[連載]みかのはらミキ presents ご長寿番組潜入記

「芸能界甘ないで!!」濱田龍臣にマジギレした明石家さんま『からくりTV』

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(C)みかのはらみき

 今回は赤坂TBSにて『さんまのスーパーからくりTV』を観覧してきた。同番組は、前身の『さんまのからくりTV』から数えると、1992年から20年続くご長寿番組。ここから、「ご長寿早押しクイズ」や「からくりビデオレター」など数々の名物コーナーが生まれ、ボビー・オロゴンを発掘したのも、この番組だ。

 これまでの連載で、タモリ・たけしは見てきたので、今回の明石家さんまでついに「お笑いBIG3」をコンプリートである。スタンプカードが貯まったような達成感で興奮していると、控え室にもだんだんと人が集まってきた。ざっと100人超えである。下は高校生(?)から50代くらいまで。男性客もいるが、ゆうこりんファンだろうか。そして、意外と妙齢の2人組女性も多い。

 前説は吉本興業の芸人・レアレアが担当し、通常の拍手の練習に加えVTRクイズで正解を見た際のリアクションの取り方を練習した。「この後、お母さんはびっくりしてしまいます。さて、なぜでしょう? 正解はこちら!」(さんま)→「あはははははは」(観客)という、『からくりTV』や『ぴったんこカンカン』(TBS系)でおなじみのシーンである。リアクションのポイントは、さんまが出題時に言う「びっくりしてしまいます」「笑ってしまいます」などの言葉とのこと。その通りの表情を作ることが、出演者へのヒントとなり、すなわち収録が早く終わることにつながる。そのためにも我々が頑張らねばならない。

 スタジオのセットに掛かっていた緞帳が上がり、華やかなセットと出演者が現れた。……が、ん? あまり見慣れない感じ。「こんなセットだっけ?」と思っていたら、明石家さんまが登場。会場が大きく沸き、こちらも「おお、本物のさんま!!」とテンションが上がった。見た目はテレビのまんまだが、声が予想以上にガスガスの枯れ枯れで、ちょっと聞き取りにくいレベルだ。

 さんまはまず、セットが変わった事、観客が減った事に言及し、「まぁ色んな事情がありますからね」と話していた。一通りオープニングトークが終わった頃には、自分の耳のチューニングがさんまの声に合ってきたのか、聞き取りやすくなって一安心。

 パネラーは2列で、前列が関根勤、中村玉緒、それに浅田美代子、西村知美、松本伊代(ゲスト)の往年のアイドル3人。後列に渡辺正行、つるの剛士、濱田龍臣(ゲスト)、ローラ(ゲスト)、小倉優子、長嶋一茂。ほとんど全員が天然キャラのタレントである。きっと番組側も、長年の経験からボケ多めのラインナップがやりやすい、とわかっているのだろう。特にローラはさすが旬の輝きがあり、入ってきた瞬間にスタジオが沸いた。脚が長く顔も可愛い。クイズにも積極的に答えるし、野球の「江川(卓)」を「出川」と聞き間違えるナイスなボケをかましたりと、なるほど、ローラを入れておくと盛り上がるもんだなと感心。引っ張りダコなのもうなずける。

 そして、いよいよクイズコーナーでリアクションを披露する場面がやってきた。テレビに観客がバッチリ映るシーンである。前髪を直す客もいる。「驚き」「笑い」「感心」の3パターンを練習していたので、どんな内容を見ても対応できる自信があったのだが、提示された答えは2問とも、「なんでそんなのをクイズにしたんだよ?」と思わざるを得ない微妙なもの。「……えっ、え?」という困惑顔しかできなかった。せっかく練習したのに! 不完全燃焼だ。

 ちなみに私の母が長嶋一茂のファンで、今回の観覧の前に「一茂が出てるでしょ? よく見てきてね!」と言われていたので、一応、観察してみた。番組で活躍した場面は、高校野球のエピソード。自分が球児だった時の大きな失敗を語り、それなりに場が盛り上がったが、そこで「今日の自分の役割は終了」と思ったのか、その後はやたらマイペースだった。他人のコメントや回答を聞きながら、「松前漬おいしいよねー」「やっぱカレーなんだ」「だよねー」など、誰も拾わないし、マイクも拾えているかすら微妙な音量で、独り言をブツブツ言っていた。それで許されるポジションを築きあげた彼がすごい。

 さんまはというと、あの特徴的な「クアー」「カーッ」などのひき笑いを続発し、誰もがつられ笑いしてしまう破壊力だった。そして、サービス精神も期待通り。最初のCMの間、観客に「暑くないですかー? 大丈夫ー? 後でごちゃごちゃ言わんといてくださいね。後でごちゃごちゃするのは大竹しのぶだけで十分ですから」と、ひと笑いを提供。収録後は、「気をつけて帰ってくださいね。外は今大雨だそうなんで」(さんま)「えーっ」(観客)「ウソです」(さんま)と、ボケをかまして笑いを起こしていた。楽屋ではどうかわからないが、少なくともスタジオ内ではカメラが回っていない時も、さんまはテレビで見るままのさんまであった。

 そんな和やかな空気が、予想外のタイミングで一変した。収録の最後に、ゲストの人気子役・濱田龍臣くんが今日の感想として、「面白かったので、また来たいです」と言ったところ、さんまの態度が急変。

「アカン! また来たいゆーて! 君がゆうたらすぐ来れるやないか! そんなに簡単にレギュラーとれると思たら大間違いや! 芸能界甘ないで!!」

 と、怒鳴り始めたのである。会話の1ターンとしてだけなら冗談としてわかるが、その後も常軌を逸してしつこく濱田くんを攻撃。濱田くんの横に座る、つるの剛士が「さんまさん、子どもに本気で何言ってるんですか~」とフォローするも、言葉が止まらないさんま。濱田くんとて、よかれと思ってリップサービスで言ったのに、こんなに怒鳴られるなんて……涙目である。浅田美代子やほか出演者も、さすがに「可哀想ですよぉ~」とさんまに注意していた。

 若手芸人やバラエティタレントに対してならわかるが、なぜこんな悪気のない、いたいけな少年にこんな仕打ちをするのだろうか。さんまの怒りスイッチはなぜ入ってしまったのか。「芸能界は甘ないな……」と、うすら寒くなった戦慄の瞬間であった。

 収録が終わった後、さんまは観客に声をかけて、さっさとスタジオを去っていった。濱田くんへのフォローの言葉は特にないのか……。ある意味プロである。「これは番組中でのネタだからね。ごめんねー」とか言わないあたりは潔い。これが濱田くんのバラエティに対するトラウマにならないことを願うばかりだ。

 しかし、番組構成としては、スタジオ・客席・お茶の間でお馴染みの「からくりチャンス」もなくなり、クイズのトップ賞に出す賞品もなくなった。かつての名物コーナーだった「ご長寿早押しクイズ」「からくりビデオレター」もない。「からくりTVらしさ」というものがなく、一抹の寂しさを感じてしまった。

観覧方法:ハガキで応募。観覧応募の書き方
客層:20代~50代の女性
特典:ナシ

みかのはらミキ
漫画イラストレーター。1980~90年代好きで、有名人を「やや~最大に美化」して描くのが持ち味。「星ぽえ夢」スタッフとしては雑誌イラストや携帯コンテンツなどでも活動中。芸能愛に溢れるブログも絶賛更新中。

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