[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

正月帰省、夫の両親との「気の使い合い合戦」で渦巻いたドス黒いもの

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(C)安彦麻理絵

 気が付けば、新年が始まってもう20日が過ぎてしまった……早い。早すぎる。ボヤボヤしてると、あっという間に12月31日がきてしまう……「トシをとると、1年があっという間」とはよく聞くが、本当にその通りだ。自分がまるで、ボケ老人のように思えてきた。

 今年の元旦は、新幹線に乗って夫の実家・名古屋へ行った。「元旦はわりと空いてるらしい」と、小耳にはさんでいたので、それを期待していたのだが、そんな事はなかった。ちゃんと「ぎゅうぎゅう詰め」な感じであった。一応指定席で行ったとはいえ、こちらは「小さい子ども3人連れ」である。昨年の「さかもと未明さん騒動」があるので、周りの人達の迷惑にならないよう、緊張感がハンパない。もう、頭の中はビキビキのバキバキ、相当険しい面構えになっていた。加えて「これから夫の実家……」という、思わず眉間にシワを寄せたくなるような予定が待ち構えているので、かなり気が重かった。座席に乗り込むと、車内にはそんな家族連れがけっこういた。小さな赤ちゃん連れの若い夫婦が、2人でオロオロしている。ダッコしてあやしながら、せわしなく通路を歩くお母さんも多数。小さい子どもはちゃんとイスに着席してる事ができないので、否応なしに、新幹線の出入り口あたりに連れていくハメになる。デッキ部分はそんな子ども連れの「疲れ切ったお母さん達」の吹きだまりと化していた。

「この人たちも、これから夫の実家に行くのかしら……?」

 基本的に「嫁」というものは、姑にいじめられてたり、イヤミを言われてなくとも「ダンナの実家は苦手」なものである。「ダンナの実家に行くの、大大だぁ~~いすき!!」なんて女には会ったためしがない。

「ここにいる人たちももしかして、今の私とおんなじ気分なのかしら……?」

 そう考えると、周りの女達に妙な親近感がわいてくる。新幹線のデッキは、そんな疲れ切った女たちの「負のオーラ」が発酵臭のごとく充満していたが、しかしなんていうか「みんなそうなんだよね☆」という一体感も感じられ、そこはかとなく「なま暖かい優しさ」に包まれていた。もしもここで、ねぎらいの「新幹線子連れ奥さん飲み会」なんてやったら、どんな事になるだろう? きっと皆、とんでもなく殺傷能力の高い「不満やら不安」を、嬉々として吐き出しそうである。子持ちの女にとって「そんなストレスのぶっかけあい」は、実はものすごくストレス解消になったりする。なにしろ女は「毒」に対しての耐性が強い。「毒のパイ投げ」を楽しめるのは、女ならではである。新幹線の中に「盆と正月の期間限定」で、そんなお座敷列車的な車両が出来たらすごくいいのに、と思うのは私だけだろうか? 1年のうちでダンナの実家への帰省ラッシュが激しくなる時期。そんなシーズンの新幹線内は、女の負のオーラでパンパンなハズである。

 そんなわけで、名古屋到着。夫の両親は、いたれりつくせり、我々をもてなしてくれた。普段まったく酒を飲まない人たちが、「さあ飲みなさい飲みなさい」と、ビールをすすめてくれるので、本当に申し訳ない気持ちで一杯になる。こんなに色々してもらってるくせに「夫の実家が苦手」なんて言ってたら、「絶対バチが当たるよな」と、心底思う。「嫁姑の関係が最悪」なんて人からすれば「何贅沢言ってんのよ!」と、激怒されるだろう。でも、それでもやっぱり「苦手かも……」と、思ってしまうのは、それはやはり「お互いの、過剰なまでの気の使い合い」のせいである。私だけでなく、間違いなく向こうも(夫の両親も)気を使い過ぎて、疲れてしまってるはずなのだ。そんな中、夫はどうしてるかというと、何故か私にどんどん酒をすすめてくる。「有無も言わさず酒飲ましときゃ、文句は言わないだろう」とでも思ってるのだろうか。夫まで私に気を使ってるのだ。

 結婚とは、異文化交流である。その一言につきる。そんな異文化のぶつかりあい、せめぎあいの中に、気の使い合いがなだれ込み、家の中は訳の分からない渦に巻き込まれるのである。「さんざん飲んでる割には、全く酒の味がわからない……」。新幹線での疲れと緊張、夫の両親との「気の使い合い合戦」、顔には満面の笑みを浮かべているくせに、私の腹の中ではなんだかドス黒いものが渦巻きだし……このままでは夫や子どもに当たり散らしてしまいそうになるのを察知した私は、「ごめん、ちょっとガス抜きさせてくれ」と、こっそり夫に頼んだ。

 そんなわけで私は、歩いて10分くらいの所にあるコンビニに、1人で赴いた。そして、エビスビールを1本購入。「コンビニの駐車場で、1人缶ビールを飲む中年女って、一体どうなんだろう」と思いつつも、「ああ! これが私の正月だ!!」と、一気にビールを飲み干した。そして、そのままタバコを吸ったら頭がクラクラしてぶっ倒れそうになったが、今の暴挙で、確実に「ガス」は抜けた。

 てなわけで、もしもダンナの実家でストレスがたまったら。そんな時は、5分とか10分でもいいから、とにかく「1人になる時間を無理矢理作る」事をおすすめする。そうする事で自分を取り戻すと、かなりのガス抜きになる。コンビニの前や、自販機の前でコーヒーとか飲むくらいで、だいぶ楽になるものだ。ちょっとケータイで、ささっと自分の友達と喋るのも、息が抜けていいかもしれない。「いつもの自分を取り戻す」ってのが、キモなのだ。

 1月4日、昼帰宅。私の顔は、ガビガビに乾燥しまくってるのに、アゴに真っ赤なでっかいニキビがボ~~ン、という最悪な状態になっていた。そして、顔中むくんでパンパンになり、もう、誰とも会いたくないような面構え。しかし、ようやくいつもの日常に戻れた事でホッとしていた。それは多分、夫の両親も同じ思いでいるに違いなかった。

「夫の両親と同居してる」なんて人は、私からすればもう、尊敬に値する。

その愛され願望がうざいんだよ!

しぃちゃん



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