[女性誌速攻レビュー]「AneCan」2013年2月号

浮かれテンションの「AneCan」が“最強にかわいい”と推奨する「ちゅん顔」って?

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「AneCan」2013年2月号(小学館)

 2013年、一発目の「AneCan」(小学館)は看板モデル・押切もえの決意表明から見てみましょう。いつも理想を高く持ち、過剰な自分探し・自分磨きをしてどんどん自身の魅力を磨き落としていくもえちゃん、ファンもウォッチャーもハラハラさせられています。連載「shikiri BE-DO!」によりますと、今年の目標は「弾ける年」。モデルとしては1カット目からグッと入り込んでイメージ以上の写真を残したい、テレビではもっと的確に主張を伝えられるようになりたい、「見る力」を養って人の気持ちがわかる心優しい女性になりたい、と今年も前のめり!! 磨きすぎて今年中にあの細い体がなくなるんじゃないかと心配になるぐらい、自分磨きへの決意は固いようです。

 もえちゃんの頑張りは痛いほどわかるのですが、白鳥も水面下でもがいているからこそ人々から愛でられるのであって、もえちゃんは「巨大水槽に沈まされている上島竜兵or出川哲朗」のように全身でもがいています。水槽に落とされるイジられ芸も頻度としては少ないから笑えるのに、もえちゃんは四方八方で「がんばり告白」しちゃうので食傷気味。頑張れば頑張るほど見る側が苦しくなるもえちゃん、いつか「今年は頑張らない」と言ってくれる日が来ることを待っています。

<トピック>
◎友里OLの「あったかくて、ちょっと甘い」1月の1か月コーディネート
◎最強にかわいい! “ちゅん顔”をマスターせよ!
◎今年こそ!「朝充」な女になる

溺れるもえちゃん、優雅なエビちゃん

 もえちゃんが上島竜兵化している傍ら、「AneCan」の女王の座をほしいままにしているエビちゃんこと蛯原友里は、優雅に「友里OLの『あったかくて、ちょっと甘い』1月の1か月コーディネート」に登場していました。今回の設定は、エビちゃん同様、新婚のOL。新プロジェクトで「旦那さまと同期のマサキ先輩」のアシスタントになり、業務上一緒にいる時間が長くなったせいか、社内でマサキ先輩とウワサに。それを知った「旦那さま」がご機嫌ナナメになって数日は気まずいものの、一度腹を据えて話し合ったら「誤解もとけたみたい♪」。そして結婚記念日は、プロポーズされたレストランで待ち合わせ……という、今どき少女マンガにも出てこなそうな内容です。

 「仕事で一緒にいる時間が長いからといってウワサになるって、どんだけ暇な会社よ?」や「自分の夫に『旦那さま』って……」などいろいろ思うところはあると思いますが、一言で集約すると「既婚でもこのパターン?」ということ。「AneCan」は名前の通り「CanCam」の姉版なのですが、「姉」の部分がまったく見えません。むしろ、新婚という設定でさらに浮ついた感があって非常に恐ろしい。

 「AneCan」はモデルの鈴木サチが第2子を産んでコラムなどで子育て関連を語ったり、真山景子も第1子を産んだり、「かばんの中身を見せて」に子アリ読者を登場させたり、着々と「ママ」読者を囲うための素地づくりをしています。もちろん、女王エビちゃんの出産を待って「ママ」に進出するぞという気概は端々から感じるのですが、もしエビちゃんに子どもが生まれて「甘めママコーデ」という着回しコーデ企画が誕生したら、どのぐらいの浮かれっぷりなのだろうと、今から身構えずにはいられません。

29歳でちゅん顔マスターという恐ろしさ

 そんな浮足立った「AneCan」がさらに浮かれているようにしか思えないのが、「最強にかわいい! “ちゅん顔”をマスターせよ!」という企画。それによると、ちゅん顔とは「AneCanの撮影現場でしょっちゅう使われる、いわば業界用語なんです。『笑顔じゃなくって、ちゅん顔で』『ちゅん、ってして』それは『笑顔じゃないのに女のコらしくてかわいい、ちゅん、とすました表情のこと』」だそう。業界用語なのに聞いたことがない! と焦り、知り合いのファッション誌編集者にしてみたところ、「チュンガオ? 新しい中国茶?」「撮影中に言うの? 『ちゅん、として』って?(笑)」という返事でした(筆者調べ)。「AneCan」のせいで恥かいたわ!

 実際にみなさんがちゅん顔をする時のポイントとしては、「目をぱっちり見開く!」「口はちょい開ける!」だそう。上級者のアナタには「ちょっぴり上目使いをすると、ぱっちり感がアップ。写真を撮る際や、おねだり時に(笑)お試しを!」「ちゅん顔にマストな“キョトン”としたニュアンスは、口を少し開けることで実現。そのうえで口角をやや上げれば、完璧なちゅん顔マスターです!」ともう一段上のテクニックも紹介されています。読者の平均年齢29歳(媒体資料より)、既婚者や子アリ読者もいる中で、「キョトン」「上目使い」「おねだり」という単語が飛び交う「AneCan」、現実とのかい離がすさまじいです。撮影中に「笑顔じゃないのに女のコらしくてかわいい、ちゅん、とすました表情」をねだられたら、そりゃもえちゃんも頭の中が大パニックになって、自分磨きに勤しんじゃうだろうと初めて同情しました。

■「女子会」に効率を求めるな!

 もえちゃん系自己啓発好き女子の間では「朝活」が数年前からはやっていますが、「AneCan」にもその波が押し寄せて来たようです。「今年こそ!『朝充』な女になる」によると習い事や美容室はもちろん、今や女子会やデートも早朝に行われるとか。そこで気になったのは、朝女子会を楽しむ読者の「お酒も入らないから会話も効率的で、ホントいいことづくめ!」という感想。女子会は、ダラダラと非効率な会話こそが醍醐味なのでは? 仕事という男性的な効率主義に疲れた女性たちが、とりとめもなく、非生産的な話をしたいからおのずと集まるのが女子会という認識でしたので、筆者としては軽いカルチャーショックを覚えました。

 もっといえば、「AneCan」読者が“効率”を求めること自体、読者の流れが変わってきたように思います。「AneCan」や「CanCam」が読者と共有してきた「かわいい」という感覚は、“ムダ”に宿るもの。書きやすい万年筆よりも「かわいい」ボールペンを愛してきた読者、スリムで持ちやすい携帯よりもデコった携帯を愛してきた読者が、女子会で効率を求めるようになったとは。どんな大企業の重役に女性が昇進したことより、「AneCan」読者が効率優先になった方が、社会が変わったことを実感できます。「AneCan」も「ちゅん顔」とか言ってる場合じゃないよ!!

 多くのアラサー向けの女性誌がそうであるように、「AneCan」も自己啓発系、男性依存系、既婚者・子持ちのどこに目配せするかで混乱している様子。「甘いテイストのかわいいものが好き」という一点で集客してきた「AneCan」に、効率重視という新たな価値観を持つ読者が増えると、誌面はどう変わっていくのか、気になるところです。
(小島かほり)

上島竜兵のちゅん顔が見たいッス

しぃちゃん

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