意外と多い、『バラ珍』現象

米オーディション番組『Xファクター』で、出演者が実母と念願の再会か?

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デヴィッド・コリーのパフォーマンスはこちら

 新審査員のブリトニー・スピアーズの辛口ぶりが話題となっている、オーディション番組『Xファクター』。赤ん坊時代に養子としてアメリカ人夫婦に引き取られた出場者が、念願だった生みの母親とのきずなを復活させたと報じられ、全米を感動の渦に巻き込んでいる。この出場者は、まだ見ぬ生みの母親から連絡がもらえればと期待して番組に出演。ブリトニーを涙ぐませる感情の込もった美しい歌声の持ち主で、視聴者からの人気も高いことから、この美談に多くの人々が心を動かされている。

 全米だけでなく全世界が注目している『Xファクター』で、「自分は養子だ。番組で歌うことで、自分と同じ声を持つ、生みの母親とつながることができたらと願っている」と自己紹介をしたのは、26歳のデヴィッド・コリー。ヒゲを生やして唇にピアスをし、タトゥーだらけで、ゴールドのネックレスをかけている彼は、イケメンの部類に入るものの、かなりのこわもてでギャングっぽくもある。

 しかし、パフォーマンス前に流されるドキュメンタリー風の出場者紹介ビデオでは、内面は真面目で硬派なことを証明するような、しっかりとしたトークを展開。「ブラザーたちと、車で13時間かけてここに来たんだ。出場することが自分の運命だと信じてるからね」と言い、緊張しながら見守るガタイのよい黒人の友人2人に、「口から心臓が飛び出しそうなくらい緊張してるけど、頑張るよ!」と意気込みを語る姿が紹介された。

 続けてデヴィッドは、自身がブラジルからの養子であることをサラリと告白。「生みの母親は、オレを14歳で出産したからね。だから養子に出されたんだ」「もし『X ファクター』で優勝できたら、生みの母親とつながりを持てるかもしれない。そう期待しているんだ」と静かに語った。画面には赤ん坊時代の写真が現れ、デヴィッドは、「オレには素晴らしい家族がいる。1歳か2歳の頃、両親に引き取られてね。彼らのことは死ぬほど愛しているけど……興味があるんだよ。自分がどこから来たのか。生みの母親も歌うのか、どんな顔なのか、とかね」と正直な気持ちを明かした。

 いよいよステージに立つことになり、舞台袖で手を合わせ神に祈りを捧げるデヴィッドの姿が映り、「ステージに立つ時、いつも“神が下さった道具を使って再びつながりを持てる”って自分に言い聞かせているんだ。その道具とはもちろん歌声のことさ」という彼の言葉が流れる。

 ステージに立ったデヴィッドは自己紹介をした後、ブリトニーと同じく今シーズンから審査員入りしたデミ・ロヴァートから、「あなたは、ほかの出場者と比べて何が違うのかしら?」と聞かれ、「自分は養子なんです。この番組に出場することがきっかけとなり、生みの母親とつながりを持てるようになったらと願っています。彼女は、自分と同じ声を持っているでしょうから」と回答。エピック・レコードのCEOで名プロデューサーとして名高いL.A.リードから「素晴らしい心意気だね」とのコメントを得て、歌を披露することになった。

 イントロが流れ、ベストを脱ぎ捨て歌いだしたデヴィッドは、ギャング風の外見からは想像もつかないような繊細な歌声を披露。歓喜の声を上げながら立ち上がる若い女性観客が続出した。観客の応援を一身に浴びた彼は、ブルーノ・マーズのヒット曲「Just the Way You Are」を、感情を込めて力強く歌い上げた。デヴィッドの歌声にL.A.は満足げにうなずき、辛口審査員のサイモン・コーウェルも納得顔に。ブリトニーに至っては感動のあまり涙ぐみ、「ステージでの存在感もバッチリね」と大絶賛。デミも文句なしに合格点を与え、審査員全員からの同意を得て次のステージにコマを進めた。

 『Xファクター』は出場者トップ16人を4つのグループに分け、審査員が特訓を施した上で競わせるという方法をとっている。今シーズンは、ブリトニーがティーンを、デミはヤングアダルトを、L.A.は25歳以上、サイモンはグループを担当。審査員に加え、豪華スターがメンターとして特別指導を行うことにもなっており、デヴィッドはL.A.とジャスティン・ビーバーの特訓を受けている最中。

 そんなデヴィッドの生むの母親が見つかった、と報じたのは米ゴシップ芸能サイト「TMZ」。『Xファクター』はブラジルでも放送されており、デヴィッドのオーディションをテレビで見た40歳のルシエン・リマという女性が、自分の産んだ子に違いないと確信したと伝えた。彼女は番組で流れたデヴィッドの赤ん坊の頃の写真を見て、ハッとしたのだという。

 ルシエンはブラジルの裁判所の養子制度に関する書類をさかのぼり、デヴィッドがどこにいるのか探し当てたが、どうやってコンタクトをとればよいのかわからずにいたとのこと。『Xファクター』を見て、デヴィッドが我が子だと確信した彼女は、すぐに現地メディアに力になってほしいと連絡を入れたそうだ。メディアはデヴィッドの連絡先を入手することに成功。連絡を取り合い、出生証明書の情報が同じであること、デヴィッドが生後すぐに預けられた孤児院の情報、事象系列すべてが一致することを確認したという。DNA検査はまだ行っていないが、ルシエンがデヴィッドの母親であることはほぼ間違いなく、デヴィッドは大喜びしているそうだ。生みの母親と実際に会って、絆を復活させる日を待ち望んでいると報じられている。

 実は、このような美談は、オーディション番組では出場者にとって有利に働くことが多い。これまでにも「貧乏な親に楽をさせたい」という出場者や、「長年会っていない父親に会うきっかけになれば」という出場者が登場し、世間の注目と人気を集めてきた。中には、同情票を得るためにウソをつくという出場者もおり、バッシングされている。半年ほど前に、『アメリカン・アイドル』シーズン11に出場しトップ13入りしたジャーマン・ジョーンズという男は、世間の同情を集めて自分に投票してもらおうと、「10年前に母と自分を捨てた父親が番組を見て電話をくれた」と涙ながらに告白。激怒した父親から、「息子には定期的に会っている。先週も一緒にディナーしたばかりだ」と暴露され、番組を失格になるという騒ぎを起こしたのだが、ネット上で大バッシングを浴びた。

 養子であることをセールスポイントにしているように捉えられているデヴィッドだが、歌唱力は抜群でルックスも良いなど、アピールする部分をほかにも持っている。ヒスパニック系の彼は人種の異なる白人の両親に育てられており、子どもの頃から養子であることを認識し、大切なアイデンティティーの1つだと思ってきたのだろう。アメリカでは養育能力のない親が産んだばかりの赤ん坊を養子に出すことは最善の方法だとされているため、デヴィッドも育ててくれた両親に感謝すると共に、この世に産んでくれた母親にも感謝し、つながりを持ちたがっているようだ。

 デヴィッドにはすでに多くのファンがついているほか、『Xファクター』シーズン1でL.A.のチームに属していた出場者がシーズン終了後に次々とエピック・レコードと契約を結んだこともあり、プロの歌手としてデビューできるのはほぼ確実だとみられている。産みの母親ルシエンとの感動的な再会が番組で紹介される可能性も高く、今後も『Xファクター』は見どころ満載となりそうだ。

「今日は、お母さん、なんと来てくれています!」

しぃちゃん

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