誰も幸せにならなかった……

「こんな楽なイタ電ってある?」自殺者まで出た豪ラジオ番組に英国が激怒

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お祝いムードが一転……

 ウィリアム王子の妻、キャサリン妃が待望の第1子を妊娠したことが発表され、国を挙げての祝福ムードに沸いているイギリス。しかしそのお祝いムードにケチがついてしまった。つわりで入院していたキャサリン妃の病院にイタズラ電話をかけたオーストラリアのラジオDJの2人を、病室まで取り次いでしまった看護師が、責任を感じ自殺するという事態が発生したのだ。看護師はとても真面目なインド人女性であり、夫と2人の子どもたちは深い悲しみに打ちのめされていると報道された。越えてはならない一線を越えたことにイギリス国民は大激怒。ロンドン警視庁がオーストラリア当局に連絡を入れたという報道も流れており、ラジオ局に対して何らかの法的処置が取られる可能性も出てきている。

 『空飛ぶモンティ・パイソン』『Mr.ビーン』『リトル・ブリテン』など、これまで数多くの人気イギリスコメディ番組で笑いネタにされてきた英国王室。日本人ならドン引きするようなブラックユーモアも少なくないが、イギリス国民はそんなネタに爆笑してきた。しかし、誰もが王室に対しては敬意を持っており、ジョークにする際も直接的にプライバシーを侵害したり危害を加えるというようなことはしないと、きっちりと線引きをしていた。ヘンリー王子の“ラスベガスで全裸パーティー”写真が流出した時も、呆れながらも王子を応援する活動がネット上で繰り広げられたほどだった。3日にキャサリン妃ご懐妊が発表された時、もちろん国民は大喜び。ロイヤル・ベビーの性別、名前、髪の毛の色の賭けまでスタートし、国中が祝福ムードに沸いた。

 そんなお祝いムードの中、イギリス人の神経に触るような出来事が4日に起きた。オーストラリアのラジオDJの男女2人が、重いつわりで入院しているキャサリン妃の病院にイタズラ電話をかけたのである。

 イタズラ電話をしようと言いだしたのは、オーストラリア・シドニーのラジオ局『2DayFM』の人気DJ、マイケル・クリスチャン。「キャサリン妃の医療チームと話ができる絶好のチャンスなのでは」と提案し、これにDJパートナーのメル・グレイグが乗った。メルは今年春に『一枚のめぐり逢い』のプロモーションでオーストラリアを訪問したザック・エフロンに「片手でブラ外し」を実演させるなど、司会者としても活躍している人気者である。

 意気投合した2人は、キャサリン妃が入院するロンドンのキング・エドワード7世病院に電話。生粋のイギリス人が聞いたら「バカにしているのか」と思うであろう、イギリス英語とは思えぬようなひどいアクセントでエリザベス女王に成りすましたメルが、「ハロ~ウ、ゼア~。孫のケイトと話をさせてもらえないかしら」と言ったところ、いともあっさりとキャサリン妃の病室に電話を取り次いでもらえた。2人は取り次いでもらっている間、「おい、こんな楽勝なイタ電ってあるのかよ」などクスクス笑い合い、盛り上がっていた。

 2人は、担当看護師からキャサリン妃の状態を聞き出した後にも、「ちょっと待って、コーギーに餌を与えるから(マイケルの“ワンワン!”という声)」「チャールズ、お見舞いに連れてってくださらない?」と言ったり、マイケルがチャールズ皇太子に扮し「まだウィル(ウィリアム王子)はいるのかい?」と言うなどやりたい放題。ちなみに、マイケルのアクセントもイギリス英語とは思えぬほどひどいものであり、最後の方はさすがの看護師も何か変だと感づいていたようであった。

 イタズラ電話が大成功し大喜びしたマイケルとメルだが、イギリス人は「バカにしているしプライベートの侵害だ」「ダイアナ妃を死に追いやったパパラッチと同じレベルだ」と激怒。マイケルは「電話を取り次いでもらったことにとても驚いたよ。ひどいアクセントだから、すぐに切られると思ってたからね。大ごとになってしまって申し訳ないと思っている。ケイトが退院したと聞いて喜んでいるよ」と謝罪をほのめかすツイートを掲載。メルも「私のひどいイギリス・アクセントを聞いた瞬間に切られると思っていたのよ。ケイトや看護師たちに迷惑をかけたのなら謝るわ」と微妙なツイートを掲載。彼女はその後、Facebookに、パブで撮影した写真を掲載し「女王のマネして王室極秘情報をゲットできたのに、タダビールもらえないのはなぜ?」というメッセージを載せており、まったく反省していないとイギリス人の怒りに油を注いだ。

 ラジオ局がイタズラ電話をオンエアした48時間後の7日朝、悲劇が起こった。電話を取り次いだ看護師が、病院の看護師宿泊施設で亡くなっているのが発見されたのだ。警察は「自殺の可能性が高い」と発表。アクセントを聞き分けられなかった看護師のせいだと逃げていたDJ2人が死へと追いつめたのだ、もうイタズラ電話では済まされなくなったと、イギリス人の怒りが爆発した。

 自殺した看護師は、ジャシンサ・サルダナという46歳の既婚者で、2人の子持ちであった。敬虔なカトリック信者だったという彼女は、10年前にインド・カルナータカ州にある港湾都市マンガロールから家族と共にイギリスに移住。夫はNHS(国民保健サービス)の会計士で、人当たりのよい真面目な夫婦だったと、周囲の人たちは語っている。彼女が電話を取り次いだことを責める人は誰もいなかったというが、人一倍責任感が強かったため、責任を取ろうとして自殺したのではないかとみられている。家族も「自分のした行為を恥じて、命を絶ってしまったのだろう」との見解を示しているという。

 16歳の息子は母親の急な死に強いショックを受けているとのことで、14歳の娘もFacebookに「ママ、会えなくて本当に寂しい。愛しているわ」という言葉を掲載。夫もショックで涙が止まらない状態だと伝えられている。また、家族はジャシンサがどのようにして亡くなったのか、死因などは知らされておらず、遺体とも対面していないとのこと。葬儀はインドのマンガロールで執り行うことになっているそうだが、いつそれができるのかも見当がつかず、彼女の身内は英タブロイド紙「Daily Mail」の取材に対して、謎が多すぎる死だと怒りをぶつけている。なお、米ゴシップ芸能サイト「TMZ」によると、今週中に検視が行われる予定とのことだ。

 「英国王室に仕掛けられた史上最大のイタズラ」と大々的に宣伝していたラジオ局『2DayFM』は、ジャシンサの死を受けて、親会社であるサザン・クロス・オーステレオの名前で、遺憾の意を表す声明文を発表。謝罪の言葉は一切ないが、マイケルとメルを当分番組に出演させないという処分内容を明かした。

 このように逃げ腰である『2DayFM』のFacebook公式ぺージには、非難の書き込みが殺到し、炎上が続いている。同局は2009年に「14歳の少女と母親をうそ発見器にかけ、セックスの経験があるかどうかを無理やり調べる」という内容の放送をしており、少女が「経験あるわよ。12歳の時にレイプされたんですもの!」と涙ながらに告白したのに対して、DJが「それが唯一の性体験?」と無神経な質問をし、問題となったことがあった。

 ロンドン警視庁がオーストラリア当局に連絡を入れたという報道だが、ニューサウスウェールズ州警察は「現時点では、連絡はもらっていない」と否定している。今回のイタズラ電話も録音されたものを局の弁護士がチェックした上でオンエアしたのであり、責任が問われるのであれば、マイケルとメルではなく、『2DayFM』になりそうである。

 イタズラ電話が大成功し、大はしゃぎしていたマイケルとメルだが、看護師が死んでしまったことで精神的に大きな打撃を受けているとのこと。精神科医に通い治療を受けているとも伝えられている。

世の中「追及しない」ことが最善の策だということを知るべき

しぃちゃん

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