[女性誌速攻レビュー]「I LOVE mama」4月号

家購入、子どもは東大に……「I LOVE mama」の堅実で最先端な人生設計

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「I LOVE mama」2013年4月号(イン
フォレスト)

 「I LOVE mama」(インフォレスト)に登場しているギャルママたちの、つけまとカラコンで覆われた瞳から放たれるビームは、時々痛いほど強烈です。これは「若さ」という言葉では単純に片付けられないなあと、4月号を見て思いました。若さ+ギャル+美+ママ+妻×節約=「I LOVE mama」。いろんな要素が組み合わさることでエネルギーが増幅しています。いや、それだけではない、なにか圧倒的な強さがある。それはなにか、探ってみたいと思います。

<トピック>
◎大特集「春から始める 美ママのリニューアル計画」年間100万円貯めた「貯活ママ」の節約日記
◎春に向けて私○○始めました
◎いつかちびコにも教えたい“私がママになるまで”

■堅実すぎてびっくり

 先々月号のリニューアル時でおしゃれ系に路線変更したのかと思いきや、今月は、「私たちU-¥5,000でコレ買って春まで着ます」「100均グッズでお部屋スッキリ! 収納アイデア23のコツ」「年間100万円貯めた『貯活ママ』の節約日記」など、リニューアル前にあったような節約企画が3本も掲載されていました。どういう路線で行きたいのかよくわかりません。

 といいつつ、「年間100万円貯めた『貯活ママ』の節約日記」には感心しました。登場するギャルママの主婦力が想像をはるかに超えていたからです。夫の月収25万円で現在貯金700万円という主婦33歳は、「パンからおやつまで何でも手作り派」と言ってパン屋さんのようなアンパンマンを焼き、おしゃれももちろん手抜かりなく、「ヘアカラーもカットも自分でやるよ」とのこと。さらに、「どこでも愛用チャリで出かけて交通費カット」「電車で15分くらいの距離なら余裕でチャリ」と語ります。電車で15分って相当なものですよ。一般的に10キロくらいのようです。

 そこまでして節約する理由はなんだと思いますか。住宅ローンの返済です、住宅の、ローン! 「念願のマイホームを30歳で購入♪」「今は、ちびコの将来のために貯金してる★家のローンの繰り上げ返済もしたいな♪」ですって。筆者は39歳賃貸生活。なんだか恥ずかしくなりました。恥ずかしくなったけれども、電車で15分の距離をチャリで行く気力も体力もありません!

 また別の“シンママ(シングルマザー)”は、月収37万円で光熱費を節約するなどして9年間で1,500万円貯金。今日び、北海道から上京して25歳の子持ち女性が月収37万円(手当等除く)も稼いでいるところに、まず「偉いわ~」と感心。「灯油は遠くても安いスタンドまでわざわざ買いに行くよ」というところに涙。さらに「暖房代節約のために冬は部屋の中でも厚着!」といって派手柄フリースベストを母子で着ている写真に拍手喝采ですよ。なぜ節約しているのか、理由がまた泣ける。

 ちびコに「東大に入ってもらうのが夢」

 ですよ! 「将来のちびコの学資金として1,000万円を目標に貯金してるんだ♪ 塾にも通わせたいしね(はぁと)」「ちびコのためとは別に、自分の老後のためにも貯金したいから、まだまだ頑張るよ!!」とのことです。どういう理由で東大をめざしているのか詳細は不明ですが、ここまで貯金して宣言するからには本気なのでしょう。いつもなら「子どもを東大入れてどうすんの?」「子どものレールを敷くわけ?」と斜め下からイヤミを言いたくなるところですが、今回は言いません。斜め下から見る人間は、しょせん斜め下にいる人間なんです。ラブママ読者のように直球勝負がたまにはうらやましい。直球で東大を目指したい。そう思いながらできない我が身が、つくづくつまんねぇ人生だなと思うのでした。

貯金も子どもも資格も、なんとかなる!?

 「いつかちびコにも教えたい“私がママになるまで”」という企画ページを見てみましょう。8人のラブママが登場して、パパとの出会いから出産までのストーリーを語っています。平均年齢24.8歳。8人中6人ができちゃった結婚。うち2人はできちゃった→中絶を経験し、その後入籍しています。

 こういった結婚パターンに対しては賛否両論ある……いえ、否定的な声の方が多いかもしれません。確かに、“付き合ってすぐ同棲して3カ月で妊娠するも中絶”なんて経験談を聞くと、ひとこと説教したり批判したり見下したりしたくなってモヤッとするでしょう。しかし、その気持ちをちょっと抑えて考えてみると、ラブママは21世紀の女の生き方の新たな可能性を示しているとも思えます。それは、早く産んで早く結婚して、その後で貯金して働くという生き方。

 別のページの企画「資格取得・習い事…etc 春に向けて私○○始めました」という資格案内のページでは、整理収納アドバイザー1級、カラーコーディネーター、ヨガインストラクター、ネイリスト2級などの資格取得をめざすラブママが登場しています。読者200人のアンケートによると、取ってみたい資格1位は「医療事務」、2位「ホームヘルパー2級」、3位「ネイリスト3級」。「資格を取得してどうしたい?」という質問の回答1位は「働きたい」、2位「開業したい」、3位「趣味を極めたい」となっていました。

 昨今の働く女性の多くは、ラブママ読者と順番が逆です。資格を取ったり職を安定させたりしてから、貯金しつつ結婚、しばらく共働きで貯金して妊娠、出産。すべてを万端に整えてからコトを運びます。交通費がなければ交通費を用意してから出かける。チャリに飛び乗って突っ走るようなことはしません。勢いで同棲→妊娠→結婚→出産、子どもを抱えて節約、貯金、資格取得……は「無謀」と思うでしょう。

 誌面に登場するママたちは「成功者」として出ているわけですから、家も貯金もあって幸せそうですが、全員がそうとは限りません。やっぱりこういう生き方はアホのすることですか。これじゃ幸せになれないと思いますか。……わかりません。しかし、ラブママ読者と逆のパターンなら幸せになれるかというと、それもわかりません。筆者は、ラブママ読者の選択はしませんでした。だからこそ、彼女たちの生き方に自分にはない力強さを感じるのです。そして、意外とこれ古典的にして最先端の生き方なのかもしれないと考えてしまったのでした。
(亀井百合子)

節約好きな日経ウーマン読者が見習うべきはラブママ!

しぃちゃん

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