[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」11月7日号

「枯れてもいい、美魔女はしんどい」林真理子が「婦人公論」で意外な持論を展開

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「婦人公論」11月7日号(中央公論新社)

 今号の「婦人公論」(中央公論新社)の表紙は、国民的アイドルの木村拓哉です。現在、月9ドラマ『PRICELESS~あるわけねえだろ、んなもん~』(フジテレビ系)に主演しています。一時は好きな男日本一として君臨していた彼も、今月13日には40歳の誕生日を迎えます。ドラマでジャニーズの後輩のKis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔と並ぶと、肌の質感があまりに違うんで、「ああ年とったなー」と物悲しい気持ちにさせられます。

 でもね。確かに「今」という“点”で見れば、アイドルとしては凋落しつつあるかもしれません。しかし、“点”でなくて “線”で見れば、これほどの息の長いスーパーアイドルは後にも先にもいないでしょう。グループ結成から24年、デビューから21 年。この「婦人公論」でのインタビューで、木村は、以前は「キムタク」というアイドルでいることに居心地の悪さを感じていたと語っています。

「アイドルという存在は、いわば“人形”。でも、人形なりに努力もしているし、悔しい思いもしているし、喜びも感じているんです」

 「アイドルは使い捨て」という従来の定説を変えたSMAP、そして木村拓哉。これまでの時間を思うと、実に感動的です。 背後にどんなキャリアがあろうと歴史があろうと、「今」がダメならダメだという考え方もありますが、そうでない見方があってもいいんじゃないか。テレビで見るより美しいキムタクのグラビアを見つめてそんな気持ちにさせられました。

<トピック>
◎木村拓哉 僕は何者でもない
◎特集「不安な時代だから働き続けたいあなたへ」
◎工藤美代子×林真理子「男女の愛はなくなっても夫婦には情があればいい!?」

「店長がいいにくいことを言う」のはパートの仕事?

 特集は「不安な時代だから働き続けたいあなたへ」。中高年の就職がテーマとなっています。年とともに仕事を見つけるのは 難しくなります。特集冒頭では、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子が、「男女雇用均等法の1期生である私の友人たちは、働いていた頃にいい思いをしているんですね。そこで、老後をにらんでまた働かなくちゃとなったときに、『レジ打ちでもやろうかしら』 などと平気で言う。だけど深夜や早朝ならともかく、今、10時から16時のコアタイムにレジ打ちの職を得るのはとても大変。『レジ打ちでも』なんてとんでもない」と述べていました。これが現実です。かつては「レジ打ち」はパートの定番でしたが、それすら難しいのです。

 そんな厳しい時代にあって、採用担当者は何を考えて合否を決めるのか、現場の声が聞ける「パート採用担当者ホンネ座談会 『こんな人を採りたい!』」は貴重なページなのですが、これがババアをナメてんのか、といった内容。初めは「パートの7割を40歳以上の方が占める」(コンビニ)、「パートの女性は主要な戦力」(外食)とみなさん中年女性を歓迎するコメントを述べているのですが、「パソコンの経験がないといわれると二の足を踏みますね」(事務)、「ピアスをしていたり、金髪だったり、華美な化粧や服装で接客されては困ります」(コンビニ)、「制服は白が基調ですから、濃い色のブラジャーは透けて見えます」(外食)と、「そんなの若いバイト娘にいくらでもいるじゃん!」と言いたくなるような条件を並べています。

 さらには、「年下の若い正社員をうまく立てられるかどうかもポイント」(事務)、「高校生のバイトに店長がいいにくいことを、50代のパートさんが代わりに注意してくれるとありがたい」(コンビニ)と実務を超える身勝手な癒し効果を求めてきた上、 「ゴミが落ちていると主婦の方はさっと拾ってくれますし、(中略)若い人にくらべて、そういう細かいことが苦にならずにできる」(事務)、「お釣りを間違えたりしてお客様に怒鳴られると、高校生や若いパートさんはへこみますが、年輩の方はなかなかへこたれません」(コンビニ)、「お客様に愛される人になってほしい」(外食)とのたまう。パートじゃなくてパブリックオカンを募集してんのか。これが実態なのかと思うと、将来に対して悲観的な見方しかできません。

 こういったシビアな企画の合間合間に、心温まる有名人のインタビューが差し挟まれています。90歳の内海桂子師匠が 10歳で奉公に出て、20歳前に「芸人さんに手をつけられて」出産、戦地に命がけで慰問に行き、終戦後は三味線で「アメちゃんたち」にジャズを弾いたりしたという、まんま昭和史のような職歴を語っていたり、元タレントの早坂好恵がアイスクリーム屋の店長をしていたり、新加勢大周こと坂本一生が東日本大震災をきっかけに「人のために何かしたい」と便利屋となって「適職に巡り合えた」とさわやかな笑顔で語っていたり、時空がねじれる不思議なラインナップ。毎度「婦人公論」のインタビューの人選は独特です。

■マリコ先生はいつ枯れるの?

 ノンフィクション作家の工藤美代子と小説家の林真理子が中高年の性愛について語る対談「男女の愛はなくなっても夫婦には情があればいい!?」をみてみましょう。「仮に今、林さんが誰か男性とおつきあいするとしたら、年下の男性がいいですか?」と聞かれたマリコ先生、「同じ年くらいで、教養のある人」と意外な返答をしていました。それはさておいて、セックスレスで悩む中高年夫婦について、林真理子がこんなことを語っていました。

「連れ添って歴史をともにして、かげがえのないものになっていく。それが夫婦だと思います。それを今さら、セックスをしていないからどうとか、あまりそこにこだわるのはどうなんでしょう」
「私は『枯れる』のも人生のうえで大切なことではないかと思います。それを今のように“美魔女”みたいなものが流行り、いつまでも女じゃないといけないといった強迫観念が生まれてしまうのも、考えたらしんどいですよね」

 食欲、物欲を含むあらゆる欲望がいつも全開のお方から、こんなお言葉が出るとはこれも意外。昨今の女性誌は、中高年がセックスから遠ざかることがいかに孤独で寂しいことであるかを声高に訴え、女性として“降りる”ことがいかに恥ずべきことであるかを説き、意地でも“降りない”ように煽っています。この「婦人公論」も例外ではありません。もちろんいつまでも現役でいたい人はいればいいのですが、容貌が衰えて性欲も失せ、いい具合に枯れた女性のその一点だけ見て「女でない」と否定したり嘲笑するのは、とても悲しい。誰にでも積み重ねた時があります。その末に枯れたっていいのではないか、そう思わせます。

 加齢するのは怖いことです。それは、いろんな意味で自分がもう売り物にならなくなったと気づかされるからです。アイドルでもないのに! 中高年、特にブランクが長い元主婦は労働力として「使えない」と判断され、それまで家族に尽くしてきた時間が否定されます。仕事が見つからなければ生きていけません。枯れれば「女を捨ててる」と男性からも疎んじられ、同性からもバカにされ、セックスできない孤独な女と決めつけられる。“点”でしか評価しない世の中では、加齢に対してデメリットしかありません。……ああ、風が冷たい季節になりました。
(亀井百合子)

マリコ先生、「anan」(マガジンハウス)では相変わらずです

しぃちゃん



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