ジャニオタも静観してられないぜ!

消費者センターへ相談する人も……K-POP興行を取り仕切る「チケボ」の闇

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SMエンタテインメントジャパン公式サイトより

 BoAや東方神起をはじめ、少女時代、SHINee、SUPER JUNIORなど昨今のK-POPブームを牽引するSMエンタテインメントのアーティストが一堂に会したコンサート 『SMTOWN LIVE WORLD TOUR III in TOKYO!』(以下、SMT)。東京ドームで行われた同公演は8月4日、5日の2日間で延べ10万人を動員し、大成功のうちに幕を閉じた。

 人気アーティストが揃った同公演のチケットを手にできなかったファンは多く、まさにプレミアチケットだったというが、そのチケットを持ちながら入場できなかったファンが会場の外で係員と揉めている姿が、あちこちで目撃されたという。当日会場で、一体なにが起こったのだろうか。

「今回の公演チケットは紙のチケットではなく、電子チケットを採用しており、入り口でなんらかのエラーが検出された人は入場を拒否されたのです。同様のシステムが最近になっていろいろなアーティストの公演でも使われているのですが、今回はドーム規模の公演だったため入場できなかった人数も増え、システムの問題が浮き彫りになったようです」(K-POPライター)

 ticket board(チケットボード/以下、チケボ)と呼ばれるこの電子チケットは、チケットの申し込みから支払い、発券、入場まで、携帯電話だけで済ますことができるというサービス。メールアドレスさえあれば会員になることができ、「QRコード」もしくは「おサイフケータイ」でチケットを受け取ったら、入場時には携帯電話を専用の機械にかざすだけ。これまでの紙チケットのような申し込みの複雑さや、発券の手間が省けるのがウリだというが……。

「入場を拒否されたのは、どうやら第三者からの譲渡であると確認された人のようです。チケット提示の際にエラーが出た人は、その場で写真付き身分証明書の提示を求められ、登録と違う名前であれば入場はできません。ユーザーの登録情報を変えるということも可能ですが、登録情報変更履歴が残るので、結局入場時に引っ掛かる。つまりチケボは、一切のチケットの譲渡や交換が利かないシステムなんです」(同)

 これには、チケット詐欺やオークション流出を防ぐという目的があるそうだ。しかし、チケットは3カ月も前に販売されており、急きょ行けなくなったとしても払い戻しが利くわけでもなく、せめて友人や家族にチケットを譲ろうと思っても不可能。あまりにも融通がきかなすぎるのではないか。

「今年の4~7月まで行われていたSHINeeの全国ツアーの時に、チケットとなるQRコード画面をスクリーンショットで何枚も複製して売りさばくという詐欺が発生したらしく、それ以降、入場時のチェックが厳しくなったのではないかとうわさされています。チケボの利用規約には『譲渡禁止』とありますから、譲渡されたチケットが入場拒否されるのも仕方ないとは思いますけど……チケット代は12,800円とほかのJ-POPアーティストの公演の相場よりも高いですし、譲渡が無理ならせめてキャンセルの対応をするとかしてほしいですよね。今回は出演者の変更もあって、SNINeeやf(x)のメンバーの一部は出演しなかったんです。それでも返金などの対応はなし。謎のシステム料とかいうのが450円かかるのも腑に落ちないし、とにかくファンは何も得をしないシステムですよね」(SNINeeファン)

 また、入場時のチェックがゲートによってまちまちであったということが、さらなる物議を醸している。一度エラーが出ても別のゲートでやり直すとすんなり入れた人や、譲渡チケットであっても最初からエラーが出ることもなく入場できた人も大勢いたという。こういった「単に運が悪い人は入れなかった」という理不尽さに加え、現場スタッフの対応も徹底されておらず、係員に不満を感じたファンがその場でやりとりを録音しようとしたところ、怒鳴り散らされたなんて話も聞こえてくる。

「今回入場できなかったファンの間では、『国民生活センターに相談しよう』という声が上がっており、実際何件も相談が寄せられているそうです。ただ、利用規約に『譲渡禁止』とある以上は、そのルールに従うしかないのが現状だと思います。ですが今回の一番の問題点は、譲渡禁止を徹底するのであれば、例外なく譲渡チケットに関しては入場を禁止にすべきところを、ランダムな対応にしてしまったということでしょう。これではファンの不満が爆発するのも無理はありません。チケット詐欺やオークション流出を阻止することばかりに神経をとがらせて、ファンへの対応が疎かになっては本末転倒でしょう」(前出ライター)

 チケボを運営する株式会社ボードウォークが設立されたのは2010年。ちょうどK-POPブームが始まった矢先の頃である。最初にこのシステムが利用されたのは、10年に開催された少女時代の無料デビューショーケースで、その後はEXILEや安室奈美恵などの公演にも採用されているが、今回のSMTほど入場を厳しく取り締まることはなかったという。ちなみにこのボードウォーク、かの「電通」の子会社であり代表取締役も電通からの出向である。

 「どうやら今回の厳重な取り締まりは、公演の主催者であるSMエンタテインメントジャパンの意向でもあったようです。同社は少女時代のデビューショーケースから、チケボの運営元であるボードウォークとはどうも懇意にしているようで、今度設立されるSHINeeの日本公式ファンクラブも所属レコード会社であるEMIではなく、ボードウォークが運営することになりました。SMエンタテインメントも日本市場に根を張って活動していくにあたり、電通との付き合いがあった方が、なにかといいのかもしれません。今後、同社所属のアーティスト全員のファンクラブ運営を一挙にボードウォークが取り仕切る、なんてこともあり得るかもしれませんよね」(同)

 実際にSMエンタテインメントジャパンに電話して、今回の件を問い合わせてみた。

――今回の公演でticket boardのシステムに引っ掛かり入場できなかったファンがたくさんいるようなので、お話を伺いたいのですが。

SMエンタテインメントジャパン(以下、SMJ) あいにく担当者が不在ですので……

――担当者はどなたなんでしょうか?

SMJ すみません、ちょっとわからないので……

――わからないのに不在というのはおかしいのでは?

SMJ すみません、本当その件はわからないので……

――その件とは、今回の公演とticket boardの件には答えられないということですか?

SMJ 本当すみません、わかりかねますので……

 なんとも歯切れの悪い回答。ここ1~2年のK-POPブームが起こる前から、BoAや東方神起を日本に売り込み成功させたことによって、一過性のブームとは一線を画した根強いファンに支えられている同社が、そのファンをないがしろにするようなシステムを採用したことに落胆の声も多い。

 さらに今回これだけファンの反感を買ったチケボは、11年9月に開催されたSMAPの無料ファンミーティングに利用されており、さらには今月からスタートするコンサートツアーのバックステージ招待にも使われるという。さすがに、天下のジャニーズから紙チケットが廃止されるとは思えないが、大元が電通である以上、今後チケボが台頭していくことは目に見えている。

 チケット詐欺やオークション流出対策としては一役買いそうだが、利用者にとっては痛しかゆしのこのシステム。友人や家族間でのやりとりすら禁止するこの融通のきかないサービスが今後も使われるのであれば、そのうち公演そのものの集客数に影響が出てくる恐れもある。せっかくのアーティストたちの人気に、水を差すような結果にならなければよいが……。

ジャニーにチクッておくからな!

しぃちゃん

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