[女性誌速攻レビュー]「STORY」1月号

ノロケしかない「年下婚」特集にみる、「STORY」世代のオカン力の強み

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「STORY」2013年1月号/光文社

 今月の大特集は「40代の12月は、毎日がキラキラしてる☆」ということで、いつもの「無糖派=スタイリストさんの私服的オシャレ」は少々お休みし、イルミネーションに負けない華やかなファッションを提唱しています。とはいえ、実際にはシックな色合いのワンピースにすこ~し光沢があるとか、トップスにラメやビジューをあしらうとか、レザーやファーで高級感を出すとか、あくまでも玄人オシャレ風な“キラキラ”。くるよ師匠の「どやさ~」的な華やぎを期待したら出鼻をくじかれます。今年は紅白に幸子は出ないし、「STORY」は相変わらずオシャレだし(ファッション誌ですからね)、年末らしいパ~ッと感がないわとお嘆きの貴女、今号で最終回を迎える「悩んだらピン子に訊け! 最終回スペシャル」をどうぞ。「親友に会う&キレイになる韓国ツアー」で、以前ドラマで共演したリュ・シウォンに会い、韓国美容を楽しみ、おいおい悩みはどこいった!? という自分勝手な内容になっております。極め付きは「顔と腹に150本の針を刺すピン子」。パ~っとというよりヒィィと腰抜かす、衝撃カットに年も己も忘れそうです!

<トピックス>
◎大特集 40代の12月は、毎日がキラキラしてる☆
◎2013年の目標は、「“ゆるキャリ”でCome Back!」
◎私たちのCHALLENGE STORY「年下婚」で、やっと素の私になりました

■スーパーのレジ打ちとか出てきません。

 ピン子先生の針150本(ピン子いわく「初の腹出し」)の興奮冷めやらぬ状態ですが、心を整える意味でも今月は「2013年の目標は、『“ゆるキャリ”でCome Back!』」から拝見したいと思います。昨今の「STORY」において「働く40代」はデフォルト。育児がひと段落した今、もう一度働きたい……しかし20代でさえ職を得るのが難しいこの時代、ブランクのある40代女性に働き場所はあるのか。「40代の復職」は、今最も「STORY」世代が食いつくトピックスではないでしょうか。

 「ゆるキャリ」と銘打っているように、正社員としてバリバリではなく、今の生活に支障をきたさない範囲でゆったりと……というのが「STORY」読者の目指すところ。手芸やダンスなど趣味や特技を生かして仕事に発展させる人、短期の派遣に登録しながら仕事を探す人……意外にも「前職を生かした」仕事をしている人は少数派。「得意の英語、フランス語が使える仕事を希望し、何十通も履歴書を書きましたが、採用通知は来ませんでした」という40歳の女性は、現在求人誌で見つけたケーキ工場で入力業務に就いているそう。何の特技も資格ない筆者から見たら「英語、さらにフランス語が話せるなんて年齢関係なく引く手あまたなんじゃないの~」という感じですが、現実はそんなに甘くないのですね。

 40代の復職に関してこのページでわかることは、輝かしい学歴やキャリアが思ったよりは有効ではないということです。それよりも「片づけのコツを調べているうちにその分野にのめりこみ、独学でHPを開設して仕事に繋がった」「ママさんサークルの体験会に参加してからベリーダンスにはまりインストラクターに」「働いてみたいと思っていた美術館に思い切って電話をして、2年後に採用を勝ち取った」など、偶然と情熱とタイミングで仕事を得たという人が目立っていました。生活のために何とか稼がにゃならんお母さんたちにとっては「ゆるキャリとか何甘いことぬかしとんねん」と憤ることこの上ない企画ではありますが、「募集があって応募して面接通って働き始める」という正攻法以外にも働く方法はあるということ、ブランクと年齢という2つのハンデを背負う40代女性にとっては、そうしたゲリラ戦法に案外勝機があることが何となくわかりました。

 といっても、かつて「STORY」を賑わせていた謎の肩書き女性たち……“ライフスタイルなんちゃら”“パーソナル○○リスト”に比べれば「お家で髪ゴム制作」や「刺繍講師」は、まったくもって現実的ですけどね。火のないところに煙を立ててナンボのニッチな商売は、濃密な人間関係こそ生命線。お隣さんが潜在顧客だったりするわけですから。「STORY」的「ゆるキャリ」とは、ご近所力あってのものなのです。

■可愛いオカン求められるの、めんどくさくないですか?

 イマドキの40代はキャリアもゆるっとなら結婚もゆるっと。「私たちのCHALLENGE STORY『年下婚』で、やっと素の私になりました」では、平均10歳は年下の夫を持つ40代女性たちが「年下夫の素晴らしさ」を語っています。

 読む前から何となく内容は想像されますゆえ、「お幸せで何よりで~す」と言いながらガバっと素っ飛ばしたい気持ちも山々……どうせ「肩肘張らない関係だからこそ、本当の私になれます」とか「意外と頼りがいがあるんですよ、彼って」とか「私まで若がえちゃっう」とか言ってんでしょう? と思ったらこれが本当にそのまんまで逆にびっくらこきました。

 ここに出てくる女性たちの共通点は「(自分としては)結婚は考えていなかった」ということ。「私は、彼が結婚を考えるほど真剣だと思わなかったし、私の方は“楽しければいいや”って感じで、気軽に付き合いだしました。私は“バブル世代”で、彼は“氷河期世代”でしょ。そもそも生きてきた時代が違うんですよね」など、すぐ結婚を迫らないことが却って年下男性のハートに火をつける模様。

 しかし、年齢のことは百も承知と言いながら、「主人の母に言われました。『40代だと、更年期が来ちゃうのよ』って。想定内のこととはいえ、すごくショックで、後で主人に当たり散らしました」と、「自分ではわかってるけど、他人に言われるとカッチーン」なのはお約束。「でも主人は、全部、想定内のことだったよって。実は頼もしかったんだ~って思いましたね」と、よくわからないロジックで立ち直りも早いのです。

 「潜在的にはあったと思うんだけど、今まで恥ずかしくてできないことができるんですよね。例えば、楽しい気分になって音楽に合わせて、“お尻フリフリダンス”を踊ると、彼も合わせてフリフリしちゃってる。友達にも見せたことがない面を見せてますね」「ウチの場合は、旦那のほうが“大好き”“ホント可愛い”って連呼します。こっちもアガるよね!」「前髪1mm切っても、彼は気づくの。『髪、切ったんだ!』って。たった1mm揃えただけなのに!彼曰く、顔の雰囲気が変わるから、わかるんだって。髪の毛も乾かしてくれるんですよ~」etc。

 これを読むと、つくづく結婚は「したいと言ったモン負け」なんだなぁと思います。「もう4年も付き合ってるのに」「両親にはいつ会ってくれるの?」「いつかっていつなのよ!」と語気を荒げがちなアラサーより、「結婚なんてムリムリ。だって私おばちゃんだよ~」と笑って誤魔化そうとするアラフォー女性により魅力を感じる現代男性。まさに「KYON2戦法」ですよ。可愛いおばちゃんを強かに演じきれるかどうか、これがカギですね。

 「肩書とか年収とか、相手に何も期待してないことがよかったのかも」と年下婚女性たちは申しますが、現在アラサー女性たちが結婚相手に過度な期待をしているとも思えず、そうなると結局は、「たらしこみのテク」にかかっているのかと。お母さん的な安心感とお母さんなのに可愛らしいというギャップを巧みに使い分ける「オカン力」の高い女こそ、「STORY」的イケてる女性なのかもしれません。
(西澤千央)

「どやさ~」がないと年越せないわよ!

しぃちゃん

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