[女性誌速攻レビュー]「JJ」11月号

「JJ」誌上に女の争いを仕掛ける、“名古屋ガール”という起爆剤

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「JJ」2012年11月号(光文社)

 今月の「JJ」(光文社)を購入する際、750円というその定価に驚きました。高いですよ、これ! ほかの女性誌と比べても、50~100円程高いです。先月のレビューで、「『JJ』はセレブなお嬢様雑誌」という話をしたのですが、こんなところにもセレブ志向が表れていたんですね。それに加えて、今月の雑誌ロゴはまさかのヒョウ柄! ヒョウ柄です!! ほんわかパステルカラーの背景にピンクのロゴ、という女性誌が多い中、飾り気のない白背景にヒョウ柄ロゴという「JJ」は、書店でひときわ異彩を放ち、存在を主張していました。さすが「私らしさ」推奨雑誌、ブレませんね。表紙だけで食傷気味な感も否めませんが、さっそくページをめっくって「JJ」の世界に足を踏み入れてみましょう。

<トピック>
◎秋の流行、大人気分でフル活用(はぁと)トレンド服こそ着回しちゃえ!
◎もっと知りたい(はぁと)ゆずちゃんの「尽くすおしゃれ」
◎Miss JJ、開催します!

■モテを通り超して、オタク化する「JJ」

 今月号の「JJ」は、「大学生のための一冊丸ごと着回しBOOK」と銘打って、最初から最後まで服! 服!! 服!!! のファッション企画で押しまくっています。まあ、これだけの数のコーディネートが載っていれば、自分にも真似できそうなものが1つや2つ見つかるように思うんですが、読み進めていくうちに、なんとなくしっくり来ないという違和感が広がっていくんです。

 例えば、「見せて! キャンパス有名人の10items×10ways」。「東京・名古屋・関西『ちやほやガール』の新学期に密着!」ということで、各地区を代表する3人の読モが私服で登場しているんですが、去年のアイテムや、海外で買ったというハイブランドバッグなんかをバシバシ紹介。「私もこのアイテムが欲しい!」と思ってルミネに買いに走っても、手に入れることはできません。ご丁寧に、「このページに掲載されている商品は、すべて読者の私物です。ブティックへのお問い合わせはご遠慮ください。」なんて注釈まで載っていました。

 普通、女性誌にはオシャレの参考書的な役割があると思うんです……が! 読者モデルであるはずの彼女たちの「10ways」からは、読者へのサービス精神が微塵も感じられません。「サークル」「女子会」「デート」「習い事」「ママと買い物」と全方位モテを狙う「JJ」の名に恥じぬ、毎日全力で気合の入った完璧ファッションを披露! 「保育実習のたびに髪の毛を黒く染め直すので、週3ペースでサロンに通う」といったオシャレにかける並々ならぬ情熱は、簡単に真似できるものではありません。

 一緒に買い物に行く女友達のことも心の中では「おしゃれライバル」なんて呼んじゃうくらいですから、「JJ」読者たちにとって「オシャレ」という概念は、生活の最上位に位置しているのかもしれませんね。「彼とのドライブデート」も「西麻布のバー」も「フランス語の習い事」もオシャレをするための付属品。「私らしいオシャレで全方位モテ」という意識の高い本来の目的から大きくズレてしまっていることに、彼女たちは気付いているのでしょうか。

 教えてあげたい! もはや、それ、オタクの域入ってるよ!! どの方位からもモテない!! 「JJ」読モの素直さや向上心の強さが仇となってしまったのかもしれません。「私を見て! オシャレでしょ! すごいでしょ!」と、誌上で私自慢大会を繰り広げる「ちやほやガール」たちのドヤ顔に、表紙に続いてお腹いっぱい。そして、ページをめくると、「リアル着回し31days」を披露する、紗栄子様が君臨……。これにはさすがに、げんなりせざるを得ませんでした。

■あえて名古屋ガールが「JJ」に投入されるワケ

 続いてチェックしたいのが、こちら。名古屋の人気読者モデル・丹羽柚巴ちゃんをフューチャーした「もっと知りたい(はぁと)ゆずちゃんの『尽くすおしゃれ』」、堂々4ページの企画です。先月のレビューでは、「JJ」の特徴として、大学を舞台にした体育会のマネージャーと帰国子女の対抗企画を挙げましたが、もう1つ「東京・名古屋・関西」の3地域別の対抗特集というのがあるんです。

 今月号では、冒頭のファッション企画のほかに、「秋深し、『女子会カフェ』」「日本全国『スイーツ肌』現象!」のページにおいて、この3地域の比較が行われています。普通ならば、「関東」VS「関西」の2地域で問題ないと思うのですが、あえて「名古屋」を投入する意味とは……? その答えの手掛かりが、名古屋ガール代表・ゆずちゃんの次のような言葉に隠されていました。

 「私らしいおしゃれって何だろう?って考えたとき、真っ先に頭に浮かぶのは『カレに“連れて歩きたい自慢の彼女”って思ってほしい』ということ。いくら流行っている服でも、そこに引っかかるものは着たくないなって思うんです。」

 ……このゆずちゃんのパンチが効いた発言。冒頭のファッション企画で、モテを通り過ぎて、服オタク化していた「ちやほやガール」たちに渇! という感じでしょうか。そう、「JJ」でいう名古屋ガールとは、「いつだってカレのことを第一」に考え、「社会人(年上)の忙しいカレを癒す存在でいたい」と言い切る、そんな女の子の象徴として位置づけられているのです。もちろんゆずちゃんも、「愛され」「ふんわり」「ミルクティー」色のコーディネートを徹底。確かにこの秋流行りの黒やレザーといった強めアイテムでは、彼氏の心も休まらないですよねぇ。

 「全方位モテ」を目指す「JJ」の中に、「年上カレ」モテに狙いを定める、したたかな名古屋ガールをぶっこむ。そうすることで、普段は水面下で行われる、「どっちが女として優位か」の争いが誌上で浮き彫りに。名古屋ガールは、「JJ」において、女の競争心を煽りまくる重要な存在なのかもしれません。「JJ」……、なんて恐ろしい雑誌……!!

 ほかにも、「日本初のミスキャンパス・王座統一戦」となるらしい「Miss JJ」の応募が始まった今月号の「JJ」。いったいどんな女同士の戦いが繰り広げられるのか、今後の行方に要注目です!!
(橘まり子)

女は競ってこそ華、負けて墜ちれば泥……

しぃちゃん

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