[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」7月22日号

「婦人公論」で河本準一問題をまだまだ追及! 片山さつきのしつこさに恐怖

2012/07/11 19:00
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「婦人公論」(中央公論新社)2012年
7月22日号

 「婦人公論」7月22日号の表紙、パッと見て誰かわからず、クレジットを確認したところ、長澤まさみでした。今まで見たどの長澤まさみよりもオバ……否、大女優ふうに写っています。撮影はグラビア界の林家ぺーこと巨匠篠山紀信なので、長澤サイドも写りに不満があっても「キシンだから何も言えねえ」状態なのでしょうね。もともともっさり美人なのに、さらにもさもさに撮られてしまったまさみたんを哀れに思いながら、中のインタビューを読んだら、第一文が「この6月で25歳になりました」でした。まだ25歳とは! まるでこの熟女写りを言い訳するような文に、“老害”の2文字がはっきり浮き上がって見えましたよ。余談ですがモジャモジャ具合は、スナップ界の篠山紀信こと林家ぺーが勝ってます!

 別のグラビアコーナー「愛でたい男」には、人気爆発中の綾野剛が登場しています。1ページ、ワンカットだけなのですが、目力が強烈で、エロスが溢れんばかり。撮影は、イケメン撮影の巨匠・小林ばく氏です。ああ素材を生かすも殺すも写真家次第……てなことを、まさみたんと見比べて思っちゃいました。ちなみに、綾野については、脚本家・大石静の連載コラム「うるさくてもシズカ」でも触れられていました。大石が脚本を書いたドラマ『クレオパトラな女たち』(日本テレビ系)の打ち上げで、綾野は気持ちよさそうにカラオケを歌っていたそうです。そんなおちゃめさに萌え萌えしながら、グラビアでどきゅん! しちゃってください。

<トピック>
◎特集「老化防止のカギがここに うつな気分に負けない生き方」
◎片山さつき「河本さんを追及している真意を知ってほしい」
◎岩井志麻子×工藤美代子「“死霊”より“生霊”が本当に恐ろしい」

■中高年向け雑誌を読むことの重要性

 特集は、「老化防止のカギがここに うつな気分に負けない生き方」。最近は「新型うつ」という言葉がメディアで盛んに取り上げられているせいで、「うつ」と聞くと、困った新入社員か「Get Wild」(TM NETWORK)なUTSUか、どちらかしか思い浮かばないという誤った認識をお持ちの方が増えているかもしれません。しかし、更年期障害によってうつ気分に悩まされたり、老化のためにセロトニン(神経伝達物質)が減少したり、仕事や親の介護、将来の不安などのストレスがかかってうつ気分に陥ったりと、40代以降の女性にとって、人ごとではない問題なのです。

 みなさんは、老化について考えたことはありますか。最近、NHKが『クローズアップ現代』や『NHKスペシャル』で、卵子の老化による不妊について取り上げて話題となりました。「知らなかった」とショックを受けた女性が数多くいたようです。老化現象は、「その時」にならないと自分では積極的に調べないものなんですよね。でも、「その時」では手遅れなんです。今回の特集のテーマである「うつ」にしてもそう。何もわからないままいきなりうつ状態に陥るよりは、予備知識があれば心強い。そのあたり、女性誌がカバーしてくれたらいいのにと思うのですが、若い娘向けの雑誌で「更年期障害ってなに?」「老化ってなに?」なんて企画を組むはずがありません。キラキラふわふわした女性誌ばかり読んでいるお嬢さん、世の中はハッピーやラッキーばかりではないのですよ。たまには「婦人公論」を読んで女の深い穴の奥をのぞいてみてください。

 しかも、この「婦人公論」、四角四面にうつを取り上げるだけじゃござーせん。唐突に、元電脳アイドルにして起業家、ヨガインストラクターの千葉麗子が登場して「深夜にピーナッツバターをなめ続けるという異常な行動に走った」「幼い頃、今なら児童虐待で訴えたいほどの暴力を両親から受けていた」「去年離婚」「今年1月に再婚」と壮絶なうつ病闘病と生い立ちと私生活をトリプル告白したり、大槻ケンヂが20代の頃のうつ状態を振り返り「個人的に効果があったと思うのは『森田療法』」と治療法を語ったりしてるんです。この人選、振り切れ感は「婦人公論」ならではですね!

■みんなが忘れても、さつきは忘れないよ!

 片山さつきが、生活保護不正受給問題について語るインタビュー「河本さんを追及している真意を知ってほしい」が掲載されています。謝罪して一部返還しているにも関わらず、わざわざ個人名を出して語るというしつこさ! しかも、冒頭から「みんな、私を支援してくれている」「インターネットサイト・ヤフーのアンケートでも、掲示板でも、私への圧倒的な支持をいただいております」ときた。なによりもまず、アタクシ礼賛かよ! 確かに次長課長・河本準一を叩く声は多くありましたが、かといって片山さつきを支持する声が「圧倒的」に多かったっけ? 今さら掘り起こして調べる気にもなれないので、さつきの言う通りでいいけどさ。政界では“敵の敵は味方”ですしね。

 文中では「個々の芸人の追及には何の興味もありません」と言いながら、「家族で海外旅行へ行き、スイス製の200万円もの高級時計を持ち、高級住宅地に住み、子どもは私立の学校へ通う」「生活保護という公金を使った財テク」と河本&キングコング梶原雄太への攻撃がネチネチと約1ページ。さらに、元議員の杉村太蔵がテレビで「個人名を出して攻撃するな。基本的人権の感覚はあるのか」と発言したことについて、「まあ太蔵君も人に頼まれて、意図があってやっているのでしょう」とチクチクチクチク。後半で「不正受給は許してはならない」という至極真っ当な意見もちゃんと述べてはいるのですが、それよりもさつきの恐ろしさが先に立って、そのイメージしか残らないという大失敗なインタビューとなっています。

 恐ろしいといえば、作家の岩井志麻子×工藤美代子「梅雨も吹き飛ぶ初夏の怪談スペシャル “死霊”より“生霊”が本当に恐ろしい」という対談ページ。死霊と生霊について大まじめに「出た、出た」と語っていて、別の意味でこの企画が恐ろしくなりました。ほかに、日本とフランスの原発比較、氷川きよしグラビア、震災後の住宅研究、更年期と閉経……と、今号の「婦人公論」はテーマがあっちこっちへ振り切っています。役立つ企画もあれば、「何がどうしてこうなった?」と思うような企画(例:さつき&生霊)もあり、ホントにいいですよ、「婦人公論」。
(亀井百合子)

最終更新:2012/07/11 19:00
『婦人公論』
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