知られざる学歴社会

名門大学に入るための名門高校、アメリカの学歴カースト制

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※イメージ画像『レイコ@チョート校
―アメリカ東部名門プレップスクール
の16歳』(集英社)

 先日、米経済誌「フォーブス」が、毎年恒例の米優良大学ランキングを発表した。1位に輝いたのはニュージャージー州にある名門プリンストン大学。コネチカット州のイェール大学、マサチューセッツ州のハーバード大学、ニューヨーク州のコロンビア大学も、それぞれ5位、6位、8位にランクインしており、アイビーリーグの強さを見せつけた。

 この調査は、卒業後の成功度、卒業率、学生の満足度、学費、大学の負債などに基づき点数をつけてランキングしている。最も重要視されているのは卒業後の成功度。今回、アイビーリーグをはじめとする名門私立校の多くは、入学基準の一つに「この学生は卒業後に社会的な成功を収め、大学に多額の寄付をするようになるか」ということを見る。大学に進学する際に受ける共通テストSATの点数だけでなく、長文エッセーや1対1の面接試験を行うのは、その学生の将来性も見極めるためだという。また、両親や親族に同校の卒業生がいるかどうかもかなりのポイントになるとのこと。頭が良いだけでなく将来有望でポテンシャルの高い学生を選んで入学させているため、アイビーリーグや名門私立校は毎年上位にランキングされるのである。

 このように、アイビーリーグには勉強ができるだけでは入れない。アイビーリーグにふさわしい人間でないと入学が許可されない。一般の高校から進学するのが難しい理由はそこにある。アイビーリーグへ行きたいのなら、そのように指導してくれるプレップ・スクールに通うのが一番の近道。中でも名門大学への進学率がとても高いテンスクールと呼ばれる名門ボーディングスクール(寄宿制私立高等学校)に入れれば、もう将来は約束されたようなものだといわれるのだ。

 とはいえ、このテンスクールには誰もが入れるわけではない。頭が良いのは当然のこと、勉強以外のスポーツや芸術分野で秀でた才能があったり、部活動で優秀な成績を修めた者、また高校生でありながら時間を有効に使い自己管理がきちんとできる者を学校は求めている。難関中の難関といわれるのは、このように敷居がとても高いためなのだ。

 実はハリウッドで成功を収めたスターの中にも、テンスクール出身者がいる。今回は、テンスクールの中から5校をピックアップし、その学校を卒業したスターを含めて紹介しよう。

チョート・ローズマリー・ホール

 第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの母校として知られるコネチカット州のチョート・ローズマリー・ホールは、ニューヨークに住む新興富裕層の優秀な生徒たちが多く通う名門校。歴史あるローズマリー・ホール(女子校)とチョート・スクール(男子校)が1973年に合併して、男女共学のチョート・ローズマリー・ホールとなった。同校は、芸術プログラムに定評があると伝えられている。

 映画『危険な情事』で共演したグレン・クローズとマイケル・ダグラスは、同校が誇るハリウッドスターである。2人が卒業したのは男子校と女子校が合併する前のことで、2人ともこの学校で得たものは大きいと公言しており、卒業生であることを誇りに思っているという。

 グレンは今年5月に同校の招待を受け、比較文学クラスと演劇クラスの特別講師を務めた。多忙なスケジュールをやりくりして同校を訪れたグレンは『危険な関係』で着用した衣装を持参し、映画のことや学生時代の思い出などを語った。演劇クラブに所属していたグレンは「この学校で受けた素晴らしい教育は、永続的に私に影響を与えている。クリエイティブな許容範囲を広げてくれたのも、この学校の教育だった」と語っている。マイケルもインタビューで、「チョートは私に演劇の真価を与えてくれた。役者になろうと最初に思ったのは、この学校で教えてもらったからなんだ」と語っている。

 ほかにも、映画『トゥルーライズ』で知られる女優ジェイミー・リー・カーティス、ポール・ジアマッティ、ローレン・アンブローズら、業界から高く評価されている役者が同校の卒業生として有名である。

ホッチキス・スクール

 テンスクールの中でもトップ校だといわれるコネチカット州のホッチキス・スクールは、世界のトップ私立校で形成されるG-20スクールのメンバー校。1891年に、機関銃とホッチキスを発明したことで知られるベンジャミン・B・ホッチキスの妻が、イェール大学への進学を目指す青年たちのために設立した。フォード・モーターやクライスラーの創業者一族が通ってきたからか、全米の高校で最も多くの基金を保有する学校でもある。多くの生徒が裕福な家庭に育っており、乗馬部など、いかにも上流階級らしい部活動にいそしむとのことだ。

 卒業生には政治家や実業家などが多いが、『ザ・ホワイトハウス』のCJ・クレッグ報道官役でエミー賞を4回も獲得した女優のアリソン・ジャニーや、名作映画シリーズ『ロッキー』、『ベスト・キッド』などを手掛けたアカデミー監督のジョン・G・アヴィルドセンがいる。アリソンは同校のインタビューで、「キャンパスでの日々は本当に楽しかったわ。私の役者人生はレイクヴィルから始まったの。そう、ホッチキス・ドラマティックの舞台に全力を注いでいた、あの場所よ」と懐かしそうに語っている。

フィリップス・アカデミー

 超一流の進学校であるマサチューセッツ州のフィリップス・アカデミーは、ブッシュ家のプレップ・スクールとして知られている。パパ・ブッシュこと第41代アメリカ合衆国大統領ジョージ・H・W・ブッシュ(1942年卒業)、長男で第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ(1964年卒業)、三男で第43代フロリダ州知事ジェブ・ブッシュが同校で学んでいるのだ。大統領を生み出した高校としてさらに高く評価されるようになったフィリップス・アカデミーは、イェール大などアイビーリーグへの進学率が非常に高く、ほかの名門大学へも多くの生徒が進学している。なお、同校は長年男子校であったが、1973年に名門女子高アボット・アカデミーと合併し男女共学となった。

 後の同志社大学を創設した新島襄も卒業生である同校には、ハーバード大学に進学し化学と薬学を学んだものの俳優への道を選んだ往年のハリウッドスター、ジャック・レモンや、「7回くらい、退学させられそうになった」と告白したことがあるオリヴィア・ワイルド、『ヴェロニカ・マーズ』で主人公のボーイフレンド役を演じたテディ・ダンも学んだ。『デスパレートな妻たち』のキャサリン役で知られるダナ・デラニーも通っていた。ダナは同校のインタビューで、「この学校は生徒たちを甘やかしてくれるって感じるわ。それほど惜しみないサポートをしてくれるのよね」「この学校で、将来何をしたいか決めることができたら、それは必ずかなうって思うわ。学校がかなうような道を用意してくれるからよ」と同校を絶賛。「同窓会は欠かさず出席しているのよ」と述べ、同級生たちと今も交流を持っていることを明かした。

セント・ポールズ・スクール

 セント・ポールズ・スクールは、ニューハンプシャー州にある保守的な上流階級の子息が多く通う名門校。1856年にハーバード出身の医師が、自分の息子たちや地域の子どもたちに最高の教育を与えたいとして設立した歴史ある学校で、長い伝統を持つことでも知られている。1971年に共学校となった。なお、同校は日本の成蹊高等学校と交換留学制度を設けていることでも知られている。

 卒業生には世界銀行総裁のほか学者が多く、ハリウッドで活躍するスターとしては、英国王室と血縁関係にあるキャサリン・オクセンバーグ、ドラマ『バフィー ~恋する十字架~』でおなじみのアレクシス・デニソフがいる。母親がユーゴスラヴィア王国の王族であるキャサリンは、4歳の時に両親が離婚しており、ニューヨークからロンドンへと移住。母親の元で14歳まで暮らしていたが、ハーバード大学で学びたいと決意し、アメリカに帰国。ハーバードへの進学率の高いセント・ポールズ・スクールへの入学を希望し、すんなりと受け入れられた。学校では演劇部に所属し、将来役者になりたいと考えるようになったという。頭脳明細な彼女は主席で同校を卒業。希望通りハーバード大学への門が開かれたのだが、モデルの仕事を受けながら、演劇を学ぶ道を選んだ。後に、彼女はコロンビア大学に編入し哲学や心理学などを学んでいる。

ディアフィールド・アカデミー

 マサチューセッツ州にあるディアフィールド・アカデミーは、1797年に設立された歴史の長い名門校。G-20スクールのメンバー校でもあるエリート中のエリート校でもある。学業だけでなくスポーツにも力を入れている。

 卒業生には、政治家や大企業のCEOが多く、ハリウッドで活躍する役者の中には、映画『ダークナイト』でゴッサム・シティの市長役を演じたネスター・カーボネルや、ドラマ『LOST』のジャックで知られるマシュー・フォックスがいる。マシューは、一般的な高校を卒業した後、名門大学に進学するため、ディアフィールド・アカデミーに編入。1年間学び、見事コロンビア大学に進学した。ちなみに、ネスターは1学年上だったマシューのことを在学中から知っていたそうで、映画『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』や『LOST』で共演でき、とてもうれしかったと語っている。

 テンスクールで学んだ者は、卒業後もずっと母校に対して非常に強い愛校心を持ち続けるという。少人数制のクラスで目の行き届いた教育を受けたこと、寮での規律正しい共同生活を通して勉強以外のことを学んだ経験は、まさしく人生の宝となっているのだ。マシューも、ディアフィールド・アカデミーへの思い入れは深く、『LOST』の撮影で忙しい時期に同校のインタビューを受け、「学校で過ごした1分1秒、とても楽しかった。学校で得た経験からは多くのことを学んだ。自分を成長させてくれた」「ドラマの撮影が終わりハワイから本土に戻ったら、ぜひ学校を訪問したい。母校で学んでいる生徒たちと話をしたいと思っている」と述べている。

 第43代大統領ジョージ・W・ブッシュはフィリップス・アカデミーを卒業した後、これまた父同様、イェール大学に進学した。勉強はできる方ではなく問題児であったというエピソードもあるが、彼がこれらの名門校で学べたの、はひとえに“家系のおかげ”だといわれている。親が卒業生で成功している人物なら、子どもも同様に成功し、その結果、多額の寄付をしてくれるだろうという考えがあるからなのだ。このようなことを考えると、試験の点数に重点を置く日本の大学の方が平等なのかもしれない。

やっぱ金と家柄か……

しぃちゃん

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