審査員はいいことづくめ?

『アメリカン・アイドル』審査員が全員卒業!? 後継にC・シーンや大物歌手も

2012/07/18 11:45
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ちゃっかり宣伝入れてくるなんて、やっぱスティーブ
ンは違うね!

 アメリカの国民的オーディション番組『アメリカン・アイドル』の審査員を2年間務めてきたスティーヴン・タイラーとジェニファー・ロペスが、番組を去ることを発表した。2人の降板が確定したことで、人々の関心は「誰が新審査員を務めることになるのか」へと移っており、米メディアは審査員候補の名を次から次へと報道。同番組の審査員に就任すると、莫大なギャラだけでなく好感度が大きくアップすることから、大御所歌手が「ぜひ、やりたい」と発言するなど、全米から注目されている。

 2002年の放送開始直後から高視聴率をキープし続けている『アメリカン・アイドル』。ジェニファー・ハドソン、アダム・ランバートら数多くのスターを輩出していることで有名だが、この番組で審査員を務めると、好感度がグンと上がることでも知られている。

 初代審査員の歌手・ダンサーのポーラ・アブドゥルは出場者のことを親身に思いやる発言で人気を集め再ブレイクし、イギリスで活躍していたプロデューサーで辛口審査員といわれたサイモン・コーウェルも的確なアドバイザーだと絶賛され、アメリカでの知名度を一気に上げた。ワンシーズンのみ審査員を務めたエレン・デジェネレスも頭の回転の速さでイメージアップし、カーラ・ディオガルディが降板させられた時には残念がる声が多く上がった。

 シーズン1からずっと審査員を務めているランディ・ジャクソンは、今やアメリカで一番有名な音楽プロデューサーと言っても過言ではない。シーズン10から審査員を務めているスティーヴンとジェニファーも今や人格者として評価されるようになり、新曲が爆発的に売れるなど良いことずくめである。

 『アメリカン・アイドル』同様、ほかのオーディション番組でも、審査員に就任すると過去のスキャンダルをチャラにでき、再び国民的スターにのし上がることができるという方程式が出来上がっている。泥酔・失態スキャンダルが続いたクリスティーナ・アギレラは、『ザ・ヴォイス』の審査員に就任したことで人気を復活させCDの売り上げも伸ばした。ブリトニー・スピアーズと、リハビリ施設を出所したデミ・ロヴァートは、今シーズンから『X ファクター』の審査員に就任しており、まだ放送前だというのに、「今日はこんなドレスを着ていた」など、連日話題を振りまいている。

 このようにオイシイ審査員の仕事だが、撮影期間中は拘束時間が長く、自由な時間がないためストレスになることと、観客の前で撮影される上に生放送のため失言できないというプレッシャーがあり、精神的にも肉体的にもかなりの重労働ともいわれている。そのため、スティーヴンとジェニファーが、『アメリカン・アイドル』シーズン12に続投するのかが関心の的となっていた。

 昨年も8月末のギリギリまで、審査員の契約を更新するかどうか明かさなかったジェニファーは、12日に出演した米NBC・朝の情報ニュース番組『Today』で、「もともとは1年契約だったわけだし」「番組のみんなが大好きだし、ファミリーだって思っている。でも、辞める時が来たかなとは感じている。決断を下すのは、心が引き裂かれるかのようにつらいのよ」と発言。秋からワールドツアーを控えていることもあり、やっぱり辞めてしまうのかと一気に注目が集まった。そして、その日の午後にスティーヴンが、突然、降板声明を発表したのである。

 スティーヴンは、「時間をかけて一生懸命考えた結果、オレの愛人である『アメリカン・アイドル』にサヨナラを告げる決心をした。彼女が鍋でウサギを煮ちまう前にね」と、映画『危険な情事』のワンシーンを引用し、「初恋の相手であるエアロスミスと疎遠になっていたけれど、オレ様は戻ってきたぜ! 別にひざまずいてお願いしたわけじゃない。握りこぶしを突き上げて、ドアを蹴飛ばして戻ってきたんだ」と述べ、11月6日にリリースされるニューアルバム『Music From Another Dimension on the Earth, Moon, Mars, and way beyond the stars』を宣伝しつつ、今後数年は、バンド活動に専念すると明かした。

 スティーヴンに先を越されてしまったジェニファーは、翌13日に、『アメリカン・アイドル』司会者のライアン・シークレストがDJを務めるラジオ番組に出演。「オレたちはまだ同僚なのか? どうなんだい?」と詰め寄られると、「あなたにはウソはつけないわ」とため息をついた。

 そして、「辞める時が来たと感じるの、本当よ。ほかに私がやっていたことを、やらなくちゃって思うの。『アメリカン・アイドル』が大好きだから、私はほかのことをずっとストップさせてきたの。でも、私には責任がある」「あなたもたくさんの仕事を掛け持ちしているけど、すべてつながっているでしょ? でも私は違う。子どももいるし……」「ゲスト出演してほしいって言われたら、喜んで行くわ。でも、この2年間のように、毎回、決まった時間に撮影に出かけるというのは、もう無理だわ」と弁解するように語りながら、降板することを明かした。

 実はシーズン1から審査員を務めているランディも、シーズン11で契約が切れており、続投するかはまだ明かしていない。新シーズンは、全員が新審査員になる可能性も高まっているのである。

 気になるシーズン12の審査員だが、すでにアダム・ランバートやマイリー・サイラス、ニッキー・ミナージュにケイティ・ペリー、ブラック・アイド・ピーズのファーギーとウィル・アイ・アムの名前が候補として挙がっている。

 また、米ゴシップ芸能サイト「TMZ」は、番組プロデューサーのナイジェル・リスゴーが、チャーリー・シーンとジェリー・ルイスの、二大喜劇役者を審査員にしたいと思っていると報道。これはイギリス人特有のブラック・ユーモアだとみられており、チャーリーも「番組のギャラがメチャクチャ安いので、オレの要求通りに上げてくれれば、ぜひ」とブラック・ユーモアで返している。

 そして、ここに来て、大ヒットソング「Respect」で知られるソウル・ミュージックの女王、アレサ・フランクリンが、「えぇ、審査員の仕事にとても興味があるわ」と発言。音楽誌「ローリング・ストーン」が昨年特集した「歴史上最も偉大な100人のシンガー」において、堂々第1位に選ばれたアレサが審査員に就任したなら、下がりつつある『アメリカン・アイドル』の視聴率が再び上昇するかもしれないという声も上がっている。

 審査員選びだけでトップ・ニュースとなる、お化け番組『アメリカン・アイドル』。一体誰に白羽の矢が立つのだろうか?

最終更新:2012/07/18 15:06
『ベスト・オブ・アレサ・フランクリン:アリスタ・イヤーズ』
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