トム・ハンクスにも黒歴史?

ラズベリー賞全制覇? アル・パチーノら名優たちが出演した超駄作


『ジャックとジル』(ソニー・ピク
チャーズエンタテインメント)

 ハリウッドの頂点に立つ俳優たちの多くが、下積み時代を経験している。下積み時代、彼らの多くは生活のため、また業界で注目してもらうため、作品を選ばず仕事を受けていた。その結果、スターになった時、「こんな駄作に出ていた」と笑いnネタにされることが多い。また、大御所と呼ばれるスターたちも、長い役者人生において1つや2つは誰もが驚くような駄作に出演しているものなのである。

 今回は、そんなハリウッド大御所スターが、内心忘れたいであろう駄作を紹介したい。

■ジョージ・クルーニー『Return of the Killer Tomatoes!』

 世界的に大ヒットした医療テレビドラマ『ER緊急救命室』で、母性本能をくすぐる小児科医ダグラス・ロス役を演じ、ブレイクしたジョージ・クルーニー。彼の下積み時代はとても長く、『ER緊急救命室』のオーディションに落ちたら役者をあきらめ、地元に帰ろうとまで思い詰めていたほどだった。テレビコメディや映画へのチョイ役などで数多くの作品に出ていたのだが、なかなか芽が出ずにいたのだ。

 そんな時代にジョージが出演したのが、『Return of the Killer Tomatoes!』(1988)というおふざけ映画である。この作品は、奇想天外な殺人鬼トマトと人間の戦いを描きカルト的人気を誇った、『Attack of the Killer Tomatoes!』(1978)の10年後を描いた続編。1作目は史上最低の歌で極悪トマトを撃退したという内容だったが、ジョージが出演した2作目は、トマト禁止法が敷かれる中、マッドサイエンティストがトマトを人間に変身させ世界征服をもくろむという物語。彼は、1作目のヒーローが開いたトマトレス・ピザ屋で働く、どこまでも女好きな青年マット役を演じた。マットは、前ヒーローの甥で2作目主人公のルームメイトという役どころ。かわいい女性を探すために「ロブ・ロウとのデートが当たる!」という偽のコンテストを開催したかと思ったら、突然訪れる危機をカッコよく救ったり、突然取り乱したりと、脇役ながら印象に残る演技を披露。

 最初から最後までアメリカン・ジョーク満載のおふざけ映画は、一握りの熱狂的なファンから「1作目よりイイ!」と絶賛されたものの、「救いようのない駄作」だという見方が大半。今や、セクシーで頭が良く、影響力もあると各雑誌などで大絶賛されているジョージが主要キャラを演じていたとは信じられないような作品である。当時27歳だったジョージは体当たりで演じていたものの、数年前のインタビューでは「この頃は作品を選ばなかった」と自虐的に言い捨てていた。

■ロバート・デ・ニーロ『Rocky and Bullwinkle』

 徹底的に役作りを行う俳優として知られる、ロバート・デ・ニーロ。アカデミー賞にこれまで6回ノミネートされ2回受賞した彼は、ハリウッドきっての名優として認知されている。

 そんなロバートが世間に衝撃を与えたのは2000年のこと。60年代前半に放送されていた子ども向け人気テレビアニメ『The Rocky and Bullwinkle Show』のキャラクター、モモンガのロッキーとヘラジカのブルウィンクルの実写&アニメ映画『Rocky and Bullwinkle』に、悪役3人組のボスとして登場したのだ。公開前は「コンセプトは良く、脚本も悪くなく、『ロジャー・ラビット』(1988)のようにヒットするかも」と期待されたのだが、フタを開けてみると「最悪」だと大ゴケしてしまった。

 ロバートは本作で滑稽なまでのコミカルな役を熱演しており、その演技力はさすがなのだが、どうしても違和感を感じてしまう。本人は「撮影はとっても楽しかった」と回想しており、確かにとても楽しそうに演じているのだが、大金をかけてここまでするのかという点で、映画好きにも呆れられてしまった。ちなみに製作費7,600万ドル(約64億円)に対して、興行収入は全世界で3,500万ドル(約29億円)であった。

 ロバートは、この作品に出演するだけでなく、プロデューサーも務めている。しかし、あまりにも派手にコケたため、非常に知名度が高いロバートが製作・出演した映画にもかかわらず、日本ではDVD未発売となっている。

■アル・パチーノ『ジャックとジル』

 毎年、アカデミー賞授賞式の前夜に、「前年公開された映画の中で最もくだらなく、つまらなく、評判倒れだった」という“最低映画”を選ぶゴールデンラズベリー賞が開催される。製作者や出演者にとって不名誉な賞なのだが、昨年、とある作品がゴールデンラズベリー史上初の全10部門を制覇し、ハリウッドから一斉に同情を浴びた。その作品とはアダム・サンドラーが男女の双子、一人二役に挑戦した映画『ジャックとジル』である。

 09年をピークに低迷し続けているアダムが再起をかけたのがこの作品であり、興行成績も批評家の評判も良くしようとビッグスターを起用。このビッグスターが、名優アル・パチーノだったのである。アルは「ワーカホリックで精神倒錯状態な」本人役として出演。見るからにアダムの女装だとバレバレなジルに一目惚れしたり、ダンキンドーナツのCMで軽快なステップを踏みながら「ダンカチーノ!」とノリノリでラップしたりと、どのシーンも唖然としてしまう仕上がりだった。

 アルはプレミア上映でもプロモーションでも「演じているのは“精神的に問題を抱えている”アル・パチーノ役」だと強調。これはいつもの自分ではないと必死にアピールしているようで、出演したことを後悔しているのではないかと囁かれたほどだった。

■トム・ハンクス『虚栄のかがり火』

 コメディ、ロマンス、シリアスドラマ、どんなジャンルでもこなせる俳優として老若男女から愛されているトム・ハンクス。どれも当たり役ばかりと言われている彼だが、1990年に公開された映画『虚栄のかがり火』で演じた主人公シャーマン・マッコイは、まったくイメージに合っておらず、最悪だと叩かれ、映画も史上最低の出来だと大バッシング。監督のブライアン・デ・パルマを再起不能寸前まで追い詰めたハリウッド1、2を争う駄作だと言われるようになった。

 この作品はトム・ウルフのベストセラー小説が原作となっており、実は映画化企画が出た当初からもめに揉めた。監督や主役もコロコロ替わり、製作総指揮者ジョン・ピーターズの鶴の一声で人気上昇中のトム・ハンクスに決まったのだが、「トムかよ」と落胆したジャック・ニコルソンが役を辞退。冷静に考えてみれば、「いい人」のイメージが強いトムに「冷酷な功利主義である主人公」など務まるはずがないのだが、企画は進み、制作、公開。ブルース・ウィリス、メラニー・グリフィス、モーガン・フリーマンなど実力も人気もある役者がこぞって出ていたにもかかわらず、トムが役に合っていないため作品全体が色あせてしまう結果に終わった。

 見るのもつらいと言われた本作品は、小説の重要な点を変更しているため、評論家からはボロクソに評価され、5部門にノミネートされたゴールデンラズベリー賞さえも「最低映画賞を与える価値すらなし」と判断されたのか受賞できなかった。

 なお、5,000万ドル(約42億円)近い製作費が費やされたが、1,500万ドル(約12億円)程度の興行収入しか上げられなかったと伝えられており、トムが最も消したい過去だろうと囁かれている。

■アンソニー・ホプキンス『フリージャック』

 狂気に満ちた役を演じさせたら右に出る者はいない、と絶賛されているアンソニー・ホプキンス。イギリスの舞台俳優としてキャリアを積み上げてきた彼が世界的な知名度を得たのは、ご存じ『羊たちの沈黙』(1991)で演じたハンニバル・レクター役。アカデミー主演男優賞も獲得し、誰もが「次は一体どんな作品に出演するのだろう」と注目していたそんな中、アンソニーが出演したのは、92年度最もくだらないSF映画とまで言われた『フリージャック』であった。

 『フリージャック』の主人公は、エミリオ・エステベスが演じた。エミリオが演じるF1レーサーが、ありえないほどの大事故を起こし2009年にタイムスリップ。09年は金持ちが健康的な若者を買い、魂を注入して永遠の命を手に入れているという設定になっており、その技術を開発したマッカンドレス・コーポレーションの最高権力者マッカンドレス役にアンソニーがキャスティングされたのである。

 狂気を携えた瞳のアップやマインドコントロールなど、ハンニバル・レクター役を意識したシーンが頻繁に登場するのだが、アンソニーの名演技をもってしても、作品はB級的な空気から抜け出すことができない。敗因として、伝説的ロックバンド・ローリングストーンズのミック・ジャガーを起用したことを挙げる評論家も多いが、ミックが台詞を言うたびにガクッときてしまう人が多かったのは揺らぎない事実だろう。

 何よりも脚本を重視する俳優として知られるアンソニーが、アカデミー賞に輝いた後に出演を決めた作品がこれほどまでに駄作だったのか、不思議がる声はとても多い。

 一流スターを使えば、どんな映画でも名作になるという方程式はハリウッドにはない。脚本が良い映画にスターを出せばよいというわけでもない。キャスティングに対する映画評論家の目は厳しく、また観客はどこまでもシビアなのである。

アル・パチーノ、なんで出たの?

しぃちゃん

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