[TVツッコミ道場]

美味しそうに食べる仲間由紀恵が問題? 『サキ』の世界観が“薄い”!


『美しい隣人/ポニーキャニオン

 今回ツッコませていただくのは、『サキ』(フジテレビ系)。仲間由紀恵演じるヒロイン・サキが前作『美しい隣人』(同)と同一人物だという設定以外、舞台も登場人物も全てが異なるとはいえ、やっぱり不思議なのは、なぜ『美しい隣人2』にしなかったのかということ。視聴率は第1話の11.4%(ビデオリサーチ、関東地区/以下同)、第2話の12.2%以降は、1ケタがほとんどとなり、苦戦している状況だ。

 美しい看護師が複数の男性を翻弄し、その人生を破滅させていくというストーリー。鼻づまり気味の声で、微笑みを浮かべ、ゆっくりとたっぷりと文節ごとに区切ってしゃべる様子は、かなり意味深に見えて、何かが始まりそうな予感がする。そしてこれには、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(同)の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で柴田由美子と松岡智子がやるネタ、「何気ない一言にも深みが出る真矢みき」に近いものを感じてしまう。

 また、前作と同じテイストの静かで妖しげなBGMも、そんな予感をより一層強める。それでいて、さほど「何か」が始まらないのが、『サキ』のポイントだ(気づいたら、人は死んでいたり、ドロドロの怨念があったりするわけだけど)。何かが決定的に薄いのだ。その「薄まっているもの」の1つは、アクティブさだ。

 前作で見られた、渡部篤郎のヒステリックなオネエ的逆ギレトークもなければ、檀れいのブリっ子演技もない。前作では常にうっすら微笑みを浮かべ、表情を変化させない仲間と好対照だった「生っぽい」2人がいないのは、やっぱり惜しくてならない。

 また、「マイヤーキック」に代表されるヒロインの暴力的な面が、今回は発揮されていない。もう1つ大きく薄まってしまっているのは、なんといってもミステリアスな雰囲気だろう。気のせいか、仲間由紀恵は前作に比べてぽっちゃりしたように見える。

 本作の中では、サキが企みを1つ達成するたびに「自分へのご褒美」的にご馳走の数々――ステーキやアワビ、生牡蠣、チキンを食べるシーンが登場する。でも、ご馳走を食べる口元のアップが映し出されるとき、ツヤツヤ真ん丸の健康的な顔のせいか、おそらく意図している「エロス」「艶めかしさ」「妖しさ」はあまり感じられず、「美味そうに食べるなあ」という印象ばかりが強く残ってしまうのだ。

 いろいろと惜しい『サキ』。前作も結局、振り返ってみると何だったのかよくわからない話だったものの、濃厚なスパイスだけはふんだんに振りかけられ、今でもはっきり思い出せる。終盤まできた今、望むのは、前作とどこかでストーリーがクロスしてくるのではないかということ。ここで突然、渡部篤郎が出てきたら、ちょっぴりうれしい。
(田幸和歌子)

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