声優業界からは「誰得?」の声

認知もされず、受賞拒否まで! 迷走する「声優アワード」の問題点

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「声優アワード」公式サイトより

 主にアニメなどの「声」をあてる裏方でありながら、最近その人気がアイドル化し、紅白出場やバラエティにも顔を出している「声優」。今でこそ職業として成立しているが、始まりは舞台俳優のアルバイトとされていたという。そしてその声優にも、芸能界の俳優やアーティストたちと同様に活躍を賞する「声優アワード」という“賞レース”が存在する。

 声優アワードは2006年(平成18年)に設立された。「外画放送開始50周年」にあたることを記念し、声優業界の発展と人材育成の場を目的として年度の終わりに毎年1回行われており、今年で第6回を迎えている。つまり、「声優」という職業を一般にも広めることと、良い新人を育てようというわけだが、一般層への認知は元より、声優ファンからもその存在を疑問視する声があがってきている。

 第1回~6回の受賞者を見てみると、部門こそ違うものの毎回同じ名前が並んでいる。そしてアニメファン以外の人間がその名前を聞いてももちろんのこと、代表作を聞いてもピンとこないメンツだ。例えば、お騒がせ声優で知られている平野綾は、第1回新人女優賞、翌第2回主演女優賞を受賞。『宇宙戦艦ヤマト2199』古代進役で知られる小野大輔は、第2回助演男優賞、第4回主演男優賞、『荒川アンダー ザ ブリッジ』リクルート役の神谷浩史は第3回ベストパーソナリティ賞、第3回主演男優賞、そして今回から新設された最多得票賞を受賞している。

 この現象について声優界の関係者はこう話す。

「声優は売れているのが一握りなのが現状なので、毎回同じ様な声優がどこかにノミネートされるわけです。第5回は主演男優賞が該当なしと、潔いものでしたが、毎回周りを納得させる受賞者を探すのに必死です。今年度は大当たりのアニメがあったので、ずいぶん救われました」

 テレビを見ている限り“売れてる”声優はいくらでもいるように映るが、実情は人材不足なのだろうか? こんな疑問も上がっている。

「声優アワードは人材育成が目的なのに、賞をとることのできる声優が育っていない。新人賞の受賞者の多くはファンですら知らない声優もいるし、受賞してもその後活躍できず消えてしまうパターンもある。そもそも受賞したとして、声優アワード自体が知られていないですし、経歴に華がつくわけでもない。誰得なんだ、という意見もあがっています」(雑誌編集者)

 また業界内でも認知度が低いにもかかわらず、年々増設されていく部門賞にも風当たりは強い。

「受賞者が旬の若手声優に偏らないよう、国民的アニメに出演していた中堅~ベテラン勢にも賞を与えるようにしています。そのせいか、毎年新しい枠が作られ『賞ばかり増やして大丈夫なのか』と心配の声があがっています。バリエーションを増やしていろんな層の声優に受賞させようという気持ちはわかるのですが……」(前出関係者)

 そんな業界の風向きを知ってか、「某大手声優事務所は受賞することを断っています」(前出同)というから穏やかではない。声優志望者が増え、業界も盛り上がってきているという現在、「声優アワード」もテコ入れしなければ今後の存続が危ういかもしれない。

『M-1グランプリ the FINAL PREMIUM COLLECTION 2001-2010』

第10回で終了?

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