[TVツッコミ道場]

努力が”神”を呼んだ? とんねるずの笑いに対する真摯な姿勢

2012/01/16 11:45
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『とんねるずのみなさんのおかげ
でした 博士と助手 細かすぎて伝わ
らないモノマネ選手権 Season2
Vol.1 「デオデオデオデオ」』/
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 今回ツッコませていただくのは、たびたび「笑いの神」が降りる、とんねるずの番組の不思議。現在はレギュラー番組が1本になっているとんねるず。でも、彼らのいるところに、「笑いの神」が降りる瞬間は、いまだに多いように思う。

 それを痛感したのは、1月5日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした 北の国から2012~男気ジャンケン~』(フジテレビ系)。

 勝負運と男気が試される「男気ジャンケン」。「男気のある勝者が支払いを行える」というもので、勝った人は悔しい顔をしてはならず、悔しそうにするなど「男気がない」言動をした場合には、ケツバットの罰が加えられるルールになっている。

 出場者は清原和博、哀川翔、伊藤英明、バナナマン、有吉弘行、佐々木健介などだったが、そんな豪華な顔ぶれのなかで、最も「笑いの神」が降りてきたのは、なぜか初参戦の総合格闘家・秋山成勲だった。

 秋山の「笑いの神」1発目を引き起こしたのは、「木彫りのクマ」の支払いを賭けた戦いの前のこんな一言。

「これ、どうやって持って帰るの?」

 これが「男気のない発言」とされ、罰としてケツバットを受けるまでは、まだ良かった。ケツバットの威力で、体が大きく揺れてしまい、不運にも台の上の木彫りのクマ1体が落下&破損。そこで、ジャンケンの勝敗とは無関係に「弁償」となった。格闘家が木彫りのクマを抱えている姿は、それだけで面白い。

 さらに、2発目が起こったのは、「シマホッケ」の支払いをめぐる戦い。オマケに加えられた貝柱の値段を聞いて、秋山がぽつりと「たけえ」と呟いてしまったことで、またも男気がない→ケツバットに。

 だが、直前に木梨憲武に貝柱をもらい、口に含んでいたことから、ケツバットされた瞬間に、その衝撃で貝柱を口から吐き出してしまった。しかも、飛び散った破片がシマホッケ2枚の上に落ちてしまい、またも勝負に関係なく、シマホッケも「弁償」に。大きすぎるシマホッケが「2枚」あるということで、ぶら下げることもできず、片手で持ち、もう片手を添える格好になったのが、また不運。その持ち方+スーツ姿とのマッチ感から、「花束みたい」と爆笑されるハメになっていた。

 本来はジャンケンで勝敗を決めるのに、勝敗外で「弁償」ばかりし続ける秋山成勲には、笑いの神が降りているとしか思えなかったが、実はこれ本当は「不運」ではなく、とんねるずが仕掛けている部分が相当多い気がする。

 たとえば、クマの木彫り→ケツバットのとき、クマの木彫りが乗っている台に手をつかせている時点で、事故は想定できる。また、シマホッケ→ケツバットのときは、明らかにケツバット直前に、木梨が貝柱を秋山に食べさせている。口から吹き出す事故は、仕組まれたものだったのではないか。

 抜群の瞬発力で自らが率先してちょこまか動き、目を配り、小さな種を無数にあちこちに撒き続けるとんねるず。彼らの番組で日村勇紀、IKKOさん、スター錦野らに「笑いの神が降りる瞬間」も、実はこうしたとんねるずの「撒いた種の多さ」「笑いを生むための手数の多さ」のひとつが結実したものだったのかもしれない。

 アンチも非常に多いとんねるずだが、笑いに対するマメさ、エネルギー量はさすがのもの。そして、有吉頼みのバラエティー番組が多い昨今、有吉が自らあまり仕事をせず、「観客」として楽しんでいるのも、この番組の大きな特徴だと思う。
(田幸和歌子)

「とんねるずのみなさんのおかげでした 博士と助手 細かすぎて伝わらないモノマネ選手権 vol.1 「リカコと過ごした夏」 EPISODE1-5」

矢島工務店の「みちのく」が聞きたいッス。

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最終更新:2012/01/16 11:45
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