【ヤリマン肯定主義】第15回

ヤリマンの「挿入至上主義」に一石を投じる、「メンズエッグ」のキス重視論

2012/11/28 16:00
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「メンズエッグ」2012年12月号/大洋図書

 「神マン」という言葉をご存知でしょうか? 新種の肉まんのことでもなければ、神様が登場するヒーロー物でもありません。神マンとは、「常日頃からヌレヌレ状態のマ○コのこと(はぁと)ドエロにも程がある状態で、誰もが憧れちゃう名器」を持つ、「生きる伝説のエロ女」を指すそうです。

 私が「神マン」という言葉を見つけたのは、渋谷系ギャル男雑誌「メンズエッグ」(大洋図書)。読者対象はもちろんギャル男で、彼らがギャルにモテるためのテクニックが紹介されています。要するに、「巷のギャルたちが望んでいるものはなんぞや……」ということが書かれている雑誌です。

 三十路のヤリマンが読むのはお門違い? いえ、ギャルを好きなのはギャル男だけとは限りません。私たちがメインターゲットとするアラサー・アラフォー男性とて、なんだかんだでギャルにも興味があるはず! ということは、ギャルの生態系を把握することが、ヤリマン活動にも活かされるかもしれません。

 まず注目したのが、「巷の自称『神マン』&『神マン候補』50人のSEXデータFILE」。ギャルのオナニー経験やコスプレ経験、SM経験などの有無がデータ化されています。オナニー経験ナシが35%もいるのは、10代・20代を対象にしたアンケートらしい結果ですね。三十路ヤリマンだったら、9割以上が「オナニー経験アリ」と回答していたでしょう。

 逆に驚かされたのが、アナルファック経験者が5%とはいえ存在すること。ゼロかと思っていました。最近のギャルは特殊プレイに対して貪欲なようですね。この「5%」という数字に対して、巷に増殖中の草食系男性なら、「アナルファックに興味はあるけど、経験者が5%しかいないのなら難しいだろうなぁ」と諦めてしまうでしょう。しかし、「メンズエッグ」は血気盛んな渋谷系ギャル男雑誌! 彼らなら、「100人に声をかければ、5人は(アナルファック)OKなのか、うっひょー!」というポジティブシンキングに至るか、もしくは「アナルファックNGの95人にあたっても、俺サマが開発してやるぜ!」と鼻息を荒くするでしょうね。

 とはいえ、私たち三十路ヤリマンにとって渋谷系ギャル男は、また彼らにとっても三十路ヤリマンはメインターゲットではありませんので、5%のギャルに倣ってアナルファックOKのヤリマンを目指す努力は不要でしょう。「三十路ヤリマンはあくまでも前の穴で勝負!」と、己の道を突き進んでもよいかと思われます。

 そして、クリスマス直前という季節柄か、「今から始めるモテの秋冬ABC」という特集も組まれています。このページでも、ギャルが答えたアンケート結果が公開されているのですが、究極の2択「タイプだけどSEXが下手orタイプじゃないけど相性バツグン」の問いに対しては、「タイプだけど下手」に軍配が上がりました。ということは、テクニックがお粗末な殿方はギャルに流れていくのでしょうか? 「相性はバツグンだけど、ギャルなアタシのタイプじゃないわ!」と、ギャルに見放されたテクニシャン男性が路頭に迷う可能性がありますね。そういった迷えるテクニシャンに心も股も開いてこそ、三十路ヤリマンです。

 しかし、一方で、「ルックス・性格・経済力・SEXテク…結局どれに長けてる男が一番モテんだよ!?」というギャル男の素朴な疑問に対して、ギャル4名が持論を激白するページもあるのですが、うち1名がすごくいい発言をしているんですよね。

「恋して告ってつき合ってデートして…でもゴールってやっぱりエッチなわけじゃん!? そのゴールが最低だと、それまでどんなにロマンチックな関係を築けてたとしても、すべてが台無しになっちゃう~」

 いやはや、二十歳にして悟っていますね。そう、私たちヤリマンにとってもゴールはセックス! 男性にとってもゴールはセックス! ゴールが最低と思われないよう、日々精進したいものですね。

 なお、セックス内容に関するアンケートによると、ギャルにとって「エッチで重要なプレイ」は、キスだそうです。次いで手マン、挿入は3位でした。三十路ヤリマンとしては、「挿入でしょ?」とツッコミを入れたくなってしまいますね。とはいえ、世のギャルたちはキスを重視しているのです。そして、これを読んだ男性たちはキスを頑張るわけです。私たち三十路ヤリマンも、挿入ばかりに固執せず、キスにも力を入れましょう。

 たたでさえ、世間一般的には「ヤリマンは挿入にがっついている」というイメージがつきまとってしまいがち。そのイメージを覆すべく、キスにも誠意を見せることで、「ヤリマンも情緒を尊ぶセックスをする」という意外性を演出できます。これは、いいギャップになるでしょう。男性とは、基本的にギャップが好きな生き物ですから(メガネをはずすと美人、ヤンキーなのに動物が好き等)、「ヤリマンだけど、キス重視」というのはイメージアップに有効なはずです。

 個人的に面白かったのが、ギャル男5名による「宅飲み!」と称したオナニー談義! ご丁寧に、5名全員のオナニーポジション画像まで掲載されています。残念ながら、衣服は着た状態ですが。オカズにするAVは、黒ギャル作品やロリ顔作品とのことで、5名のうち誰からも「熟女作品」という意見が出なかったのは、渋谷系ギャル男雑誌ならではですね。逆に、「女がイッたかどうか確かめる時に、足の裏をくすぐればイイって聞くしね」「カワイイのに臭いってのがまた興奮させる」などの会話も実に微笑ましい! 

 そのほか、「セフレカップルさんいらっしゃ~い」というコーナーがあるのも、ギャル男雑誌だからこそ! 女性誌で、恋人同士を紹介するページはちょくちょく見かけますが、セフレカップルを掲載しちゃうとは、さすがですね。

「会えば必ずヤルのがウチらのルール。だからって、アタシが生理の時に会いたがらないのはストレートすぎ!」
「だってヤレねぇんだから会ってもしょうがなくね」

 など、セフレ間の率直な本音のぶつかり合いが垣間見れるのも面白いですね。私の場合も、まったく同じスタンスです。生理の時に会うのはセフレとしてマナー違反! なお、「生理だから」と言ってしまうのは情緒にかけるので、「仕事が入ったので」ということにしています。10代・20代のギャルならば、「生理になっちゃった」という無邪気発言もアリかもしれませんが、三十路女性が言ってしまうと妙に生々しくなってしまいますからね。オブラートに包みましょう。

菊池美佳子(きくち・みかこ)
21歳で処女のままキャバ嬢デビュー。その後、数々のナイトワークとオトコのカラダを渡り歩き、ハケンOLを経てヤリマンライターへ転身。
ブログ「マンゴージュースと黒あわび

最終更新:2019/05/24 17:11
『メンズエッグ』
挿入なくしておセックスに非ず!
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