[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」9月号

愛されないのは服のせい! 「CLASSY.」のトンデモ発言は真実だった

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「CLASSY.」2012年9月号(光文社)

 独身女性向けファッション誌の中でも、ファッションと結婚・恋愛を真正面からリンクさせ、「私を選んでください!」と金切り声を上げる松野明美を連想させることでおなじみの「CLASSY.」。今までも「結婚できる服」「幸せになれる服」と読者のことを思って、かなり間違えた方向に進んでいた同誌ですが、今月号は「『恋から愛に変わる』服」だそうです。相変わらず、斬新かつあさっての方向に進む「CLASSY.」がもはや愛おしい。「CLASSY.」の「○○服」シリーズと、料理研究家・園山真希絵のレシピだけは、2012年の全世界のテクノロジーを駆使しても予想不可能。というわけで、今月号のレビューは「『恋から愛に変わる』服」だけを掘り下げてみたいと思います!

<トピック>
◎「万人受けアイテム」で出会いのチャンスを逃さない!
◎「お家デート服」で2人はもっと仲良くなれる
◎たまには着なきゃ! ギャップを作る「いい女」服

■焼き肉のタレは洗濯でも落ち切らないんです!

 特集ページのリードの振り切り方がすごいんです。

「『出会いが先につながらない』『彼が出来ても長続きしない』『果たして結婚できるか不安……』そんな悩みの数々、恋愛運のなさのせいにしちゃってませんか? でもそれって、実は服のせいかもしれません」

 んなわけねーだろ! という言葉はグッと飲みこんでくださいよ。「自分が結婚に何を求めているか考えないと!」「男選びの基準を見直してみたら?」なんて建設的な意見を述べても、「結婚できないのは服のせい」という言い訳がないと「CLASSY.」読者の精神は崩壊するし、「CLASSY.」の存在意義が失われてしまいます。そこを大いに目をつぶっていただいて、まずは出会い編「『万人受けアイテム』で出会いのチャンスを逃さない!」を見てみましょう。「お前に必要なのは、『万人受けアイテム』なんかで誤魔化さず、本当に自分に似合う服を選べる客観性だー!」なんて言葉はグッと飲み込んでくださいってば! この「男のコが『いいね!』」と思ったという「万人受けアイテム」、中身も全然進歩がないんです。

・白×デニムが好き
・自分も着る柄が安心
・オーバーサイズにドキッとする
・女のコらしい色の小物が可愛い
・華奢なアクセが落ち着く
・ポニーテールがぐっとくる

 アドバイザーに明石家さんまがいるんじゃないかと思うぐらいの保守的な意見。愛されたいなら、この保守的な意見に従わなければダメ。例えば「白×デニム」の参考例として、バーベキューに行く時はダンガリーシャツとホワイトデニムというコーデを推奨しています。「え~、ホワイトデニムなんか着て行ったら、絶対にエバラ焼き肉のタレをこぼしちゃうじゃん」と思ってしまうようではダメなんですよ! ピーコは「オシャレには我慢が必要」と言ってましたが、結婚するにはホワイトデニムを1本ダメにするぐらいの我慢は必要なのです!

せめてユニフォームなら許せたのに

 シチュエーションを細かく区切ってコーディネートを紹介しているせいか、いろいろ矛盾が発生している「『恋から愛に変わる』服」。初めて彼の家族に会う日の服の結論は、「柔らかい色合いのワンピースで清楚さを際立たせて」と言った舌の根も乾かぬうちに、その12ページ後には彼の実家に初訪問する際のコーディネートとして、ショッキングピンクのカーディガンをモデルがしっかり着用。結婚したい女たちを「CLASSY.」まで翻弄するとは!

 矛盾ではないのですが、彼となでしこJAPANを観戦する際のコーディネートとして、全身コンサバファッションなのに、頭にサッカーボール柄の帽子をかぶっているという衝撃の写真がありました! 婚約が即破談になりそうなコーデをさらっとブチ込んでくる「CLASSY.」、女性の味方なんだか敵なんだかわかりません。

「いい女」気取りは痛い!

 「休日の日まで騒がしいところにいって、体力を使いたくない」「毎週末、遊びに行くお金がない」と、不景気のせいか社会人同士でも休日を家で過ごすカップルが多いようです。そこで「CLASSY.」はちゃんと「お家デート服」まで紹介していますよ。「頑張り過ぎない」ことがポイントのようですが、誌面を見る限りちゃんとおしゃれ。まあ、ファッション誌で刺しゅう入りのジャージとか、着心地いいけど毛玉だらけのニットなんで載せられないのでそれはいいとして、大学時代はヴィトンやグッチのバッグを買いあさって、おしゃれカフェやクラブで男の子に声をかけられることを使命としていた「光文社系女子」が、お家デートで収まるようになったかと思うと、感慨深いものがあります。

 一方、これも時代の流れなのでしょうか、「『恋から愛に変わる』服」にこんな企画が入っています。その名も「たまには着なきゃ! ギャップを作る『いい女』服」。なんでも「ふたりのつき合いが長くなればなるほど生まれるマンネリは、時には“頑張らない”を封印して、華奢なヒールやコンシャスシルエット…さりげないセクシーさ醸し出す『いい女』服でギャップを演出すれば大丈夫!」とのこと。ここで重要なのは「いまは“頑張らない”が通常モードであり、『いい女』を毎日しているのは時代遅れで痛い」とさりげなく言っていることです。華奢なヒールとボディーコンシャスなラインのコーディネートはずーっと光文社が推してきたコンサバラインです。それを体に染み込ませている「HERS」「STORY」世代は今、頑張らないことを頑張っているんですよね。そう思うと、毎号毎号「これがいい女」と謳っている「Domani」(小学館)は時代遅れなのか、個性として開き直っているのか……。「CLASSY.」を読んでいて、思わず「Domani」の存在意義を考える羽目になってしまいました。

 さて「CLASSY.」といえば、やたら上から目線の発言で炎上マーケティングと疑われている男性座談会がおなじみ。「『恋から愛に変わる』服」でもわざわざ2回も座談会にページを割いています。「(彼女の家が)水回りが汚いとかも許せない」「俺はトイレのポンプに洗浄剤をおいているのもなんかイヤ。なんかそれだけできれいになるから大丈夫って気を許している感じがする。毎日しっかり掃除してほしいな」など名言がいっぱい。その中で「すごく派手なワンピとか着ていると、『このコ、ちゃんと仕事しているのかなぁ』と心配になっちゃう(笑)」と彼女のファッションとしての派手ワンピに否定的な意見も……とここまで読んでビックリしました! 今月号には「CLASSY.」読者のスナップページがあり、ワンピを着ている女子がわんさか集まっています。みなさん、ドレープワンピやら花柄ワンピやらドット柄やらボディコンラインの人まで。見事に派手! Oh、やっぱり愛されないのは「服のせい」だったんですね……。
(小島かほり)

「Domani」は痛いのか……(すみません、分かってました)

しぃちゃん

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