[女性誌速攻レビュー]「I LOVE mama」12月号

「I LOVE mama」マタニティブルー&産後うつ特集に見る、若さへの偏見


「I LOVE mama」2012年12月号
(インフォレスト)

 突然ですが、「パパフロ」をご存じですか? 「イクメンの道はパパフロから!パパと一緒におフロに入ろう」というページから今月のレビューはスタートしたく思います。「I LOVE mama」いわく「データによると親と入浴しているちびコは礼儀正しく、思いやりのあるコに育ちやすい★」んだそうです。まあ幼児であれば親のどちらかがフロに入れてあげないといけないですからね。イクメンパパに聞いたパパフロアンケートによると、約7割のパパが「週に2回以上」パパフロを実行、また約半数のパパが平日・休日ともにちびコと入浴しているんだとか。しかしこのアンケート「おフロでパパの背中を洗ってあげる?」「週に何回パパとおフロに入りたい?」などちびコたちへの質問が非常に作為的。75%のちびコが「パパの背中は洗わない」と答えているのに「パパフロしているちびコの4人に1人は背中を流している結果となったよ♪ 親孝行なちびコにパパはうれし涙がこぼれるね」などなど。調べてみたらこの「パパフロ」、「資生堂SUPER MiLD」のキャンペーン企画みたいです。「何もしないんだからせめてフロぐらい入れろ」というママたちのハードな本音も、イクメン仕立てにすればほらこんなにスーパーマイルド、ということなんでしょうか……ねぇ。

<トピックス>
◎イクメンの道はパパフロから!パパと一緒におフロに入ろう
◎美ママのネコメイク完全追跡!!
◎私たちが乗り越えたマタニティブルーと産後うつ

■すっぴんが「実録・女刑務所風」でステキ

 なんだか釈然としない「パパフロ」はさておき、今月の目玉企画はなんといってもコレ、「美ママのネコメイク完全追跡!!」です。ここのところナチュラル志向がはなはだしく、ラブママの肝というべき整形級メイクは隅に追いやられがちでした。今回は4人のママモ(ママモデル)を含む11の美ママが完全すっぴんから美ネコ顔に至る道のりを完全ナビゲーション。かつてラブママを席巻していた「まぶたに目を描く」レベルのメイクがザクザク登場しています。

 ママモたちのすっぴんもなかなか迫力がありますが、見どころはやはり一般読者の「みんなの整形級メイク美顔テク店Before→After番外編」です。「幸薄顔からハーフ美ママへ生まれ変わる」「29歳にして現役メイド。疲れたおばface→まん丸萌えにゃんeye」「群馬は寒いから血色が悪くなっちゃうの!! 血色がよみがえる一筆入魂のチーク&ライン使い★」などなどキャッチだけでもおなかいっぱい。トミーズ雅似のママが神戸蘭子風の子ネコ顔に生まれ変わる過程など、一企画に閉じ込めておくにはもったいない壮大なドキュメンタリーです。こちらのトミーズママいわく、メイク前後の変化が激し過ぎて「ダンナには化粧を1工程ずつ落として説明しながらすっぴんを見せたんよ~(笑)」だとか。確かに、急にすっぴんで現れたら住居不法侵入で通報されちゃうレベルです。

 根岸季衣のすっぴん風すっぴんの19歳主婦ブロガーちゃんは「目と眉毛を近づけたくて自眉の下を偽眉の上ラインに」と、眉の下をほそ~く残して後は全剃り。これもスゴイ。想像してください……根岸季衣の当たり役『妖怪大戦争』の砂かけババアの眉が下半分しかないバージョンが、ももクロのグリーン有安杏果風に生まれ変わるのですよ。「スッピン見せてブログ読者がめたんこUP↑ ないならば作ってしまえ目元と唇♪」と、コメントも19歳と思えぬ風格。あれ、もしかして本物の根岸季衣なんじゃ……。

 何か悩みにぶち当たっている人は必見のこの企画。己をダメだブスだと嘆く前に、彼女たちの「やったらんかい!」根性を見習いたいものです。いいんですよ、自分が「キレイになったな」って思えばそれで。

高齢だと高齢でケチつけるくせに

 久々にラブママの読み物ページをチェックしましょう。今月は「私たちが乗り越えたマタニティブルーと産後うつ」です。全国美ママに聞いた「出産前後はこうだった!!」アンケートによりますと、35%のママがマタニティブルーに、36%のママが産後うつに、その両方になったママが21%と、約9割のママがその自覚症状アリ。「自分とは無縁の世界だと思っていたのに……」というママが多かったようです。

 ひどいつわりや入籍前後のマリッジブルーからマタニティブルーになるママが多い中、19歳の美ママはこんな経験が。「妊婦のとき、外出は恐怖だった。(中略)エレベーターを待っていたら『若いんだから節電しなさいよ』って言われたこともあった。区役所ですら『これから先大丈夫なの?ダンナさんの職種、何?』とか聞かれた」。出産直前まで家電量販店員として働いていた21歳のママは「少し休むだけで『妊婦なのを言い訳にサボってる』とか『本当にそんなに辛いの?』とか心ないことを何度も言われた」んだとか。19歳のママは出産した今でもその時のやるせなさは消えないらしく「先輩ママには『もっと手抜きしなよ』って言われてるけど、私はどうしても手を抜けないでいる」そうです。

 一方産後うつの原因もさまざまで、ヤセ体型命の美ママだけに「産後太りが直らなくて自分の体型がストレス」とか、JKで妊娠し両親に勘当され誰にも頼ることができずに「育児をひとりでしょい込んでイライラ」とか、定番の「妊娠出産時のダンナの浮気」も。最も壮絶なのは25歳のママ。初めての家事と育児でいっぱいいっぱいになっても「ダンナはいつもひとりで遊びに行って、ちびコにも無関心だった」。それを「これが専業主婦ってやつなんだ」と割り切っていたと言います。しかし上の子が1歳になった時に突然の不眠、「どうすればいいのか分からなくて、気づいたら下戸なのにお酒に手が伸びてた。飲み方を知らなかったから焼酎をストレートで飲んでた。量は毎日少しずつ増えて、最後は飲んだ後に頭をブンブン振ってクラクラ状態にさせないときがすまなくなってた」と。

 不思議なのは、こんな状態でもママからSOSを出さなければ気が付かない夫。こちらのママはとうとうまったく動けなくなり「『身体がおかしくなっちゃった』と泣きながらダンナに電話した」んだそうです。翌日に病院で「重度の産後うつ」と診断され治療を開始し、完治したのがその2年後。「どこかでまたなるんじゃないかってたまに、不安になるときがある…」。

 ホルモンバランスの変化と、出産や育児に対する心理的不安が影響して起こると言われるマタニティブルー&産後うつ。頭を壁に打ち付けたり、カーテンを引きちぎったり、パパに向かってキムチ鍋を投げつけたというワイルドママもいらっしゃいました。そういうサインを出せるのは、まだいい方かもしれません。先述のアルコール依存になったママのほかにも、産後すぐやって来た義父が無言で赤ちゃんの指が5本あるか確かめ始め、それがスイッチとなり誰とも話せなくなってしまった……なんていう方も。

 家族を含めて、世間はやはり若いママに対して厳しいのが現実です。「ちゃんと育てられんのか」と言っちゃうジジババに限って「日本の少子化が心配」なんてため息ついたりしますからね。どの口が! ですよ。ママたちはどうか全力でスルーする術を身に着けていただきたい。母になるとはキラキラハッピーなことばかりじゃない、憧れのママモたちが伝えてくれることで救われるママも多いのではないでしょうか。
(西澤千央)

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