『30才、処女なのにエロ漫画描いてます。』著者インタビュー(後編)

「女の武器身につけやがって!」処女×30歳×エロ漫画家の心の叫びが響き渡る

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『30歳、処女なのにエロ漫画描いて
ます。』(メディアファクトリー)より

(前編はこちら)

――ところで、女性の友人との関係って、どんな感じなんですか?

森田 学生時代からモテないグループにいたんです。思いっきり文系というか、ブスの集まりみたいな。でも……今現在、私以外みんな結婚してるんですよ。それに対して私、すっごく腹立ててるんです。あん時、クラスの中でダメ部類に入っていたくせに、みんなヤルことヤッて、ちゃっちゃと子どもできたりして!

――みんなで傷を舐め合ってきたハズだったのに(笑)!

森田 そうですよ! どこで習得したか知らないけど、女の武器を身につけて、年子とか産みやがってるんですよ!

――いつの間に、という思いがあるんですね。それまでは「みんなそう(処女)だから、いっかぁ」って。

森田 そうそう、そうなんです!

――素直っていうか、気が弱いっていうか……流されやすいですよね。

森田 そうです……。

――それで、信じているうちに取り残されて…流されやすいなら流されてヤッててもおかしくないのに、逆の流され方をして沖に行った、みたいな。

森田 素直に「みんな一緒だよね」というのを信じちゃったんですよ。

――そもそも、おとなしい女子グループというのは「セックスした」とか「付き合っている人がいる」という恋愛トークは……。

森田 しないと言うか、学生のときは本当にみんなそういう相手がいなかったし、「男子よりBL漫画のほうがいいよね」と。スネ毛もニキビもないし……。そのくせ、私が上京した頃にいきなり「結婚します」って。

――いつの間にかデビューしてたんですね。友達なんだったら、デビューした頃に一報欲しいですよね。そうすれば自分も「今だ!」って思えるのに。

森田 ……でも、みんな結婚してるはしてるんですけど、ちっとも羨ましくない。いい結婚してないんです。

――えっ、DVとか?

森田 というか、「何もそんな苦労を負わなくてもいいじゃないか」っていう相手と結婚してて……。初めての人だからって気持ちがあるんだと思うんですけど。

――本当にご友人は、初めての人と結婚したんですか?

森田 「アイツなら絶対初めてだろうな」と。

――……(頑なな思い込みに絶句)

森田 「この人逃したら後はない」とでもいう感じでバツイチ子持ちと結婚したり、一回り上の、俳優の温水さんみたいなのと……。

――いいじゃないですか別に(笑)! コミックエッセイにも「学生時代好きだったパーフェクトな男子と、うまく話すことができなかった」というエピソードがありましたけど、「あたしモテないから、相手もスネに傷アリくらいのほうが気楽」っていう考えはありません?

森田 そうなんですけど。……でも、みんながヤッてるからといって手近な相手とヤッてしまったら、私のこのいままで数十年で培ってきたものがもったいないというか。

――ええええーっ。

森田 こう、見返してやる! じゃないですけど、トロフィー的な彼氏じゃないと。30年間の何かが一気に報われるようなパーフェクトな人じゃないとイヤだっていう、変なプライドが。

――はあ……。

森田 あんたらはその辺で手を打ったかもしれないけど、最後に笑うのは私よ、みたいな(笑)。

――ないっすよ、そんなもの絶対(笑)。「素敵な男性がいい」っていう気持ちはわかるんですけど、例えばその素敵な相手が森田さんに好意を抱いたとして、裸になってセックスできます?

森田 あー……。

――話すこともままならないのに。

森田 そうですねー……。

――股を広げるわけですよ。ひょっとしたら、ティッシュとか大便とかついてるかもしれないわけですよ。見せられます?

森田 ……。

――それは冗談として、「セックスがしたい」というよりは、作中にもあるとおり、異性と付き合って関係を築いていきたいというのが本当の希望じゃないですか? だったら自分が緊張してしまったり、神格化してしまうような「素晴らしい」相手だと大変ですよ? ニーズに合ってないのかも。

森田 とりあえず私を、いっぱしのパートナーとして見てほしいというか。「他の人たちがやってるようなことさえできないんだ」とは思いたくないんです。認められたいというか。

――肯定されたい?

森田 そうですね、なんか……親戚とか肉親以外で私を認めてくれる人が欲しいですよね。

――この本の冒頭で「処女…家に処(い)る女の意」ってあるんですけど。まさにそういうことですよね。家族以外の男性との接触がないという。

森田 親が子どもに愛情を注いでくれるのは自然な流れだなって思うんですけど、赤の他人が似たような感情を私に抱いてくれたら、って願望があるんですよ。女の子同士の「私たち友達だよね」っていうのとも違う、男性の……。でも男性と話すと緊張してしまって、お見合いパーティーなんかだと、そういう私を「コイツ男慣れしてないぜ、グフフ」みたいな目でみる男ばかり来ちゃうんですよね~。

――処女だと思って仲間意識を持ってた人が知らないところでセックスしてるってわかった瞬間に、不信感が男に向かってませんか?

森田 いや、むしろ女に行きますね。友達が処女だって思い込んでるときは「同志だよね?」みたいな気持ちでいるんですけど、一回ヤッたと聞いたとたんに「こいつも女なんだ」という……。女特有の、コールタールみたいなものを奥に潜ませてたんだと思うと……。

――でもそのコールタールは、森田さん自身にもありますよね?

森田 自分のことはさておき~、みたいな。認めたくないですね。

――こうして本を出して、それでもいつかは彼氏を作って、セックスして処女を卒業できたらいいなと思っているんですか?

森田 そうですね……処女を捨てるための、その日限りの、というのはイヤ。捨てるんだったら、結婚しなくてもいいから、ある程度は付き合って……。

――経験を積ませてほしいと。

森田 はい。でもこの本出してから、捨てるのもったいなくなっちゃって。ネタがなくなるというか……。

――処女がひとつのアイデンティティとなり始めている?

森田 すがっているようでイヤなんですけど、他の人が描かないことだし、もうちょっと温存したおいたほうが、食い扶持というか……(笑)。

――こう言っちゃなんですけど、漫画家って処女は少なくないと思うんですよ。処女でも好きなことやって稼いで、萌えトークできる友人もいるから「処女のままでいい」って人、結構いるんじゃないかと。森田さんも処女のまま好きなことやり続けて、50歳とか60歳になって処女喪失とか。そういう人生もアリかもしれませんね。

森田 そういえば、中学生の時に、親に「私、尼寺入りたい!」って言ったことがあるんです(笑)。その言葉が呪いとなって私をこういう運命に!?

――人と同じ道を生きることが幸せとも限らないし、森田さんはこの本を出した時点で、「処女でエロ漫画を描いている」という稀有な体験が報われているわけだから、それはそれでいいんじゃないでしょうか。

森田 でも私、来世はパリス・ヒルトンみたいな……ヤリマンになりたいですけどね!

 「ブスの集まり」に属していたと語るものの美人な森田さん。救いようのないブスでないからこその危機感の欠如とプライドが、彼女を処女たらしめている要因ではないでしょうか。とはいえ「異性とセックスして付き合うこと」がすなわち幸せというわけではありません。彼女の「セックスしてる女たちはいい思いしてる」という思い込みと、「それでもこんな処女の私、嫌いじゃない」という自己肯定。パリス・ヒルトンだって、昨日今日でパリス・ヒルトンになったわけじゃないんだよ! となぜかパリスの肩を持ちつつ、100円ローソンでブラックサンダーを大人買いして帰った私なのでありました。
(ドルショック竹下)

『30才、処女なのにエロ漫画描いてます。』

エロマンガ家、30歳の処女が悶々とする日常をつづるコミックエッセイ。「初体験ってどうやるの!?」といった疑問や処女を隠して生活するコツなどを明るく描く。

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