『戦国鍋TV』制作陣インタビュー(後編)

視聴率調査もナシ! 系列を超えた『戦国鍋TV』は新たなテレビビジネスの形?

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懐かしのアイドル臭を放つ『シズガタケの七本槍』(c)2010戦国鍋TV

(前編はこちら)

<参加者>
福原直樹氏=番組プロデューサー(tvk)
座間隆司氏=番組プロデューサー(ティーズアップ・エンタテインメント)
永田陽子氏=番組広報担当(キングレコード)

――4月21日から始まる新クールでは、どんなところが以前とは変わるんでしょうか?

座間 扱う時代が“なんとなく”広がります。「広げます」って宣言してるわけじゃなくて、室町・鎌倉時代や江戸時代、幕末のネタも入ってくるかもというくらい。中身も大幅に変わるわけではなく、これまで同様コーナーの入れ替えがあって、新しいコーナーも出てきます。でも、支持の熱い『ミュージック・トゥナイト』と『戦国武将がよく来るキャバクラ』はまだまだ続きますよ。

――ここまでの人気を得ると、もっと大きなビジネスにしたいとあらゆる分野から期待されると思いますが、舞台や物販、獲得したい視聴者層などを含め、どのような展開をお考えですか?

永田 たくさんの方に見ていただいて、みなさんに好きになってもらいたいという番組なので、今後も特定の層に向けて作っていく感じではないんですよね。幹事局であるtvkが独立ローカル局ということもあり、全国に広げるという意味でDVD発売は最初から決まってたんですけれども、舞台やグッズのお話は番組の人気が出てからオファーをいただき、当初予想していたより結果的に広がったという感じです。

――関連アイテムでも『ミュージック・トゥナイト』のCD(※1)が特に売れているそうですが、それも当初は考えていなかったんですか?

永田 出してほしいという要望が多かったので、私たちも重い腰を上げました(笑)。番組のコーナー用にしか作っていなかった楽曲なんですけど、CDを出したらすごく喜んでもらえたのはステキな流れでしたね。

座間 初めからCDで出そうと考えていたら、曲をもうちょっと長く作ってますよね。どれもオンエア用のテレビサイズしか作ってなくて、『シズガタケの七本槍』なんて本当に短いし(笑)。各コーナーの撮影やこういった楽曲制作に関して、手間ひまはものすごくかけているんですよ。ただそれはオンエアのためだけの努力であって、CDのヒットはその副産物なんです。

――『大江戸鍋祭~あんまり近すぎちゃうと討たれちゃうよ~』などの舞台も好評でしたが、今後の舞台やイベントの展開は?

福原 今のところ、具体的に見えているものはないんです。オファーをもらってから、一緒にやる、やらないを判断します。僕らが努力するのは番組を面白くしようということだけで、番組を盛り上げてくれるイベントなどにもできる範囲で協力はしますが、番組以上にそこに注力するということはないです。

――関連グッズやイベントなどが絡まって多様なビジネスになって行くなかで、“純粋に面白いことをやりたい”という制作サイドの意図と番組が離れていくことへの懸念はないのでしょうか?

福原 
この番組は広告代理店も入ってないですし、アイテムの商品化など、関わる会社の方々は増えていますけれども、その方々は番組スタッフではなく、あくまで番組の外の展開におけるパートナーなので。当初からのスタッフが作り上げてきた番組のコンセプトがブレることはないですね。

座間 番組の方向性は、プロデューサーや作家など少人数の製作委員会でコントロールしていますから。ビジネス的な話がきても、そこで番組のコンセプトに合っているかどうかを一つずつ話し合って決めているので、それに絡んで方向性がブレることはないです。

――独立系ローカル局を舞台に作り手が「面白い」と感じることを追求した結果、これだけの人気番組が生まれたことはすごいことだと思います。制作サイドとして、視聴者の反応をどう受け止めていて、またこの番組をきっかけにどんなテレビ業界の未来を描けましたか?

福原 純粋に、面白い番組を作りたいという気持ちが最初にありました。今のテレビは視聴率至上主義ですが、その縛りのないところで、制作側が気持ちよく面白い番組を作って、視聴者にじっくり見せようと。最初に盛り上がったのは、テレビ業界内だったんですよ。口コミでどんどん話題になっていって、放送局が広がったのもスタートから半年後くらい、局数が最大になったのが約1年後でした。

永田 (エグゼクティブ・プロデューサーの)大月もこの番組が根付くのに時間がかかるだろうと考えていて、最初から1年は続けようという話にしていたんです。この番組はビデオリサーチで視聴率を取っていないんですよ。基準になる数字がないから、私たちも番組のTwitterアカウントのフォロワーが増えたことで“調子がいいのかな?”ってわかったくらいで。

福原 
tvkのHPでも、番組サイトのアクセス数がトップになったり、『ミュージック・トゥナイト』の着うた(R)をリリースした時に数万DLを達成したり、世間の盛り上がりを肌で感じました。『戦国鍋TV』は、系列をまたいで20局以上でネットする番組が独立局で生まれたという史上初の事例になったので、コンテンツがよければそれが可能だと業界内で認識されたと感じています。だからこの番組をきっかけに、次のヒット作を自分たちで作ろうと考えている独立局・ローカル局は増えていると思います。それに絡めて、普通はやらないことなんですけど、希望があれば番組を購入してくれている局の方に撮影現場を見せたりもしているんです。番組を見学したローカル局から、次のヒット作が生まれればと。そういった部分も含めて、いろんな意味で前例のない番組になったとは思います。

※1 『戦国鍋TV ミュージック・トゥナイト ~なんとなく歴史が学べるCD~』(2011年3月)に続き、『戦国鍋TV ミュージック・トゥナイト スペシャル 上・下巻』(2012年3月)をリリース

『戦国鍋TV読本』

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