[女性誌速攻レビュー]「VERY」3月号

揺り戻し作用? 「VERY」連載陣が”モテキ”特集にモノ申す!

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「VERY」 2012年3月号/光文社

 2012年は1月号・2月号で「私たちの井川遥さん」「第2のモテキ狙います!」と、記憶に残る特集で楽しませてくれた「VERY」ですが、今月は「ハンサムマザーのきちんと服」。季節がらか実用路線にシフトしていて、まるで「モテキ」特集なんてなかったことのように。この誌面を見た映画『モテキ』の大根仁監督が、「先月『第2のモテキ狙います!』って言ってたVERYですが、今月は『そんなもん古いわ!』って事になったみたいです」とツイッターで嘆いていたのも頷けます。

<トピック>
◎コ・ジ・マ・メ・セ・ンのもしかしてVERY失格!?
◎1枚で「いい人そう」な春トップス見つけた!
◎ボクの好きな人。リリー・フランキー×TOKYO No.1 SOUL SET

■ミスの称号を取るために根回しするくせに!

 「モテキ」特集は、本当に賛否両論、読者や関係者にもインパクトを残したのでしょう。今月も随所にその話題が出てきます。もっとも驚かされたのは、小島慶子さんの連載ページです。

 先月の「モテキ」特集を話題に挙げ、「主婦だってモテ・ヒエラルキーから引退ではないのです」と肯定していますし、「まさか、白昼堂々、街を歩きながら『あなたきっと私みたいな女と結婚したいでしょうけれど、残念でした! 私はもう、ひ・と・づ・ま』というオアズケ・プレイができるなんて!……発想が下品ですね」と「モテキ」プレイに対する発想がなかっただけに、小島さんも楽しんでいる様子。

 でも、たゆまぬ努力をして「モテ」妄想で楽しんでいる「自覚的モテ女」に対しては肯定的でも、「無自覚で無垢な私」という演技をしている人には容赦ありません。同業である女性アナウンサーを例に、「全然興味なかったんですけど、友達に誘われて試験を受けたら受かってしまって……」という人がミス○○出身だったりして、「きれいな顔して下品だなあ」とも。女子アナ以外の女性が言うと僻み以外の何物でもない発言ですが、確かにこういう人って周りにもいます。

 では、なぜ女性たちが「自分はたまたま選ばれた」と言いたがるかというと、小島さんは「彼女たち」が、努力しても手に入れられないものがあることを実は一番知っていて、それを憎んでいるからだと説きます。そして、「傍から見たら見栄えのしない暮らしでもその人にとってのかけがえのないものがそこにはあるんだ、と想像することができない人は、どんなに優雅な言葉を使っても浅薄な物言いしかできない」という一文も……。

 そもそも、「VERY」というのは、いかに自分が「見栄え」の良い暮らしをしているように見せられるかをテーマにした雑誌という解釈もできなくありません。もっともファッションや美容や暮らしで「見栄え」を良く見せたい欲求は誰にでもあって当然のこと。小島さんがどんな人を想定して、今回のコラムを書いたのかは分かりませんが、「VERY」読者が、そんな「見栄え」だけ重視の状態に陥ることを危惧しているということなんでしょう。

それでも同性は敵に回せない

 これからは入園、入学シーズンで、初めましての人との出会いの季節です。先月は「モテキ」のための洋服を選んでいた「VERY」読者たちも、ママの顔に戻り新しい人間関係を構築する時期というわけで、「1枚で『いい人そう』な春トップス見つけた!」という特集が組まれていました。

 この特集では、「いい人」代表・滝沢眞規子さんがモデルを務めていて、「色×フォルムで、ヘルシーさと甘さを両立!」とか、「ディテールの甘さを色で『引き算』する」とか、「ブナンに見えない”ひと凝りディテール”がポイント」など、あいまいなキーワードがたくさん出てきます。要するに、女同士でいるときは、無難で目立ちすぎないけれど、よーく見るとなんか凝っていて「それどうなってるの?」というような”突っ込みシロ”がないとダメということなんでしょう。「女同士で集まるときの方がオシャレに気を使います」というセリフをファッション誌ではよく見ますが、本当に女性同士の承認は、ファッションを許せるか否かによるところはどんどん大きくなっているんでしょうね。

■ミモーのモテ期はいつだったのか?

 毎回小島慶子さんのコラムと同様、「昼間っから浮気してるのがイケダン」などと、「VERY」に対してのアンチテーゼを示し続けているリリー・フランキー氏の対談では、先月の「モテキ」特集に対してなんと言っているのでしょうか。

 今月は、TOKYO No.1 SOUL SETの3人がゲストですが、トークのはじめから、渡辺俊美氏が「女の人って、みんなモテたがりますよね? 僕、2回結婚してるんですけど、2回とも上手くいきませんでしたから(笑)」と、「元妻ちはるもモテたがっていたのか!」と読者を困惑させる発言ながら、「モテキ」特集を振り返るいい仕事っぷり。また、リリー氏が「夜の人間が『モテたい』と思っても世相は悪くならないけど、『VERY』の奥さんたちがモテたがってると、世の中が暗くなるでしょ」と語ると、川辺ヒロシ氏が「問題は誰にモテたいかってことですよね。『誰にでもモテたい』って言い出したらヤバいでしょう。それ、彼女がいない男が言う言葉ですからね」と受け、渡辺氏が「こどもを連れて公園に来てる奥さんってすごくセクシーに見えるんですよ」と結びます。やっぱり男性は自分たちが「昼間っから浮気」していたとしても、妻には自分だけを見ていてほしいものなんですね。

 先月の「モテキ」特集は、タイトルのインパクトは大きかったものの、特集の内容は「ご近所モテ」「子供モテ」「レストランモテ」と、かなりささやかでかわいいものだった気がするんですが、なぜに今月号のこの動揺。そこまでみんなが「第2のモテキ」をディスるんだったら、逆に「VERY」のモテたい奥様たちを擁護したくなるほどです。それとも、その裏側にある隠された欲望までを読み取ってのディスりだとしたら何も言いませんが……。
(芦沢芳子)

「VERY」

リリーさんの男尊女卑論は、「VERY」との親和性高め

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