サイゾーウーマンコラム悠久の時を感じる清水寺のすぐ傍で、ガチな商売っ気を出す地主神社 コラム [連載]そうだソルティー京都、行こう 悠久の時を感じる清水寺のすぐ傍で、ガチな商売っ気を出す地主神社 2012/01/22 17:00 スポットそうだソルティー京都、行こう 京都は、世界屈指の観光地。そして女の憧れの地である。美味いもん食って、寺社を見て、お洒落して、勉強する。何でもかんでも「京都でする」のが女の憧れなのだ。女性誌はこぞって京都特集を組み、ガイド本や京都観光エッセイがボロボロ出版されている。確かに京都には歴史がある。名産品がある。美味がある……そして誰も取り上げないけれど「しょっぱい京都」もある。 しかし京都のほんとうの魅力は、こういうソルティーなところにあるのだ。上品ぶっている女性誌では取り上げないほんとうの京都の姿を、しっかり焼き付けて欲しい。そうだソルティー京都、行こう。 【第10回 地主神社】 京都に行ったらぜひとも足を運びたい寺社のひとつが、清水寺だろう。修学旅行のスケジュールにはまず間違いなく組み込まれ、参道には修学旅行生を魅了する土産物屋がザクザク並ぶ。ヒーヒー言いながら坂を登り切り、本堂にたどり着く頃にはイヤでも景色を楽しもうという気分になるだろう。 清水寺と言えば、この舞台。ここは華美な色が一切排除された空間 個人的には、本堂手前にある随求堂(ずいぐどう)で、2000年から始まったばかりの「胎内めぐり」がお勧めである。真っ暗闇を胎内に見立てて歩き、いろいろ感じちゃいましょうという霊場のひとつだ。お堂入り口にある小さな階段を下ると、一切の光が失われた漆黒の闇に包まれる。手すりを頼りによろよろと歩く。しばらく行くと、一筋の光が差し込んでいて、そこに梵字が浮かび上がっているのだ。「救い」ってこんな感じ? と思う神々しさ。 さて、「胎内めぐり」に続き、清水寺のメインイベントのひとつ「本堂」を見終わったころに、やってくるのがこの「地主神社」である。清水寺の境内にあるこの神社、恋愛成就の御利益があるというので有名なため、ここをメインの目的としてやってくる女子も多かろう。 しかし入り口を見た途端、「その御利益は本当に大丈夫なのか」と疑いたくなるのが、地主神社である。敷地は小さく、「清水寺の境内をお借りしています」くらいの位置にあるのだが、その”俺俺アピール”は、清水寺をはるかにしのぐ派手さなのである。 突如現れる、大阪商売大繁盛ノリ。え、ここ? 雄大な清水寺の本堂に比べて、境内が階段になっていて細く狭いこと、女子人気の高いことからいつ来てもいろんな人でごった返していて、まるで朝の魚市場に来たかのようである。 いつだって原宿竹下通り状態 日本人の奥ゆかしさはどこへやら。ガチな商売っ気で挑まれてます 境内には、おみくじだのお守りだのが山ほど売られていて、気をつけないとけっこう散財しそうだ。ちなみにここの恋占いおみくじを試しに引いてみたところ、「小吉」。微妙なお告げである。30分ほど居座って、おみくじを引いた女子たちの結果を後ろから覗き見してみた。おおざっぱな統計によると、「大吉」率は65%といったところ。恋愛おみくじで幸せな気分になりたい方は、松尾大社に行くことを強くお勧めする。 ちなみに、某有名女性誌編集長に聞いたところ、この神社から「誌面に載せてくれ」という営業の電話がジャンジャン来るのだそうだ。つまり「恋愛成就」とマスコミに騒がれているのは、クチコミでも実績でもなんでもなく、単に神社営業部のたゆまぬ活動のおかげなんである。だったらおみくじの大吉率、もうちょっと上げてもいいのに。 何もかもがバラエティーノリ。イエーイ! そしてこの神社のメインイベント、「恋占いの石」。ふたつの石の間を、目を閉じて無事歩き通せたら恋が実るという、無料で楽しめるアトラクションである。 しかし、これが曲者。まず、いつでも人がごった返しているので、5mくらい離れておいてある石の間には、いつでもウロウロ人が行き来しているのである。これでどうやって無事に渡りきれというのか。 そしてもうひとつ。石の向こう側は、下りの階段なのである。もし間違えて石を通り越してしまったら、恋が実る前に大惨事である。ゆえに、もう4、5回ここに来ている筆者ではあるが、試したことは一度もありません。命あっての恋愛なんで。 なんだって階段がそばにあるんだ? まあ、清水寺に来たのなら、寄って損はないイベントの多い神社である。でももしここを目当てに来るのなら、もう少し考えてみよう。清水寺には参拝料がかかる。よって地主神社に行くのにも参拝料を払わなければいけないと思っているのなら、間違いである。アレは本殿を見るためのものなので、本殿を見ないのなら料金はかからないのだ。せっかく日ごろの運動不足を呪いながら坂を登ってきて、「本殿いらねえ、恋愛成就!」と思うのならば、参拝料は無用である。境内の地図を見れば、本殿に寄らずに地主神社へ向かう道が分かるはずだ。 最後に、恋愛成就の神社と来たら、やらなければいけないのが絵馬拝読。ここで旅の疲れを一気に癒やす、名絵馬を発見した。 「年下の若くて元気のある、真面目で心優しい、ちゃんとした仕事に就いている男前でかつ一緒にいて楽しい、かつ私の言うことを聞いてくれる、そんな男性とすぐにでも出会えますように」 無理だわ、と即答したくなりました。条件多すぎ。清水寺の重厚な歴史観を直ちにぶっ壊す、大阪商売繁盛ノリの地主神社にふさわしい、強欲っぷり。地主神社の大阪商売繁盛精神は、参拝者にまで乗り移ってしまうほど強力なようである。そうか、それが地主神社の持つパワーとやらか。お見それいたしました。 最後にこの看板。確かに登録されてるけど、清水寺のおこぼれで登録になったという話。虎の威借り切って大いばりである。で、御利益は? 和久井香菜子(わくい・かなこ) ライター・イラストレーター。女性向けのコラムやエッセイを得意とする一方で、ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、就職系やテニス雑誌、ビジネス本まで、幅広いジャンルで活躍中。 『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。 「輪るピングドラム お守り 荻野目苹果 -恋愛成就-」 お守りって結局何が決め手なんだろう? 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・二次元もアイドルもなんでも来いっ! 新選組の聖地・壬生寺の現実 ・「名前負け」「説明不足」、高濃度なソルティースポット・平安神宮を歩いた ・まさにソルティーの見本! 百人一首の施設「時雨殿」の不思議ゲームの数々 最終更新:2019/05/21 18:37 次の記事 「ほんとにもう、ちゃんと自覚してくれよ!」夫に涙で訴えられた四十路の泥酔騒動 > Facebook Twitter プッシュ通知を受け取る クリックしてプッシュ通知を有効にする クリックしてプッシュ通知を停止する アクセスランキング コラム 殺害未遂の女医の告白 「男の宿命的な性」への憎しみ 大谷翔平と代理人バレロ氏の心配な報道 「新しい自分になる」危険ドラッグで8階から飛び降り――「ラリってしまいたい気持ち」を禁止しても意味ない? 持ち偏差値より低い中学を受験した娘 皇室の“セックスマニュアル”? その内容は 警察がヤクザより力を入れる犯罪組織「トクリュウ」とは? その厄介さを元極妻が解説 秋篠宮さまの“プロポーズ美談”は全部ウソ? メルカリで31万ネックレスが27万に! 4万円の値引きに成功したワケ サラリーマンと結婚した皇女が金銭難で内職? 実父の強姦が黙殺された「栃木実父殺し」から現在 大谷翔平、違法賭博問題で「裏社会」関係に疑惑? 学習院「常磐会」が行った「美智子さまいじめ」 婚約発表で“元カレ”問題が浮上の皇室 秋篠宮家が「推薦入試」にこだわる事情 山口組は分裂9年も平行線、「トクリュウ」が勢力拡大? 元極妻が予想する「2024年のヤクザ情勢」 秋篠宮さま、大学時代に「7人の恋人」? 94歳、“オンナ詐欺師”の仰天「ホラ吹き」人生 「美智子さまいじめ」の主犯 陣内、紀香と合わなかったワケ 総合 【焼肉チェーン】ランチ全6種食べてみた 劇場版『名探偵コナン』歴代最高の初動スタート 「謎肉放題」ボロネーゼに使ったらおいしすぎ 殺害未遂の女医の告白 「男の宿命的な性」への憎しみ 【レジ袋収納】プロのリピ買いグッズ ガスト、ヒロミ考案メニュー実食 【コンロ横引き出し】プロの収納テク6 絶好調チェーン【や台ずし】「最悪」評価は本当? ビアードパパ、実食レビュー 若葉竜也『めざまし』出演が波紋 Number_iファンから滝沢氏に要望続出! ドラマ『君ゆき』要注目ポイント 【おぼんdeごはん】「鶏南蛮」定食が大戸屋超え? シナボン店舗数増、再ブームの兆し 【コープ】を使わなくなった理由とは? BE:FIRST映画『BE:the ONE』レビュー 蛇口レモンサワー系【焼肉ホルモンたけ田】残念な点 「BE:FIRSTと嵐は違う」ファン公言の大島美幸、“推し活スタイル”の違い語り反響 大谷翔平と代理人バレロ氏の心配な報道 カルチャーの人気記事 アラフォー婚活、セフレ認定してきた29歳の高校教師 アラフォー婚活「とりあえずホテルへ行こう」商社マン アラフォー婚活、「結婚しよう!」26歳男子からプロポーズ アラフォー婚活、「ラブホ行かない?」タップル婚活の男 アラフォー婚活、23歳男子から終電間際の誘い カルチャー一覧へ サイ女の精神!過去の人気コラム 夫の世話になるのが嫌! 認知症だと認めない妻、娘は精神バランスを崩し…… コラム 「ムショ用語」が使用禁止に!? 一般社会では使われない「モッソウ」「バッカン」「シャリアゲ」を元女囚が解説 知られざる女子刑務所ライフ 宇垣美里、実はメンタルが強くない? マイメロ理論とコーヒーぶちまけ事件に見る“敏感さ” 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 コラム一覧へ