの350万部。昨年度の広告収入は約10億ドル(約1,000億円)で、アメリカの雑誌で最も多い広告収入を得ている。ウェブサイト版ではセレブネタにウエイトを置いており、スクープネタも多い。なんと、1日で5,170万ページビューを記録したこともあり、「People」を超える芸能誌は今後も現れないだろうとみられている。

 広告収入で儲けていることもあり、セレブの独占記事に破格の報酬金を出すことでも知られ、セレブの赤ん坊のお披露目写真の価格を吊り上げたとして、「USウィークリー」の編集者に強く批難されたこともある。

 同誌が創刊されたのは1974年。老舗雑誌「ライフ」のベテラン編集者たちにより立ち上げられ、現在は、タイム・ワーナー傘下のタイム社が出版している。なお、96年にはスペイン語版「People en Espanol」を、98年にはティーン向けの「Teen People」を、02年にはファッション&ビューティー専門版「People Stylewatch」(不定期刊)を発行。「Teen People」は発行部数が伸び悩み06年に廃刊したが、スペイン語版やファッション&ビューティー専門版の売り上げは好調だ。

ゴシップを絡めたファッションネタが強い「Life & Style Weekly」

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 ハリウッドセレブの最新トレンド情報をいち早く発信している芸能ファッション誌。人気セレブが、どのような服を着て、どんなメイクをし、どんなヘアスタイルにしているのかをゴシップ情報を交えながら紹介している。ファッション・エキスパートのコメントも多く、セレブが愛用しているファッション/ビューティーアイテムが、どこで購入できるのかなどのショッピング情報も掲載。ダイエットの記事も多く、もちろん、セレブたちの最新パパラッチ写真も満載だ。

 同誌は、04年に創刊されたニューカマーで、発行部数は約40万部。定期購読数よりも売店での購入者数のほうが多いながらも、着実に販売部数を伸ばしている。出版社は、ドイツのハンブルクを拠点に、世界15カ国語で280を超える週刊誌を発行している、大手出版社バウアー•メディア•グループ。1875年に設立され4世代に渡りバウアー一族が経営している、老舗中の老舗メディアグループだ。

 なお、姉妹雑誌に「In Touch Weekly」があるが、こちらはセレブゴシップがメイン。トム・クルーズから名誉毀損で約50億円の巨額賠償を求める訴訟を起こされており、泥沼裁判中である。「Life & Style Weekly」は「In Touch Weekly」よりもワンランク上のトレンド芸能情報誌を目指しており、若い女性を中心に人気がある。

■ウエディング特集に力を入れる「OK!Magazine」

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 セレブの華やかな世界を、内部情報を交えて紹介する芸能誌。恋愛、結婚ネタが多く、結婚式や妊娠、出産に関する情報のスクープも得意。バケーション中のセレブのパパラッチ写真もよく掲載している。消息筋からのゴシップ情報や、ファッション、ビューティー、健康情報など、バランスよく扱っている。

 同誌が特に力を入れているのは、セレブの独占ウェディング特集である。2005年にデミ・ムーアとアシュトン・カッチャーのカバラ挙式写真を300万ドル(約3億円)で、07年にエヴァ・ロンゴリアとトニ・パーカーの挙式写真を200万ドル(約2億円)で購入し、大きな話題となった。最近も「People」と共にジャスティン・ティンバーレイクとジェシカ・ビールの結婚式写真を購入しており、相当な額を払ったとみられている。

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