番組の呪い、との声も!

ミンディ・マクリーディが自殺、あのリアリティ番組から5人目の死者

2013/02/20 16:20
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『Ten Thousand Angels』

 カントリーミュージック界のお騒がせ女として知られていたミンディ・マクリーディが17日、自宅のベランダで遺体となって発見された。享年37歳だった。

 複数の米メディアが報じた内容によると、ミンディが亡くなったのは、最愛の恋人、デビッド・ウィルソンが先月13日に拳銃で頭を撃ち抜き自殺した自宅ベランダで、彼と同じように拳銃自殺により自らの命を絶った。ミンディはデビッドの死後、ひどいうつ状態となり、夜通し酒を飲みながら処方薬を大量に服用する日々を送り、2人の息子たちの育児も放棄していた。見かねた父親が裁判所に赴き「リハビリ施設に強制入院」させるよう申請。今月6日、裁判官から命じられるままに精神衛生センターに入院し、精神鑑定とアルコール乱用の鑑定を受けたものの、通院で治療可能との診断を受けたため、すぐに自宅に戻っていた。心配した父親が彼女の面倒を見ていたが、家を離れたすきに自殺してしまったという。なお、裁判官の指示により、2人の子どもたちとは状態が改善されるまで離れて暮らすことになっていたため、母親の死の現場を見ずに済んだとのことだ。

 ミンディは、18歳でカントリーミュージック専門大手レコード会社「BNAレコード」と契約。デビューアルバム『Ten Thousand Angels』(1996)は200万枚売れる大ヒットとなり、一気にスターダムを駆け上がった。

 セクシーなブロンド美女というルックスの彼女を男性が放っておくわけはなく、人気テレビドラマ『新スーパーマン』でクラーク・ケント役を演じたディーン・ケインと交際を始め、すぐに婚約。あっけなく破局した後はプロアイスホッケー選手と交際するものの長続きせず、2003年に売れない歌手ビリー・マックナイトと付き合いだした。DV男だったビリーは、05年5月、ミンディを激しく殴打した上で首を絞め「殺してやる!」と脅迫したため逮捕。その2カ月後、ミンディは大量の薬をアルコールで飲み自殺を図るものの、ビリーと復縁し、すぐに妊娠。彼との関係を悲観し、妊娠中にも抗うつ薬を大量に服用し自殺を図ったが、06年3月に赤ん坊は無事に生まれた。

 母親になってからもミンディの自殺願望はなくならず、08年12月には手首を深く切り救急搬送され、10年12月にもオーバードーズ(薬物過剰摂取、以下OD)で病院に運び込まれており、両親は彼女の精神状態を常に心配していた。

 ビリーと交際し始めてからは法的トラブルも起こすようになり、04年8月に偽の処方箋を使い依存性の高い鎮痛剤オキシコンチンを購入しようとしたとして逮捕。翌年には期限切れの免許で飲酒運転したとして逮捕され、その後も、不法監禁、証拠隠滅、他人の個人情報を盗んだとして逮捕・起訴された。07年には母親と大ゲンカし駆けつけた警官に対しても抵抗したため逮捕されており、これが保護観察中の違反行為だとみなされ、禁錮1年などの実刑判決を受けた。08年9月に再び違反行為があったとして禁錮60日間を命じらている。

 これだけでもすさまじい人生だが、ミンディの最大のスキャンダルは、「大リーグ史上5本の指に入るピッチャー」と崇められたロジャー・クレメンスとの長期にわたる不倫である。ミンディは、まだ高校生だった15歳の時にロジャーの愛人になり、その関係は10年余り続いたと08年に告白。交際当初、ロジャーは28歳で、すでに妻も2人の子どももいた。彼は「ミンディは知っているが、不倫関係にはなかった」と否定しており、後に、ミンディも「付き合いだしたのは16歳、セックスしたのは法的に大丈夫な18歳になってから」だと主張したが、法律にもモラルにも反した“禁断のスキャンダル”だとして大騒動となった。

 実は、このロジャーとの不倫騒動にはオチがある。元カレとセックスを楽しんだ際、ピロートークで、ミンディがロジャーのセックスがどれほど素晴らしかったかを語るセックステープが、10年に流出してしまったのだ。ミンディのセックスだけでなく、名選手ロジャーとのセックスを知ることができるこのビデオテープは、『ベースボールの愛人』というタイトルでリリースされ、大ヒットした。ちなみに、今回彼女が自殺したことを受け、このテープのDVD販売、ポルノサイトでの配信など、すべて自粛されている。

 ジェットコースターのような人生を送ってきたミンディだが、レコードプロデューサーのデビッドと出会ってからは更生への道を進むようになった。薬物依存や度重なる自殺未遂のため、長男の親権は彼女の両親が持っているが、「息子を愛している」と公言しており、昨年4月にはデビッドとの赤ん坊を出産。幸せな家庭を築いていこうと歩んでいたところだった。

 デビッドがなぜ自殺したのかはわかっていない。本人が浮気、不倫をしており苦しんでいたというウワサが流れていたが、ミンディはきっぱりと否定。「愛し合っていた」と主張し、なぜ命を絶ったかはわからないと途方に暮れていた。また、後追い自殺することをにおわせるような、「彼は私の命だったの。互いにそうだったわ」というコメントを出しており、ファンを心配させていたところだった。

 ミンディは10年に放送された、落ち目のセレブが共同生活をして依存症を克服するリアリティ番組『Celeb Rehab』シーズン3に出演していた。デニス・ロッドマンやトム・サイズモアらと共に奮闘する姿がとても印象的だったのだが、実はこの番組、これまでに出演していたセレブ4人が亡くなっており、“呪われた番組”だともささやかれている。これまで6シーズン放送されており、切羽詰まったセレブばかり出演しているので、仕方のないことなのかもしれないが、それにしても多すぎるというのだ。

 11年3月にミンディと共にシーズン3でリハビリした、アリス・イン・チェインズの元ベーシストとして知られるマイク・スターがODで、同年5月には映画『グリース』で知られるジェフ・コナウェイがODで、昨年6月にはロス暴動のきっかけともいわれるロドニー・キングが不慮の死を遂げ、8月にはリアリティ番組のスター、ジョーイ・コヴァーがODで亡くなっており、ミンディで5人目。2年間に5人の出演者が亡くなるというのは、確かに多いようにも思える。

 番組の呪いにかかったのかはさておき、壮絶な人生にミンディ自身がピリオドを打ったのは、紛れもない事実である。今生の苦しみから解放された彼女が、安らかに眠ることを願わずにはいられない。

最終更新:2013/02/20 16:20
『Ten Thousand Angels』
痛ましい……
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