[女性誌速攻レビュー]「Domani」7月号

“ネタ”を消費し合う女性誌のなかで、「Domani」が苦戦する理由

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「Domani」2012年7月号(小学館)

 先月号はファッションはもちろん、「ベージュ旅」「ベージュごはん」とベージュベージュ騒がしかった「Domani」。今月号は「35歳、おしゃれも、人生も白黒ハッキリつけます」と、モノトーン推し。その名も「PANDA Domani」ですって。コンセプトページでは、知花くららと漫画『やさぐれぱんだ』がコラボしています。一般人には着こなしが難しそうなつま先まですっぽり隠れるエルメスの真っ白のワンピースを着て「オシャレすぎるキリスト」みたいになっている知花の傍らにパンダ、歯科医師みたいな微妙な丈のトップスを着た知花の傍らにもパンダ……。今月も「Domani」は頑張ってるけど不発弾、といった様相が見てとれます。しかーし、我々も重箱の隅をつついているだけなんてもってのほか。雑誌は読者が育てている、という一面もあるんです。というわけでみなさん、大学野球の総当たり戦を終えた後のエール交換のように、「Domani」の健闘を讃えましょう!

<トピック>
◎“きちんといい女系”ナナvs“こなれたいい女系”佳子のSMB5着回し対決
◎35歳からの『黒髪』&『白髪』を考える
◎潔白『白』ワンピースvs腹黒『黒』ワンピース

■おい、外国人の友人に聞きとり調査するぞ!

 白黒企画、まずは「“きちんといい女系”ナナvs“こなれたいい女系”佳子のSMB5着回し対決」を見てみましょう。ちなみに「SMB5」とは「サマーモノトーンベーシック5」ということです。無理やりすぎてリアルに鼻牛(鼻から牛乳)しました。なぜ「5」なのかというと、「この夏、あなたに必要なのはたった5枚だけ!」なのだそう。見開きページの左右には、「黒シャツ×黒タイトスカート」など同一コーディネートを着こなす“きちんといい女系”“こなれたいい女系”のお2人が並べられています。「小物で印象がこんなに違う!」と読者に訴えかける趣旨だと思うんですが、すみませんどう見てもやっぱり同じコーディネートにしか見えません。少ないアイテムでの着回しは経済的にも効率がいい、という点も訴えたいポイントだと思うのですが、紹介されているコーディネートを完成させるのは、大量の靴やらバッグやらサングラスやらベルトやらスカーフやら腕時計やらアクセサリーが必要で、やっぱりお財布にも優しくなさそうです……。時代は断捨離なのに!

 ファッションページを抜けると、今度はお医者さんやホテルマンがずらっと並ぶ「働く女の『白』制服vs『黒』制服」という、「コレを読んでどうすればいいの?」と戸惑いを隠せない企画があり、しまいには「35歳からの『黒髪』&『白髪』を考える」というページまで。白髪を白黒企画に入れるとは、なんてカジュアル……。1ページに渡って黒髪と白髪についての文章がつづられているのですが、きっと担当者も追いつめられたのでしょう。ところどころ「ん?」という箇所が出てきます。

 黒髪であることが当たり前な日本人は、その美しさにピンとこなかったというボヤっとした記述からスタート。「その美しさは、むしろ外からの評価が高かった」と語り、「黒髪には芯が強く奥ゆかしいイメージがセット売りされているようで『結婚したい女性の出身国ランキング』では日本女性は常に上位。つまり、黒髪というだけで、世界有数のモテ女軍団なのです。昔、日本を表すキーワードだった『フジヤマ、ゲイシャ』も今風にいえば『フジヤマ、クロカミ』。」ええ~! 「フジヤマ、クロカミ」なんて聞いたことないし、黒髪から「結婚したい女性の出身国ランキング」と「世界有数のモテ女軍団」の飛躍がデカすぎて、そこに着地?と目を疑いました。

「Domani」ダダ滑りの原因はコレ!

 そんな白黒企画の中で、ちょっと毛色が違うものがありましたので、紹介します。それが「オフィスの男性心理学からひもとく……潔白『白』ワンピースvs腹黒『黒』ワンピース」という企画。「もしも職場に純白で天然な“潔白ちゃん”と、計算高い“腹黒ちゃん”がいたとしたら…? そのオフィスで男性が感じるだろうことをストーリー化し、『浅田家』でおなじみの浅田政志氏が撮り下ろしました!」と編集部も気合十分なのですが、8cmヒールで街を闊歩している「Domani」読者とコスプレ家族を収めた写真集『浅田家』の食い合わせはあまり良くないような……と先回りで心配してしまいました。

 他誌の着回しコーデページのように2~3行で終わるようなあっさりしたストーリーではなく、男性社員によるシチュエーション別女性分析なんですが、これがとっても気持ち悪いんです。お茶を汲む潔白ちゃんに対しては、「気づいてほしいのは、書類のある机でお茶をこぼされちゃうとショックってこと。そしてお茶を出し忘れられちゃった同僚がいたら、ソイツは結構傷ついちゃってるってこと! でも天然な“潔白ちゃん”の悪気のない失敗には叱ることはできないんです」。かわい子ちゃんを直接的に怒って嫌われたくないから察してくれ~という勝手な言い分が並びます。その一方で、潔白ちゃんに仕事を押し付けられた腹黒ちゃんには「メンズには強気なくせに、ピュアな天然なオンナには強気に出られない傾向。(略)でも俺たちはちゃんと見ているよ。そうやってあなたがだれよりも頑張ってくれていることは」と、“オレたち女のドロドロとかちゃんとわかってますから”アピールを開始。しかもこれが、「CLASSY.」(光文社)のように一般男性の声をもとに構成しているならまだしも、すべて妄想ストーリーというのだから、怖い怖い。

 それよりなにより、これを「Domani」のいち読者としてどう受け止めるべきなのか、思案します。例えば「MORE」(集英社)で遅刻しそうな朝にパンをかじりながら家を出るOLコントがあったり、「美ST」(光文社)が自虐しながらも鏡を見て自分にウットリしていたり、「25ans」(ハースト婦人画報社)が自分たちを「セレブリッチ」と呼んではしゃいだりするのは、読者も傍観者も共有できる現象です。でも「Domani」読者らしさ、というのはわかりますか? 周りの友人を見て「Domaniっぽい」と思うことがありますか? 「Domani」自身が読者と共有できる世界観がないのに、いきなりネタを展開されても、どう受け止めていいかわからないのです。それこそが「Domani」最大の弱点。女性誌が、情報ソースというより同じ嗜好を持つ者が共有のネタを消費し合うための装置となり、ライフステージや年齢で集客できず苦戦している中、「Domani」の強気な姿勢はどこまで通用するのか、勝手ながらに心配しつつあります。それともベージュDomani、PANDA Domaniというフォーマットに「Domani」の新たな野望が隠れているのでしょうか。

 先月号から始まった連載「産む? 産まない? する? しない?」、今月は子なし既婚者たちの座談会です。全国の結婚したい女たちよ、これを読め! みなさん、結婚に踏み切った理由がかなり合理的。しまいには「みんな結婚に期待しすぎてる」との名言も飛び出しました。結婚と出産の間で、内外からのプレッシャーと戦う女たちの本音を耳かっぽじってお聞きください。
(小島かほり)

「Domani」

SMB5……流行らないだろうな~

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