"噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第172回】

メディア戦略を覚えたビッグダディ、もう素人ではなくなった「盛岡編」の行方

2013/04/16 21:00
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「女性自身」4月30日号(光文社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第172回(4/12~16発売号より)

俳優・三國連太郎が亡くなった。ワイドショーでは三國の功績を称える報道を流しているが、三國が被差別部落出身だと公表、差別問題に一石を投じた功績を論ずるところは、今のところどこもない。ここでもワイドショーというメディアの軽さ、限界を深く感じる。

1位「ビッグダディ『岩手新生活』で『就職失敗』『漫画家に』!」(「女性自身」4月30日号)
参照 「週刊女性」4月30日号のグラビアトップ『ビッグダディの流儀』(4月26日発売告知)
2位「村上春樹 ここまで秘密! でも売れる理由」(「女性セブン」4月25日号)
3位「松坂慶子 絶縁母と恩讐越えて『介護同居』」(「女性セブン」4月25日号)

  4月2日号に続き、またまた「自身」が人気大家族ドキュメンタリーのビッグダディ・ネタを特集している。小豆島から4人の子どもを連れ故郷・盛岡市に戻ったビッグダディ。妻の美奈子とは離婚して、美奈子の方は子ども6人を連れ宮崎に移り住んだ。その最新の近況を「自身」がレポートしているのだが――。

 ダディは島での整骨院経営がうまくいかず、盛岡で就職活動を行ったがこれにも失敗。仕方ないので盛岡で整骨院を開業するらしい。そして離婚した美奈子とも仲が悪いわけではなく、連絡も取り合っている――。やはり、よくわからん家族である。人の家庭だからどうでもいいけど、ここまで見続けたからには最後までと思うが、問題はそこだ。

 「自身」によれば、4月21日放送予定の19弾でテレビ朝日との契約は基本的に終了するという。しかし最終回かといえば、歯切れが悪い。ダディの友人なる人物のコメントとして、視聴者も盛岡に移ったその後が気になるだろうから「もう1回くらい、テレ朝からオファーがあるかもしれない。そのときに美奈子さんが出ると言えば、あと1回だけなら…という思いもダディにはあるそうです」という何ともあやふやな流れになっていくのだ。「自身」は4月2日号でも岩手編が予定されていると続行を匂わせていたが、結局終わるのか、終わらないのかは全然わかってないのね。でもこの事態、気を持たせて話題性、視聴率を稼ごうとするテレ朝の戦略か、それともダディ自身の思惑か。そんな穿ったことさえ考えてしまう。

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
ダディ自伝とともにブックオフ書籍決定
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