[女性誌速攻レビュー] 「Ray」12月号

彼氏ぐらい12日間もあれば作れるっしょ、「Ray」がクリスマスを前に読者を喝破

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「Ray」2012年12月号/主婦の友社

 もう今年も、残すところあと2カ月。この1年の出来事にしみじみと思いを馳せながら「Ray」12月号をめくると、目次には「優秀! 絶賛! ときめきコート最終便」「シーン別ハイテンションBag図鑑」「ミニでプチ盛りな勝負服着回し31Days」「育てる! 作る! 恋愛力UPなまつ毛のすべて」など、アゲアゲな見出しが乱舞! 「バカヤロー!! まだ2012年は終わらないぞー!!」と、左頬をぶん殴られたような気持になりました。そう、11月とは、来るべき「12.24(イチニーニーヨン)」に向けて、ハッスルにつぐハッスルをしなけれないけない時期。女子大生読者にとって、「彼氏とロマンチックなクリスマスを過ごせるか否か」は死活問題なのです。この時期特有の、「今期こそボーナスは満額出るのか」という心配、「帰省して親にあれこれ言われるのがしんどい」という憂鬱、「あっという間に1年が過ぎ去った」という虚無感なんて、彼女たちには一切ありません。遠い遠い過去に置いて来た「クリスマスを楽しみにする気持ち」を、チャリに乗って全速力で取りに戻りつつ、「Ray」の2012年Xデイ闘争の様子を見ていきましょう!

<トピック>
◎ミニでプチ盛りな勝負服着回し31Days
◎ウィスパーPinkcessで叶うHAPPY DAY
◎男のコのアタマの中大研究

■クリスマスに彼氏を、さもなくば死を

 クリスマスへの期待感をすっかり忘れてしまった人にとって、今号の「Ray」に乗っていくのは、なかなか至難の業かもしれません。誌面のいたるところで小出しにされる、「X-mas」「聖なる夜」「イベントラッシュ」「パーティー」といったワードにくすぐったさを感じていると、ジュエリーページで、突如「Ray」がその本性を剥き出しに! 「うっとり至福のシンデレラジュエリーがいっぱい! 女のコに生まれて幸せ(はぁと)おねだりジュエリー Wish List」という、強欲さをメレンゲで包み込み、でもやっぱり強欲さがSay Hello!しているタイトルを打ち出してきたのです。普段「それ可愛いー!! 超可愛いー!!」の価値観で生きている小娘共が、彼氏におねだりする時だけ、「ジュエリーは女のコが幸せに生きるために大切なものなの」などと、急に改まって「女とは何ぞや」を語り出す姿は、あまりにも狡猾です。

 また、紹介されているジュエリーは、3~5万円台が中心なのですが、これはまさに、男子大学生が今から必死になってバイトを入れ、倹約に倹約を重ねれば、ギリギリ手の届くお値段なのでは? と勘ぐってしまいます。このページを読みながら、おねだりが許される、際の際のラインを熟考する読者たち……。何だか怖い! 「Ray」は常に、「愛されたい」欲が強く、男性に対して受け身な姿勢を取る女のコ像を提唱していますが、見方によっては、「自分へのご褒美でジュエリー買っちゃお」などと楽な道を選ばず、果敢にラブゲームに乗り出していく、たくましい女のコともいえるわけです。

 一方で、今現在彼氏がいないという、エマージェンシーガールたちへの特集「ミニでプチ盛りな勝負服着回し31Days」もありました。これは単純明快、「男作りたかったら、寒くても足を出せ! 着飾れ! そして絡め捕れ!」という教訓です。この着回し特集の主人公は、ビミョーな関係が続いている彼氏を持つ大学2年生。とはいいつつ、恋愛相談をしているサークルのS先輩と最近ちょっといい感じ。差し入れのお菓子で好感度アップを狙うなど、彼氏と別れてからの下準備を怠りません。10日目に、彼氏と破局を迎えるも、「気分が落ち込んだトキこそおしゃれに気合い…だよね。」と、都合の良すぎる女のコ哲学でなんなく失恋を打破。14日目には、早速S先輩と飲みに行き、22日目には、S先輩から告白を受けるという、実質12日間で彼氏を作るパターンを提示しています。

 現実世界にこんな女がいたら、陰でビッチ呼ばわりされそうですが、あくまでこれは編集部が「ロマンチックなクリスマスを迎えたければ、12日間もあれば彼氏ぐらい作れると、気合いを入れなきゃダメ」と、読者に発破をかけているのではないでしょうか。まだ結婚が遠い遠い未来にある二十歳前後の、恋愛に対するフットワークの軽さたるや! もしかしたらこれは、女同士でモテない自慢をし合って酒を飲むアラサー女こそ、読むべき特集なのではないかと思ってしまいました。

■TENGA in 「Ray」

 クリスマスを前に、男に愛されたい欲が高まっている「Ray」読者に向けて、「男のコのアタマの中大研究」という読み物ページがありました。今まで、何度も女性誌で行われてきた「男を学びましょう」企画ではありますが、「Ray」のそれは、男にアンケートを取り、その本音を探っていこうなんて甘っちょろい企画ではありません。脳科学者・澤口俊之氏監修の科学的に実証された情報をもとに「男とはなんぞや」を学ぶという本格的な企画なのです。男女関係において確実に勝ちに行こうとする、「Ray」読者の本気度が垣間見えます。

 しかし、そんな仰々しい企画概要とは裏腹に、紹介されているのは、あまりにも素朴な男のコへの疑問の数々。男のコは、「どうしてすぐバレるウソをつくの?」「どうして彼女がいてもAVを観るの?」「どうして彼女より男友達との約束を優先するの?」「どうしてやきもちを焼かせたがるの?」……などなど、「それがわかったら、全世界の男女がハッピーハッピーよ……」と、嫌味のひとつでも吐きたくなるような疑問ばかり! それに対し、澤口氏がひたすら、「しょうがないことなんです」と脳科学的観点からフォローを入れ続けるという、何だか間の抜けたページになっていました。だいたい、「どうして元カノとの写真を捨てずに保存しているの?」と悩む女のコに対して、「これは、古代から大きな獲物を捕らえたことを石器に記したりする習性があらわれています」と、『世界ふしぎ発見!』(TBS系)的回答をされても……。彼氏の家の戸棚から元カノの写真が出てきたら、石器時代に思いを馳せる前に、さっと破ってゴミ箱にポイっ! で万事解決なのではないでしょうか。

 続くページでは、「結局男のコはみんな幼稚なの??」というエクスキューズと共に、中二病メンズを始めとする、高二病メンズ、大二病メンズの実態も紹介されていました。「売れたバンドや芸人を昔から知っていた、と自慢する」「ネットでドヤってる人をバカにするくせに人一倍ネットを気にしてる」「まわりに着信音を聞かせるためにすぐに電話に出ない」「めちゃめちゃ飲んでつぶれた自慢」など、男性にとっては耳が痛くなる「あるある」がこれでもかというくらい掲載されています。

 「『Ray』読者は、こんな残念な男に愛されたいと思っているのか?」と疑問を抱かざる得ないのですが、そこでもすかさず澤口氏は、「中二病メンズの脳は女性がコントロール!」と、これまた、「それができたら」話を繰り広げる始末。さらに氏は、「いい恋愛関係をキープしたいのであれば、彼にとって完璧すぎない“2番目の女”のポジションを狙うことです」「仕事や能力の面でも、彼よりデキすぎるのはNG」「男女平等の世の中といえども、やはり男性を優位に立たせてあげたほうが男女関係はうまくいくんです」など、フェミ界の女性たちへの宣戦布告かよっといった言説を滔々と語りまくっているわけです。思わず、「Ray」読者よ、甘く見られたものだな……と切なくなりましたが、それと同時に、どんなダメ男も、「もう、しょうがないなぁ♪」と受け入れんとする「Ray」の懐の広さに、何だか感心してしまいました。もしかして「Ray」には、男はダメなものだから、こっちが賢くならなきゃねという美徳があるのでしょうか。

 実際、この特集の最後に掲載されている「覚えておきたい男語辞典」には、「TENGA」まで紹介されていましたからね……。「Ray」に「TENGA」、場違いとしか言いようがありませんが、「見た目がエログッズらしくなく、スタイリッシュであることも特徴的」というキャプションに、どうにか「TENGA」を、男のコを理解してあげようとする「Ray」の心意気がびしばし伝わってきました。どうかその心意気が、「Ray」読者の意中の相手に届くように、そして、クリスマスまでに彼氏を……! そう願いながら、今月号の「Ray」を閉じました。
(豊島ユイ)

来月号もまだまだクリスマスを引っ張ります!

しぃちゃん



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