"噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第145回】

待機児童、子連れ勤務、跡取り問題……小雪ら芸能人の子どもと社会


「女性セブン」10月16日号(小学館)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第145回(9/28~10/2発売号より)

 今週の「女性自身」表紙を見てある深夜の記憶が蘇った。先週珍しく六本木で飲んでいて、久々に会ったオカマのTちゃん。これまでは男装姿だったが、この日は女装。きれいでビックリするとともに、誰かに似ていると思ったのだが、結局思い出せなかった。それが「自身」表紙を見てやっと思い出した。表紙の山Pにそっくりだったのだ。マジに、です。

1位 【今週やけに目立った芸能人の子どもネタ】
「小雪 待機児童ママが噛みついた『セレブと保育園』」「黒木メイサ出産即復帰へ!パパ赤西仁さらなる崖っ縁」「寺島しのぶ『ハーフの息子を歌舞伎役者に』28年分の怨念」(「女性セブン」10月11日号)
「大沢樹生『息子と過ごした15年間が、心の中で崩れていく…』」「『仕事へは娘&ベビーシッター同伴で…』うのが巻き起こす芸能界ママ革命!」ほか 上戸彩、石田純一、篠原涼子、ほしのあきなど(「女性自身」10月16・23合併日号)
2位「石橋蓮司 30代美女との堂々半同棲生活」(「週刊女性」10月16日号)
3位「放射能汚染 大手回転寿司チェーンからセシウムが出た!」(「週刊女性」10月16日号)


 芸能界が出産ラッシュだからか、今週の女性週刊誌では子どもネタがやけに多い。単なる育児ネタではなく、社会ネタになっている興味深い記事もあるのでまとめてみた。まずは小雪と神田うのの待機児童問題と子連れ論争。

 小雪は育児に「普通」を求め、長男を公立保育園に入れるつもりらしい。しかし公立保育園は満員。そのために空き待ちをしていると公表したが、これに対し、賛否両論の嵐が巻き起こった。「庶民的で好感」「待機児童の問題を公にして素晴らしい」という賛同の一方、「セレブで収入があるなら、幼稚園かシッターを雇え」「経済的に切実な待機ママに譲れ」といった批判も起きているのだ。賛同も批判もそれぞれ一理あるし、本質は小雪批判ではなく待機児童の存在、そして働くママをバックアップする社会や行政の問題だ。これに一石を投じた形の小雪。批判にめげず、問題の解消に一役買って欲しい。

 一方“セレブ”うのは仕事場に子どもを同伴しているらしい。80年代後半にアグネス論争が巻き起こったが、当時は子連れ批判の論調が優勢だった。当時はまだまだ男社会であり、男目線が幅を利かせていたと思う。しかし時代は変わった。女性の社会進出が進み、少子化も社会問題となっている。しかも、うのは仕事関係者やスタッフを使うのではなく、専門のシッターさんを雇い、シッターも仕事場に同伴しているらしい。もちろんうのはお金持ちだからできることだが、こうした有名人の子連れ勤務は、企業も社会も子連れを受け入れる環境を作るきっかけになる。

 すこし毛色が変わっているのが寺島しのぶのケース、歌舞伎界改革である。先ごろ寺島は長男を出産した。寺島は名門歌舞伎一門の長女だから、息子を歌舞伎界役者にしたい。だが寺島の夫はフランス人だから長男はハーフ。格式や伝統に縛られる歌舞伎界がこれを受け入れるのか。今後が要注目である。

 そして大沢樹生・喜多嶋舞元夫妻の長男虐待疑惑。これは先週の「週刊文春」(文藝春秋)で、15歳の長男自身が告発したものが、これを受け大沢本人が「自身」の取材を受けている。大沢は「(長男は心療内科で治療を受けるなど)病気で妄想が真実になってしまう」と言葉を選びながら虐待を否定した。大沢、長男双方の言い分は食い違う。だが事実はどうであれ、15歳の少年が週刊誌に両親を告発したという事実は大きい。長男は現在家出していて連絡が取れないというが、本気で探しているのか。複雑な家庭環境、再婚して新しい家族ができた大沢と息子はきちんとコミュニケーションが取れていたのか。虐待が妄想ならそれをきちんと正し、治療するのが親の責任だ。まあどっちにしろ、親の責任だ。芸能人とはいえ、親は親。こうした有名人の子育て問題をきっかけに、育児環境の改善、いじめや虐待など、冷静な議論がなされることは結構なことだと思う。子どもを通した社会――。女性週刊誌ならではの育児ネタ、切り口であった(ほかの子どもの小ネタは、さほど重要度がない芸能ネタなので割愛した)。

 渋ーい名俳優・石橋蓮司が、流行りの“年の差恋愛”中らしい。石橋は71歳、そしてお相手は女優志願の30代女性である。40歳近く年が違うようだが、最近の芸能界ではこれくらいの年の差は珍しくもなくなった。だが、石橋には緑魔子(68)というこれまた個性的なカリスマ女優の妻がいる。別居して25年だが、男女を越えた絆で結ばれていることで有名な役者夫婦だ。“妻とは男女を越えている”からこそなのか、石橋のマンションにはこの30代女性が連日出入りし、石橋に付き添う。周囲から見ても夫婦同然だという。その2人を追い続ける「週女」。そして2人の半同棲を確信した「週女」は石橋に直撃している。

 すると――石橋は当初、交際を否定した上でこう応えた。

「交通事故で身体を痛めたので家事をやってもらっている」「坂を上がる時に腰を押してくれる」

 その手があったか! そう、高齢年の差カップルの逃げ口上は「介護」である。70代おじいちゃんの身の回りの世話をし、介護をする30代女性。「介護」と言われれば、そうかなと思ってしまう。これは使える! しかし相手は石橋蓮司だ。普通のじいちゃんではない。だから記者もしつこく男女の仲を疑い続ける。だが石橋は決して認めない。「ないよそんなもの! 全然ないよ」と否定し、挙げ句「酒とタバコが命だから飲みながら寝ちゃう」というオチャメな言い訳をする始末。憎めない。しかもどうやらこの女性の存在を妻には伝えていないらしい。別居して25年たって、男女を越えても妻は怖いのか。あの石橋が、と思うとちょっと笑える。しかもそこが可愛い。だから71歳になってもモテるんだろうな。

 でも考えるとこの30代女性は哀れだ。いくら事情を承知しているとはいえ、石橋は絶対に離婚はしないと記者に公言しちゃうし、男女関係も認めてもらえない。この記事が発売されたことで、石橋は妻にも怒られ、30代女性にも恨めしい態度を取られるはずだ。それにしても最近の70代は元気である。

 回転寿司からセシウム検出! 9月、NGO「グリーンピース」が極秘調査でネタの放射線調査を行った。全てが暫定基準値以下(1キロ100ベクレル以下)ではあったが「くら寿司」品川駅前店のマイワシ(産地・千葉県)から10.9ベクレルの放射性物質が検出されたという。これは既にグリーンピースのHPで公表され、「日刊ゲンダイ」など一部で報じられたが、大手メディアのほとんどはこれを黙殺している。そんな中、これを取り上げたのが「週女」だ。時期的にはちょっと遅いが、それでも最近の「週女」は社会派だ(笑)。「週女」は調査結果だけでなく、東京湾のセシウム濃度が場所によっては昨年8月の13倍にも達し、海底汚染のピークが再来年3月になること、今後50年以上、汚染を覚悟で魚を食べなくてはいけないことを指摘している。こうした報道は後追いだろうが貴重である。大手メディアが報じないのだから。

 その理由はいくつか考えられる。そもそも原発事故直後からグリーンピースの調査を報じない、セシウムは検出されたが暫定基準値以下だった。そして「回転寿司」というスポンサーの存在――。今回、極秘調査した回転寿司企業は匿名ではなく、実名で公表された。かっぱ寿司、くら寿司、スシロー、魚べい(元気寿司)、銚子丸だ。いわずと知れた有名チェーン。テレビCMだって流れている。メディアはスポンサーには逆らえない。しかも本来は外食チェーン自らが放射線調査をすべきだろうが、多くの食品企業はこれに後ろ向きだ。そして放射線に対し日々鈍感になっていく日本人。いくら基準値以下でも、こうした公表は重要である。今後も海洋汚染は進むのだから。

それが難しい

しぃちゃん

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