爆発的ヒットの裏側を検証

美への新しいアプローチか? 不調を整え、健康美へと誘導する「美容鍼」

 最近、美容業界で注目を集めている「美容鍼」。サプリメントや医療技術に頼る西洋医学的な美容アプローチが盛んになっている現在の美容業界で、“心身の状態を整える”ことから美しくなる、という東洋医学の見地に立った美容鍼は新鮮だ。今回は、鍼の美容効果に注目するコスメティックプランナーの恩田雅世氏と平井鍼灸療院の清水良子氏に、鍼と美容の関係、そして臨床の現場から見えてきた現代女性の身体について語ってもらった。

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――「美容鍼」と一般的な鍼灸治療の違うところはどこですか?

清水良子氏(以下、清水) 身体の不調を整えていくという根本的な考え方は同じですが、主に顔や頭部・肩への施術が中心となります。東洋医学では「顔には全身の状態が現れる」と考えられています。顔のたるみ、くすみ、クマ、目元の腫れなどは身体の不調が溜まり、結果として表に現れたものです。身体全体の滞りを緩和していくことにより、そのような美容上の悩みも同時に改善していきます。

――「美容鍼」といえば、顔に鍼を山のように刺すイメージがありますが。

清水 顔に鍼を120本も打ったりするところもあるみたいですね。それを批判するわけではないですが、鍼灸師としてはそれって「経穴(けいけつ)」(註1)はどこにあるの? って思います。私の施術は、その経穴と経穴を結んでいる道筋「経絡(けいらく)」にそった「経絡治療」(註2)をしています。経絡治療は、経穴同士のつながりを利用して打つので鍼が少なくて済むのです。「鍼の数が少ない!」とよく患者さんに驚かれますが、技術を研磨してもっと少なくしていきたいくらいです。

 私の施術は、経穴を探っていって鍼を入れて打つ。そこから「右に打て、左に打て、すくいあげろ」という自分に降りてきた感覚と指先を頼りに経穴をついていくんです。例えば、ほうれい線に利かすのなら、一本だけ打ってそこから上向き、下向き、と感覚を最大限に尖らせて繊細に細かく指を動かしていきます。その方が、お顔も赤くならず打った痕も残りづらいので、患者さんにとって負担が少ないと思っています。

恩田雅世氏(以下、恩田) まるで鍼の本数を競うかのような、見た目にインパクトのある現在流行っている美容鍼は、少ない本数で最大限の効果を導き出すという先生の志向とは大きく違いますよね。先生が一人ひとりの患者さんをみて、その場で打つ場所を判断し、患者さんの体調に合わせて施す技術はまさに「オーダーメイド鍼」とも言えるのかもしれません。また、最近はステンレス製の針が使われることは多い中、先生が使いこなしていらっしやる「銀針(ぎんしん)」は非常に細くてびっくりしました。太さは髪の毛位でしょうか。針が非常に柔らかく、技術なしには自由自在には操れないと感じました。鍼を刺した後に微細に中で動き、的確に経穴を刺激していくのを体験した時には「ゴッドハンド」だと確信しました(笑)。

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銀針は0.16ミリという細さ

――施術を通じて感じた、現代女性に多い症状は?

清水 まずみなさんイライラしてますよね、ストレスで気が立っている人が多い。そういう人は、目や肩が凝っているんです。特にトイレに行く回数が多い人は、極度にイライラしていますね。トイレに行くのは緊張性のものだから。そういう女性は、だいたい肩こりがなくても頭痛を持っています。私の治療でそのような慢性的な身体の不調を持った方が、市販の頭痛薬を飲まない健康的な生活を送れるようになったらいいなと思いますね。

恩田 例えば、そういう女性が日常でできる、症状を和らげる方法はありますか?

清水 とにかくお腹を温めることです。イライラしたときはカイロで温めてください。お腹にある丹田が冷えると肩こりが出やすくなります。精神的にイライラして肩が凝ってるという人は、だいたいお腹が冷たいことが多いです。だから夏でもカイロや薄手のはらまきを使って温めてください。人間にとって一番いいのは「頭寒足熱」。現代人は頭にばかり気が上って「のぼせ状態」。理想と逆になっています。一番大事なのはお腹。まさに肝です。

恩田 先生の施術は、顔と頭部~肩にかけてで、ほぼ治療が終了しますよね。それは、全身の不調はそこに出るという東洋医学の考えに基づいていると伺いましたが、シミ、シワ、くすみといった美容に関する悩みから、体調の不調や気の滞りの現れを読むことができるということでしょうか

清水 まさにそうです。ですから、元となる不調を根本的に治すことで、結果としてシミを薄くするということです。美顔のときは肩甲骨をまず見ます。そこと肺をきれいにすることが、美白につながります。気管支系をきれいにすることで、顔に透明感が出ます。でもそれは、肩甲骨のコリをとることが主題で、美容効果は副次的なものなんです。

 足の裏に、坐骨神経痛やヘルニアの患者さんに打つツボがあるんですが、その治療をした患者さんが「これ、ヒップのリフトアップ効果があるわ。痩せた」というんですよ。坐骨治療のためにした治療が、患者さんにとっては健康になるだけでなく、美容の効果を実感されるという場合が多いです。そのほかには、母乳が出ないお母さんに母乳を出すように鍼をやったら、胸が上向きになったと実感される方とか。いずれにしても、美容が目的というよりも、私の場合は、患者さんの悩みや悪いとことを改善し健康になっていただくことを一番の目的にしています。その結果、体調も良くなり美容面でも思わぬ効果が出るということで、みなさんに大変喜んでいただいております。

――お2人が考える現代の「美しい人」とは?

清水 元気に働けることですね。主婦の仕事でも同じです。心身ともに健康な人が美しい人。朝起きて、ご飯をおいしく食べて、楽しいと感じることがなにより大切だと思います。私は、お陰さまで三重県で父の代からはじめた鍼灸院を引継ぎ、長年にわたり地元の皆様にご愛顧いただいております。今後は、三重県の患者さんだけでなく、東京でも「一人ひとりの患者さんと向き合い、悩みをお救いしたい」と思っています。私の鍼灸治療で一人でも多くの方が元気になり、さらに美しさも手に入れてくださったら、こんなにうれしいことはないと思っています。

恩田 「巡りの良い人」が美しい人ですかね。気の巡りもよく、体内の循環も良い人。私はホットヨガをやっているのですが、そこの先生達はみなさん内側から輝いていて滞りがまったく感じられません。精神的にも健康な女性というのは、同性から見ても気持ちの良い美人だな、と思います。健康は、当たり前のことのようですけど、失ってみて初めてわかるとても大切なことですよね。心身ともに健康な状態であり続けることが美容の近道といえると思います。自分の身体と真摯に向き合い、自分の身体が何をしたら喜んで、何をしたら不快なのかにもっと敏感になっていきたいと思いました。身体の不調を改善していくことにより、お肌も美しくなっていくという相乗効果が生まれる「鍼治療」を上手く生活に取り入れて「健康あっての美しさ」を目指していきたいと思います。

註1:一般的にツボといわれる、鍼灸で診断や施術をする重要な部位。
註2:経穴と経穴を結んだ道筋(経絡)を意識し、そこに流れる「気・血」の滞りを整える治療法。経絡の流れが滞ると病気にうなると考えられている。

清水良子(しみず・りょうこ)
平井鍼灸療院院長。薬剤師・鍼灸師。愛知県中和鍼灸専門学校の特別講師も務める。現代の鍼灸の現場で多く使われている「ステンレス鍼」よりも、体へのなじみがよく損傷が少ない昔ながらの「銀鍼」を使った施術が注目を浴びている。

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