[女性誌速攻レビュー]「I LOVE mama」10月号

見た目で判断しないで! 「I LOVE mama」の対人関係のひな型に迫る

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「I LOVE mama」2012年10月号
(インフォレスト)

 「I LOVE mama」(インフォレスト)、今月号の特集は「知っていれば天国or知らなきゃ地獄mamaMONEY」です。将来かかるお金のことやラブママ必須の節約テクは今までも何度か目にしましたが、今月はこれらを合体する形でのカネカネ企画です。妊娠出産費用から、学費、税金、住宅ローンまで、案外知らないことも多く、こういう形にまとまってると非常に理解しやすいですね。のだはな(ママモデルの野田華子)エンジェルと、孫きょうデビルがクイズ感覚で解説してくれてます。その他、超有名行列フードを自宅で再現しちゃった料理ページや、日菜あこ&大工原里美が教えるHAPPY兄弟の育て方など、いい感じに所帯スメルが漂う企画盛りだくさん。今月も美ママたちに「生きるとは何ぞや」を教えてもらいましょう。

<トピックス>
◎知っていれば天国or知らなきゃ地獄mamaMONEY
◎日菜あこ&大工原里美が教えるHAPPY兄弟の育て方
◎全国美ママの渡る世間は鬼ばかり

遠すぎるマイホームへの道

 まずはマママネー特集からご紹介します。夢のマイホームに向けて節約に勤しむ美ママですが、今回のアンケートで意外や意外、貯蓄額が「1万~30万」と答えたママが最も多く40%、「なし」と答えたママと合わせると全体の半数に。若い世帯の苦しいお財布事情が垣間見えます。マイホーム頭金の目安なのか半数のママが「400万貯めたい」と考えている中、実際のひと月の貯金額は「1万以下」が40%、「2万以下」が20%……うーん、1年で12万、10年で120万、400万貯まる頃にはすっかりシルバー世代になってしまう計算です。

 ラブママ読者は半数が共働きですが、ママの収入は10万円以下がなんと8割強。アンケートを見ると「自宅から近く、残業の少ないスーパーや福祉関係の会社でパート」というのが一般的な働く美ママの姿のようです。ちなみにパパの職種は「工場勤務、建設業」がワンツーフィニッシュ。
2011年7月号の特集「おウチ事情全部見せます!!」のアンケートでは、美ママたちの家賃相場は1~7万円代が最も多く、全体の約75%を占めるという結果に。この価格から、読者の多くは地方都市か近郊にお住まいかと想定しました。土地や建物への縛りが強く、結婚=マイホームという図式もまだまだ色濃いのが、地方都市の特徴。美ママたちのマイホーム信仰はこんなところからもうかがい知れます。

 しかし今回の特集でははっきりと「金銭的には賃貸の方がお得!」と断言。「いくらなら借りられるかよりいくらなら返していけるか」「厳しい予測をしてローンの計画を立てること」とクギを刺していました。下手に夢ばかり煽らず「まずは自分の足場固めなよ!」というメッセージが見え隠れする、なかなか読み応えある企画でした。

 19歳の若ママが就寝前の三つ編みビンボーパーマで「6カ月81万」貯金していたり、2児の専業ママが徹底的な現金仕分けで「1年108万」貯めているのを目の当たりにして……金はないのにズサンさだけは一丁前な筆者は本当に落ち込みました。「節約はちびコが小さいときしかできない! 貯金のチャンスは今しかない!」という節約ママの名言はトイレに貼って拝もうと思います。

園では挨拶してもシカトされることも多々……

 続きまして、またまたゲーセワなスメル満載のこちらの企画「全国美ママの渡る世間は鬼ばかり」を拝見いたしましょう、シンママの仲本沙織ちゃんが泉ピン子系の割烹着&三角巾でポーズを決めています。ギャル割烹着マニアにはタマらないサービスカット!

 キャッチに「ママになってから生まれる人間関係の悩みは尽きることがない!」とありますように、若き美ママたちがその若さ故に苦汁を舐めさせられた人間関係の悩みや不安を大暴露。ママ友に、園ママに、義父母にご近所にまつわるムカ話がつづられています。

 面白いのは「ママ友」と「園ママ」をはっきり区別させているところ。ママ友は「いつも仲良く楽しく接している友達」で、一方園ママは「ママ友とは異なる距離感。送り迎えや行事で主に接触する知り合い」とのことです。ムカつく内容も両者は若干異なり、例えばママ友には「ちびコを両親に預けて毎日クラブ通いしてるママ友にムカ。注意したいけど中々言えない」「『ふたりめできて育児どう?』と聞かれたので『少し大変』と答えると『いるんだよね~!ふたりめができて大変ぶるやつ~』とひがみを言われた」など、そのパーソナリティが問題になることが多いようです。近しいだけにズケズケ言われたり、逆に隣の育児が妙に気になったり。

 園ママ付き合いの悩みはもう少し社会的です。「門の前や自転車置き場を占領してママたちは愚痴大会! ちびコはぶつかっても謝らない。親子共々マナーが悪い」「お遊戯会などの行事で、ビデオ撮影する人は後ろの席と決まってるのに、指定されていない場所から撮影したり、撮影してる前を通る人がいる!」など、社会ルールを守らないことへの不満が多数。「他のママ達より若いせいか、見た目で判断されたり、なんとなく距離を置かれてしまう。もっとちゃんと話して中身を知ってから判断して欲しい」というお悩みもありまして、どうやらこの辺りが「ママ友」と「園ママ」を隔てているようですね。

 保育園、幼稚園、小学校など子どもを媒介として関係性を築く社会では、ママ本人の人格やパーソナリティよりも、見た目や家庭環境が近いかどうかで集団化されがちです。ギャルなママたちが能動的に集うママサー(ママサークル)と異なり、バラバラな属性でバラバラな志向を持った女たちが「子どもが同じ年」という共通点のみで集められる「園の世界」では、そうすることが最もうまくやれるコツであるのも事実。「人を見た目で判断しない」という正論よりも、「見た目の異なる人には近づかない」という防御策を優先させてしまいがちです。何より「子ども」を人質に取られた上での人間関係ですからね。こうして、園ママの平均値から外れたママたちは、別な世界で友達を作るわけで、ギャルママたちが「ママ友」と「園ママ」を区別した所以もそんなところにあるのではないかと思います。

 しかしこれってまったく普通のことだと思うんです。子ども同士が仲がいいからといってママ同士も仲がいいとは限らないし、その逆もまた然り。節約のために現金をきっちり仕分けするように、きっとママ友関係もカテゴリーで区別しながら距離感を保つのが最も賢いやり方なんですよ。子ども媒介のママ関係にズブズブになって、いわゆる「ママ友地獄」に陥るよりはよっぽど健全かと思います。

 先月のレビューで「日菜あこセンパイのいないメイク特集なんて……!」と愚痴らせていただきましたが、どうやらあこセンパイはすでにレディースで言うところの総代ポジションにいらっしゃるんだと、今月の「日菜あこ&大工原里美が教えるHAPPY兄弟の育て方」でよくわかりました。教育評論家より、精神科医より、美ママたちが信頼するのはセンパイ美ママ。先日「アレルギーは甘え」的な発言によりネットで物議を醸していた脳科学ばあちゃんのラブママお悩みコーナーもいつのまにか終了してましたし。何かと生きづらいこの世の中で、頼れるものは同じカテゴリーに属するママたちだけ。雑誌内でここまで世界が完結するのは、ある意味女性誌の理想かも。現代は「羨望」より「共感」の時代であると、ラブママはいつも教えてくれます。
(西澤千央)

みんな「友達」に期待しすぎだって!

しぃちゃん

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