[女性誌速攻レビュー]「STORY」6月号

読者層の新陳代謝を促す「STORY」に、「お小遣い月1万円」層が登場

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「STORY」2012年6月号(光文社)

 「STORY」今月の大特集は「40代的流行服で、あなたのお肉はなかったことに!」です。「流行の服をカッコよく着こなすために、さああなたも今日からダイエット!」などという女性誌的戯言をぶっこかないのが、中年女の希望「STORY」です。それどころか贅肉たちを「それは40年間頑張って生きてきた勲章」と称え、「40代ともあらば、そんな悪目立ち希少部位の一つや二つあるのが当たり前」と開き直ります。みなさん、ブラからはみ出たその肉はミスジ、ジーンズに乗ってるその肉はイチボですってよ! この特集、まさかの甲ハミ肉まで網羅していて(ババアにグラディエーターサンダルは大敵!)、精肉店の牛豚ポスターに見入っていた幼きころを思い出しましたよ。そんな肉食系ならぬ、精肉系女子たちの肉林の宴を今月も盗み見しとうございます。

<トピックス>
◎大特集 40代的流行服で、あなたのお肉はなかったことに!
◎STORY的安くていいもの探し隊、出動!
◎あるある!働く40代のリアル白書

■宮崎あおいになりたい願望だったらどうしよう

 時代が変わり「STORY」を取り巻くファッションがカジュアル化しても、「肉があるなら、隠せばいいじゃない」というマリー・アントワネット的論法は変わらないということを再確認したところで、今月の第3特集「STORY的安くていいもの探検隊、出動!」を見てみましょう。リードには「いつも同じSHOP、同じブランドをチェックしがちですが、オシャレさんたちはコスパブランドまでもくまなくパトロールしています」という一文が。どうやら「STORY」らしからぬお手軽ブランドだけど、気にしないでユーたち買っちゃいなよ! という号砲企画のようです。

 1,700円の韓国製パンプス、1,500円のシャツ、3,000円のストール……マリーコ・アントワネット・ハヤシが見たら「ゼロが1個足りないわ!」と憤死しそうなアイテムが並びます。お買い求めショップも、ネットやモールに駅ビルなどザッツ生活圏。これを「いつだって“活きがいい&安い”ものを探す気分はお野菜でもお洋服でも一緒」とまとめる強かさ。これが明治屋やクイーンズ伊勢丹御用達のマダムが意を決してイオンの火曜市にやって来るノリかと思いきや、どうやらそうではないことが次ページで明らかに。

 「STORY初出ブランド続出! 毎月のお小遣い1万円主婦のためのすべて7000円以下夏アイテムLIST」と題されたページを飾るのは、ユニクロのカーディガンやアース ミュージック&エコロジーのハットなど。少し前の「STORY」がZARAを「オシャレで、尚且つお買い得」ともてはやしていたのとはだいぶ様子が違います。すなわち「安くて、まあまあオシャレ」と優先順位が入れ替わっているのです。このパラダイムチェンジ、「STORY」の事件です!

■40過ぎても「カラオケで受けたい」と思うんだ……

 と言いますのも、「STORY」が読者を「毎月のお小遣い1万円主婦」と仮定したところに大きな意味があるのではないかと。今までであれば完全に黙殺されていた層です。この数字を「STORY」はどうやってはじき出したのか。どうやらこの企画も関係ありそうです。それが「あるある!働く40代のリアル白書」。

 今や7割が仕事を持つ女性だという「STORY」読者。今回は「フルタイムで企業に勤める40代OL」に絞り、100人の読者にお金、持ち物、時間の使い方などを徹底調査しています。まずアンケート母体の内訳から。子あり既婚39人、独身が37人、子なし既婚が24人。職種はメーカーが20人、広告が14人、それに生保、ITが続きます。気になるマネー項目から見てみますと、「毎月自由に使えるお金は?」という質問に対し、10万円未満と答えた人が最も多く28人。10~15万円が25人、5万円未満が21人。子あり既婚は「学費などでほとんど消える」という厳しい状況も。1カ月にファッションにかける金額も、3~5万円が42人、1~2万円が33人とすべからく辛めの数字が。コスメにいたっては2万未満が7割以上という結果。ヤバいッス。シワ取りスムーサージーニー買ったらいっぱいいっぱい。

 生活サイクルを見てみますと、朝は6時台に起床する人が最も多く、起床から出発までにかける時間が1~2時間という人が約8割。そして8割以上の女性がメーク時間は20分以下。「前日のうちにメークして寝る」という驚きの時短テクを披露したツワモノも。

 通勤時間は音楽を聴きながらメールにネット。ちなみに聴いているのはクラシック(15人)、JUJU(9人)、ジャニーズは7人という結果に。「カラオケで受けるから」とJUJUを聴いてるそうですよ。面白いのはバッグの中身とオフィスについてのあれやこれや。バッグには、まずは更年期火照りの必需品、タオルハンカチに消臭スプレー、いざという時のための折りたたみ傘、コミュニケーションのためのアメちゃん、ホイッスルや懐中電灯、市街地マップなどの防災グッズ、最後の頼みのお守り……ああ完全なるババアのバッグ!

 バッグの中身はそのままオフィスへと引き継がれ、椅子に骨盤クッション、デスクには加湿器、アルフォートミニを食べながら小顔マッサージです! スゲー! 絵に描いたような年増OLじゃないですか。パブリックスペースの私物化はババアのスペックのひとつ。はーいみなさん、メモって!

 「STORY」では長きにわたり、40代既婚女性が働くことに対し“自己実現”という空気をまとわせてきました。カジュアル化も読者の世代交代が原因であると。しかし現実はフルタイムで働いても自由に使えるお金は思ったよりも少ないのです。働く女性がこれなのですから、「1カ月1万円主婦」の読者がいることもなんら不思議ではありません。「Grazia」(講談社)が働くゴージャス母を高らかに宣言する中、老舗40代女性誌がままならない現実に向かい合おうとしているのは非常に興味深いです。「憧れ」という命題との折り合いをどうつけるのか。雑誌の本懐が問われている気がします。
(西澤千央)

「STORY」

熟女専門誌の贅肉賛美ったらすごいぜ?

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