[女性誌速攻レビュー]「steady.」4月号

愛されなくても嫌われたくない、「steady.」の全方位好感企画に隠された心

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「steady.」(宝島社)4月号

 「steady.」は毎号全方位に好かれることがテーマではありますが、今月もドドーンと目標達成に向けた特集が組まれていて、なんだかワクワクします。タイトルも「オフィス 合コン 初デート 服装に悩む3大シーンもこれで安心 みんなの全方位好感服 女子のリアル 男子のリアル」と直球勝負。前後にながーい補足もついて、タイトルからして全方位に受けたい……というよりも、全方位に配慮している感が伝わってきます。

<トピック>
◎みんなの全方位好感服
◎新社会人応援企画! ほめられコーデvs.怒られコーデ
◎読者みんなの実例から学ぶ! 愛され女子はコミュニケーション上手

■「幸せになる石」の広告みたい

 今月号も特集の最初は、細かいアンケートからスタートします。それによると、高感度が高いほうが「親近感が湧く」「話しかけやすい」「みんなに可愛がってもらえる」「男子テンションup」「人間関係がうまくいく」といいことづくめであることをアピール。逆に好感度が低いと「損する……!」のひとことのみが書かれています。好感度が低いことの具体例は、それしかないのかよ! 好感度が高ければ、人生すべてがうまくいくかのような自己啓発的な誌面にクラクラしましたが、タイトルの下のリード文にも「人は見た目で判断されがち……。だからどんなシーンでも相手に好感を持ってもらえたら、仕事も恋愛もきっとうまくいくはず」と書かれてありましたから、あながち筆者の言ってることも間違いではないのではないでしょうか。

 また、「誰からも好感を持たれるファッションをしている人の周りには、いつもたくさんの人が集まっていて、人気者が多い気がする」「新しい仕事を頼まれることが多い」「合コンで出会った男のコと、連絡先をすぐ交換できました」「女の子同士でも友達関係が円満」と続々と体験談が寄せられます。また男性からも「最終的に恋愛に発展させたくなる」「仕事もきちんとこなしてくれそうなイメージ。このコに頼んだら大丈夫かなって思えるから、信頼できますね」と、好感度upだけで、未来の旦那様まで見つかる勢いです。

 こんなに自己啓発的にあおっているからには大層な技を必要とするコーディネートを紹介すると思いきや、実際の特集はツインニットにフレアスカート、花柄ワンピなど、無難きわまりないコーディネートばかりなのが「steady.」らしさなのでしょう。

 もともと、「全方位に受けたい」という思いは、欲張りなもの。「誰にもかれにも愛されたい! 受けたい!」という自己愛が匂ってきて、イヤーな気分になりがちなのですが、こと「steady.」の場合はまったくもって逆。結局は「誰にも嫌われたくない」という意外と消極的なモチベーションが見え隠れするところが、カラっとしていなくて、どうにも見ていてモヤモヤっとしてしまうところなんでしょう。

■何のための嫌われ回避?

 第一特集とけっこう被りますが、今月は「新社会人応援企画! これで4月からの新生活はバッチリ!! ほめられコーデvs.怒られコーデ」というページもあります。これまた、全方位に配慮した長い説明付きであり、しかも「怒られる」ことを想定してそれを避けるためにコーディネートするという配慮が泣けてきます。ちなみに、「steady.」ちゃんたちの間違ったコーデにダメ出しをしたりホメたりする役は、女芸人の「たんぽぽ」のふたりが担っております。ちなみに、この特集でも一般の先輩OLと後輩OLの座談会が収録されておりますが、先輩OLが「steady.を読んでる女のコだったら基本的にきっと大丈夫なはず!」とのお墨付きをもらっていましたが、そらあ、ここまで人目を気にしてるOLが先輩OLに目をつけられることはないでしょうね……。

 読み物ページにも「読者みんなの実例から学ぶ! 愛され女子はコミュニケーション上手」というものがありました。こちらも、涙ぐましいコメントが多数。「合コンの立ち居振る舞い。盛り上げないといけないと思い、そのときのメンバーによりツッコミにもボケにもなろうとする。結果、女の子らしさを出せずに終了ってことがよくある」……泣けてきます。

 それに対する対処法ですが、人見知りを克服するために笑顔を心がけて話しかけてもらいやすくするとか、聞くことと話すことのバランスをクリアにするというものでした。万人に、全方位に愛されたいという気持ちは筆者ですらありますけど、どこか「深く愛される」ことから離れていってるような気がして、「steady.」はいろいろ考えさせられる雑誌になっていってます。
(芦沢芳子)

「steady.」

嫌われるのも楽しいよ、「あ~、そこダメなんだ」と新発見あるし。

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