[ジャニーズ事務所とアジア戦略]

タイのKAT-TUNファン歓喜! 田口淳之介の登場にファン1,000人集結

揺るぎないアイドル帝国・ジャニーズ事務所。されど、日本からアジアに目を広げるとK-POPという新たな潮流に市場を占められつつあります。ジャニーズ事務所のアジア展開の活動を、タイからレポートします。

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 17日、タイ・バンコク都心のショッピングセンター内の映画館で、日本ドラマのプロモーションイベント『J Series Festival』が開催された。韓流ドラマの圧倒的な勢いに押されて影の薄い日本ドラマを海外へ売り込もうと、国際ドラマフェスティバル in TOKYO実行委員会が主催したものだ。NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の民放各局の連続ドラマをタイで放送するというプロジェクトの宣伝として、日本から菅野美穂、田口淳之介(KAT-TUN)らが登場した。

 Facebookでイベント来場者を募集し、抽選で150組(300名)の日本ドラマファンを招待。当日は、菅野、田口のほか、アイドルグループの東京女子流、ニコニコ動画出身のヴィジュアル系歌手PIKO(ピコ)がゲストとして登場するとあり、当選チケットが転売されるなど、開催前から盛り上がりを見せていた。当日は会場に入れず、場外のモニターで見物した人も含めて1,000人以上が集まった。

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 その約9割が女性で、ほとんどが田口ないしはKAT-TUNファンとみられる。先日のHey!Say!JUMPの記事でも書いたように、KAT-TUNは、2010年5月にバンコクでコンサートを行う予定だったが、タイの政治デモが激化したために中止になっており、来タイは03年のパタヤ音楽祭以来10年ぶり。会場にはテレビ、雑誌、新聞、ウェブなど多数のメディアが取材に訪れており、注目度の高さをうかがわせた。

 実際のイベントはまず、ボーカロイドCUL(カル)が登場して、タイ語と日本語で挨拶した後、タイで放送予定のドラマ11本のダイジェストが上映された。その内訳は、『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ)、『孤独のグルメ』(テレビ東京)、『13歳のハローワーク』(テレビ朝日)、『南極大陸』(TBS)、『平清盛』(NHK)、『大奥』(フジテレビ)、『リーガル・ハイ』(同)など。最近のものから10年前のものまで幅広く取り揃え、また、ジャニーズ、グルメ、着物の多用される歴史物と、海外向けにバランスを考慮したラインナップだ。今後、30本以上のドラマがタイの地上放送や衛星放送で放送される予定という。

■タイでもキムタク人気はいまだ健在

 面白いことに、『野ブタ』でKAT-TUNの亀梨和也と山下智久が画面に映し出されると、そのたびに客席から歓声が上がる。『リーガル・ハイ』なら田口、『13歳』なら松岡昌宏(TOKIO)は無視して横山裕(関ジャニ∞)と、ジャニーズ勢が登場する時の歓声の大きさには驚くほど。しかも、その声が際立って大きかったのが、『南極大陸』の木村拓哉。キムタク神話は、タイではまだ十分生きているのだった。ちなみに『平清盛』の松山ケンイチや玉木宏にも歓声が上がっていたので、日本のイケメン俳優も人気があるようだ。

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手を合わせてタイ式挨拶「ワイ」

 ダイジェストの後は、司会の人気タレントが登場し、いよいよ田口淳之介の出番。菅野美穂と共に舞台に現れた田口は、「入口出口田口でーす!」と、お決まりの挨拶で客席をどっと沸かせていた。司会の質問に2人が答える形でトーク開始。タイの印象を聞かれた田口は、「僕が前に来たのは10年くらい前、パタヤミュージックフェスティバルで、その時はだいぶ子どもだったけど、今大人になってパクチーが好きになりました」と答え、司会から「タイのドラマにもぜひ出てほしい」と言われると、「その時は名前をパクチー淳之介に」と返して、客席は大爆笑。KAT-TUNの中でも地味な田口が、ここでは堂々と主役を務め、観客の関心を一身に集めていた。ちなみに、菅野美穂もそれに続けて「じゃあ、私はパッタイ美穂にします」と絶妙な返しで笑いを取っていた。

 その後、PIKOや東京女子流、タイの人気歌手のライブがあり、最後にサプライズが行われた。客席から選ばれた6人に、6放送局のマスコットがプレゼントされ、壇上でゲストと一緒に記念撮影ができるというもの。中には感激のあまり泣きながら舞台へ駆け寄ってくる女の子もいた。

 続いて行われた記者会見で田口は、「僕が空港に到着した時にはたくさんのファンの方に迎えていただいてすごく感激しましたし、そういうファンの方たちに恩返しというか、そういう形でライブや活動ができたらいいなと思うので、皆さんこれからもずっと応援し続けてください」と話したが、KAT-TUNのタイでのコンサートの予定については明言しなかった。

■田口のために入・出待ちをするファン

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アフターパーティーの様子

 イベント終了後、関係者向けのアフターパーティーが行われた。その間も、会場の外で田口ファンはうちわや垂れ幕を手にずっと待機。入場、退場時に笑顔で手を振る田口が現れると、黄色い声で叫んだり、うちわを振ったりと大忙し。イベント中は撮影が禁止されていたので、ここぞとばかりに携帯やカメラで撮影しまくっていた。

 今回のイベントは多数のタイメディアで紹介され、ひとまず成功といえるかもしれない。しかし、パーティーでは、ゲストが乾杯用のグラスを持ったまま、主催者や在タイ日本国大使などの挨拶が延々と続き、いかにもお役所的なイベントであることが垣間見えた。また、取材に来ていたタイのメディアの記者に、今人気のある日本のタレントを聞いてみても、「誰って言えない。今人気があるのはK(韓国)だから」という答えが返ってくる。

 一方、会場の田口ファンの声を聞いてみると、これから放送しようとしているはずの『野ブタ』をすでに見たと話す。実はタイでは、海賊版DVDが繁華街の露店で1枚100バーツ(約300円)ほどで売られており、連続ドラマでも全話500バーツ程度(約1,500円)で、日本の放送直後に見ることができる。しかも、タイ語字幕付きで。

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日本語でメッセージを書いたうちわや垂れ幕などを持った田口のファンたち

 タイハイフン(タイのKAT-TUNファン)たちは、KAT-TUNのコンサートが見たいと口を揃えて言っていた。ドラマを売り込むのもいいが、イベントなりコンサートなりで、現地のファンが生でアイドルを見られるチャンスを増やした方がいいのではないだろうか。タイでは、そこそこ人気のあるバンドや歌手は全国各地を回って、クラブやパブなどでのライブ、いわゆる営業を積極的にこなしている。海賊版や違法ダウンロードの氾濫でCDは売れないが、ヒット曲さえあれば、店側がアーティストを呼ぶので、それで稼げるのだ(店は客からは入場料は取らず、飲食代で売り上げを上げる)。さらに名のあるアーティストは、ホールやスタジアムなどで単独でチケットを売って大規模なコンサートを行っている。

 ここ2年で、X JAPANやL’Arc~en~Ciel、LUNA SEAが続々と来タイし、1万人規模の会場でのコンサートを成功させている。今年3月にはBerryz工房やSCANDALがバンコクで単独公演を行った。6月にはGLAYのコンサートも予定されている。

 日本ではピークを過ぎたアーティストやアイドルも、ここタイでならまだひと花咲かせるチャンスがあるともいえるのだ。K-POPに押されているにしても、現地のジャニーズファンがこんなにも求めているのだから、ジャニーズも公演をやってはどうだろうか。私も心待ちにしている。

西野風代(にしの・かぜよ)
東京生まれ。日本で週刊誌記者、女性誌編集などを経て2006年よりタイ在住。雑誌などのライターとして、ビジネスからエンターテイメントまで幅広く取材。タイ検定3級。

タイのみなさん、MABOを無視しないで……

しぃちゃん

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