[女性誌速攻レビュー]「nina's」5月号

おしゃれイクメンはママが育てる、「nina’s」のパパ懐柔術は計算高い!

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「nina’s」(祥伝社)5月号

 隔月発売の、クリエイティブな親によるクリエイティブな子育て礼賛雑誌「nina’s」。今月の表紙は豊田エリー、彼女は「Dear My Fairy」という連載も持っています。「ディズニーランドのレストランで娘の誕生祝いをした」「肌の弱い娘のためにアロマクリームを手づくり」など、ほっこりオシャレなママライフを送る豊田さんは、今「nina’s」を象徴する存在なのではないでしょうか。千秋やちはる、そして豊田エリー。「nina’s」で連載を持つ(または持っていた)女性タレントは、女の生々しさを出来る限り避けながら、永遠の少女を夢見ているイメージ。豊田以外のふたりが離婚しているというのもなかなか皮肉な話です。夢見る少女じゃいられません、現実は。

<トピックス>
◎家族と、友達と、食をもっと楽しむ!
◎うちのパパ、すてきイクメン化計画
◎働くママのお仕事&子育てスケジュール

■「nina’s」読者は鬼女率高そう!

 「nina’s」の一つの特徴として、パパが育児に積極的というのがあります。オシャレひげを生やし、個性的なメガネをかけ、部屋でも帽子をかぶっている(※筆者の勝手なイメージ)「nina’s」パパは、ファッションやアートと同じように育児をクリエイトしたがる方々。ですので、今号のパパ育児企画「うちのパパ、すてきイクメン化計画」というタイトルを見た時、少し違和感がありました。あれ、「nina’s」パパ=イクメンじゃなかったんですか?

 「nina’sパパは基本的にイクメン度高し。でも……もっともっとイクメンになって欲しいのが正直なところ! ママの期待にこたえてくれる“nina’s的すてきイクメン”を目指して、パパの実態調査から教育方法までしっかり教えます!」とリードの言葉。「今ドキイクメンなのは当たり前」で、それをさらに進化させ「すてきイクメン」になれ、ということなんですね。これが「nina’s」伝家の宝刀、「すてき」攻撃。ひらがな表記の「すてき」には“シンプルだけど上質で、センスがよくて、誰からも褒められる”という、スカイツリー並みの高いハードルが設定されます。

 読者代表「すてきイクメンのプライベート大公開」は、一般人には刺激が強すぎる内容でした。「“手伝ってあげる”精神でいると、嫁に対し敬意が払えず逆にイラっとさせてしまうので、育児や嫁のサポートはあくまでも自分の仕事ととらえるようにしています」「平日は夕食のときに嫁の話をよく聞くようにし、休日はなるべく嫁1人の時間を作るようにしています」とは会社員イクメンの弁。すごく先進的な事を言いながら、妻の呼称は「嫁」なんですね。ふ~ん。

 ブランドMDという肩書のイクメンパパは「(自分をイクメンパパだと思いますか? という質問に)“NO”」。「平日、自宅に戻ると子どもはもう寝ているので、妻にまかせっきりなんですよ」とすこぶる謙虚。子どもとふたりだけでお出かけをするのはもちろん、休日はパパが夕食準備。ママの誕生日には特製モンブランケーキを作ったのだとか。

 すてきイクメンを操るママたちの「ママの本音座談会」で語られる、イクメンひな形もレベル高し。「育児だけじゃなくてトータルにできる、家をあけてもまかせられるのがイクメン」「自ら進んでいろいろやってくれるのがイクメン」で、そういうパパはママが作り上げるのだそう。「子どもを通して褒める(子どもに「パパの作るご飯っておいしいね~」と言わせる)」「ベビーグッズはパパに選ばせる」「最初は『ゴミだしorおふろそうじ』のように二択から」など。子どもを育てるのだけでも手がかかるのに、加えて夫も育てないといけないなんて、なんてめんどうな……と思っていたら座談会参加ママがピシャリ! 「不満があってもパパとママを同じ土俵に上げて考えちゃダメだと思うんですよ。今のパパができることをやってもらって、それが当たり前だと思っても褒める。その繰り返しだと思いますよ」。す、すいません。

 イクメンプレイを楽しむパパ、それを裏で操ろうとするママ……昨今のイクメンブームはこんな男と女の化かし合いで成り立っているのです。

■「勇気100%」と同じノリが感じられます

 続きまして、そんなイクメンパパに連動するような企画。「働くママのお仕事&子育て“両立”スケジュール」を見てみます。「素敵な働くママたちに、気になる事情を聞きました!」。パパが「すてきイクメン」なら、ママは「素敵な働くママ」。どんだけ「すてき」が好きなんですか「nina’s」は。

 これも……一般母親には動悸息切れが激しくなる内容です。救心片手に読み進めますと、まず登場するのが「k3のおしゃれママプレスとして大活躍されていた小森さん」。親子スナップでもカリスマ的存在で、ライフスタイルにも注目が集まる小森さん。この春、キッズに特化したショップ兼ショールーム「sita(シータ)」をオープンしたそう。「私は欲張りなんです(笑)。仕事も子育てもしたい。子育てがベースにある母親だからこそできることってなんだろうって考えた時に“独立”が思い浮かびました」。

 社長業と母親業の両立が出来るのも、イクメンパパの協力があってこそで「主人が私の大変さを自然と察知して、手伝ってくれるようになったんです。帰宅時間が遅く子どもたちと触れ合う時間が短いからと、朝の支度や園への送りを積極的に手伝ってくれます」と。パパが経営する美容室は、ママのお店があるのと同じビル。仕事中くらい妻の目を逃れたいんじゃないのか……なぁんて邪推してしまうのは、筆者が「素敵な働くママ」ではない証拠でしょう。

 カリスマ小森さん以外にも、フリーランスママ、正社員ママ、アルバイトママ、起業ママなど、さまざまなワーキングスタイルを持つ母親たちが登場していますが、6人中3人が朝の忙しい時間に「ヨガ、ストレッチ、ランニング」をしてるってどういうことでしょうか。働くママアンケートの「パパは協力的?」という質問に、「協力的100%」なんて怪奇現象あるのでしょうか。もはや参考になるというより、いたずらに読者の不安を煽り立てています。

 「nina’s」に取り憑いているのは、オシャレな子育てをしなければならないという強迫観念だけではございません。温もりのある住居環境を整え、ヨガで体の声にも耳を傾けながら、クリエイティブな仕事をこなさなければならない。「nina’s」が隔月刊である意味が、ようやく分かった気がします。これが「家庭画報」(世界文化社)くらい遠い存在であれば、ただただ憧れの、夢の世界というスタンスも取れましょう。しかし「nina’s」はいかんせん読者と近い。ちょっと頑張れば、自分もこうなれるのではないかと勘違い出来てしまう距離感です。「聖子ちゃんにはなれないけど、もしかしたらAKB48には入れるんじゃないか」という類の勘違いです。近ければ、その分憎悪も増します。すてきイクメンパパや素敵働くママなどどこにも存在しない現実にガックリし、怒りの矛先が「nina’s」に向けられる……それを避けるには、隔月くらいのご無沙汰が丁度いいのかもしれません。また2カ月後、現実との違いにガックリしたいと思います。
(西澤千央)

「nina’s」

柳楽さん、悩ましげな顔でディズニーにいたんじゃ……

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