[女性誌速攻レビュー]「steady.」5月号

流行アイテムもおそろがいい! 「steady.」の“浮きたくない”という深層心理

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「steady.」(宝島社)5月号

 先月号では新学期、新社会人のために新しい場所でも「嫌われない」「浮かない」ことに必死の形相で伝えていた「steady.」ですが、今月はちょっと落ち着いたようです。それにしても、「VERY」(光文社)といい、「steady.」といい、出会いのシーズンには平常心でいられないものですね。同性同士で最初に気が合わなかったら、これから一年お先真っ暗という強迫観念からくるものなのでしょうけれども、今の日本の社会を如実に表しているようで面白いです。

<トピック>
◎春みんなが買ったトレンドおそろランキング10
◎羽織り5枚でぐるぐる★1ヶ月コーデ
◎ホンマでっか!?心理テク

■おそろがいいという没個性の動き

 今月号も、「steady.」の「人と違ったら生きにくい」という恐怖観念から生まれた特集は健在です。題して「春みんなが買ったトレンドおそろランキング10」。いつもやったら長いキャッチでタイトルを細かく説明するのがお約束なのですが、今回も「1000人読者アンケート、読者代表&人気ブランドプレスにリサーチ、スタイリストの証言で売れてるものが丸わかり」という文言で補足されています。

 で、この企画の「おそろ」とは、トレンドのアイテムでみんなと「おそろ」だといいなというもののようです。中身は春色カーデ、花柄ワンピ、春色ニット、トレンチコート、ミニ丈キュロット……って、今までの「steady.」でこれらのアイテムを着てなかったことがあるのか! とツッコミたくなるほどの無難・定番アイテムのオンパレード。要するに、友達や職場で浮かないアイテムを、手を変え品を変え毎月紹介しているということです。

■「あっ君」という名に編集部の思惑を感じる

 今月号は、ロンブー・淳と別れたばっかりの矢野未希子が「羽織り5枚でぐるぐる★1ヶ月コーデ」という特集に登場しているので見てみましょう。このページの主役の「みっこ」はフェミカジOLだそうで、化粧品メーカーで広報を担当する25歳。なんでも「仕事でもプライベートでも常に明るく、男女問わず友達から好かれるハッピーキャラ」だそうです。誰からも好かれている幻想がいかにも「steady.」らしいですね。

 この「みっこ」さん、どういう一カ月を過ごしているかというと、幼なじみの「あっ君」と、その弟の圭太君と飲みにいったことがきっかけで、年下の圭太君から食事の誘いを受けるようになり、告白されるんですね。この告白自体はうれしかったようで、大学時代の仲間とのバーベキューでこれみよがしに告白されたことは自慢するんですが、最終的には「これからもいい先輩でいさせてね」とあっさり圭太君をふってしまいうんです。最後はGWに一泊二日の韓国旅行でパワーをチャージし、明日からもとびきりハッピーに過ごせそう! というところで終わるわけです……。

 そして、きわめつけの「みっこ」の言葉は「彼がいなくても毎日大充実!」。うーん、「みっこ」さん、世の20代女性が専業主婦になりたくて血眼になっているこのご時世に、そんな余裕をこいていていいんですか? しかも、周囲に嫌われたくない腰かけOLさんがこの先何十年も自立し続けるのは大変な時代なんですよ! もっと客観的になって! と説教したくなる1カ月コーディネートページでした。ま、今月に限ったことじゃないけど。

 そんな筆者の心配を察知してか、ほかのページでは「ホンマでっか!?心理テク」なるページがありました。このタイトルから分かるように、テレビ番組の受け売りで、臨床心理士の植木理恵先生が「心をつかんで離さないテクをレクチャー」しています。

 そのテクニックとは、「共通の趣味は数より深さをアピール」「相手と打ち解けたいなら50cmの距離を保つべし」など、至極まっとうです。中でも興味深いのは「相手の心をつかむには第一印象が大事」というもの。でも、単に良い点ばかりアピールするのは逆効果とあり、「よい点→よい点→悪い点→よい点」のように悪い点を盛り込むことで、相手の信頼を得やすくなるとアドバイスしています。このページ、ホントにいいこといっぱい書いてるんだけど、誰からも嫌われたくないという恐怖心を、「毎日充実!」「毎日がハッピー!」というベッキー並みのポジティブな呪文で乗り切っている「steady.」ちゃんにはハードルが高すぎるのではないか、真に受けて変な行動に出ないかと、これまた心配してしまった次第です。真面目に読むほどに親ごころが育つ、不思議な雑誌です。
(芦沢芳子)

「steady.」

「おそろ」と聞くと『きんぎょ注意報!』を思い出す世代

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