[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」2月号

「CLASSY.」が「結婚できる服」特集を黒歴史として扱っている!

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「CLASSY.」2月号(光文社)

 この数カ月、とてもいい子ちゃんで本来の面白さが薄まっていた「CLASSY.」。でも今月号は違いますぜ、奥さん。なんていったって、発売日に「CLASSY.」編集長の気合が入った宣言を目にしました! 一部抜粋しますと、

「女性誌で12月末の発売号というのは、セールの真っ最中、しかも冬本番の寒さなのに春物を掲載しなけりゃいけないという苦難の号なのです。だいたい、読者スナップやらモデルの私物公開やら海外コレクションのエディタースナップなんぞでお茶を濁す雑誌が多い中、CLASSY.は真っ向勝負ですぜ。」(「編集部発『ほぼ週刊ブログ』」より)

 なるほど、その心意気はイチ読者としてしかと受け止めさせていただきました。今月号は勝手に推測するにちょっと広告が厳しかったように思いますが、その分、編集部側の創意工夫が感じられる素敵な仕上がりです。余計なお世話かと思いますが、レビューという応援歌でその一部始終をご紹介させていただきます。

<トピック>
◎どっちにする? 地味色キレイvs.派手色可愛い
◎今年こそ『真実の結婚力』を身につける!
◎社内恋愛力UPこそ結婚の近道です

■RIKACO基準は絶対!

 今月号の大特集は「どっちにする? 地味色キレイvs.派手色可愛い」。「色」をテーマに初春モノを紹介しているファッションページです。ここ数カ月は「Domani」(小学館)の「”女”な気分でパンツが着たい」などのうっとりポエムに浸っていたのですが、「CLASSY.」のキャッチをみると安心してしまいます。とはいえ、「CLASSY.」のキャッチもよく読むと、いい感じに意味が分かりません。「スーツの男性と並んでも 知的かつクールに馴染む こなれた感たっぷりのカーキ」「こっくりとして適度に甘い大人のスカートスタイルで女らしく」。これがかわいいと思えるんだから、「Domani」のうっとりポエムがどれだけ読み手にストレスを与えていたんだという話ですよ、はい。

 今や「スカーフ」という言葉が抹消され、「カレ」という言葉に置き換えられていることもショックでしたが、「コンサバになりがちな”カレ”をアップデートする8つの口コミテクニック」には結構な衝撃を受けました。コートのベルトの代用にカレを使うのはまま見るパターンだし、首元に「アフガン巻き」するのも理解できるし、カチューシャの代わりにヘアアクセとして使うのも昔RIKACOがスカーフを頭にグルグル巻いてたから「アリ」に分類しますが、「ベアトップ風に」と「ロングネックレス風に」はダメでしょ!

 「ベアトップ風に」の詳細を見てみますと、「冬場のタートルコーデがマンネリになるときに使えるテク! 三角に折って両端を後ろで結ぶだけなので、会社帰りも簡単に印象を変えられます。(後略)」とあり、キャッチには「別名”金太郎巻き”でコーデに劇的なインパクトを与えて」とまるでかわいいもののように書かれてます。こんなの会社帰りにやっちゃったら、一斉メールで「速報! 金太郎が退社」と笑い者にされそうです。OLのみなさん、真に受けたらやけどしますよ。「ロングネックレス風」は、「色違いのカレをそれぞれくるくるねじって、端を結び合わせると1連のネックレスに!」と世紀の大発見みたいな書き方をされていますが、どうみてもどっかの原住民の装飾品にしか見えません。東京とは異なる文化の関西とはいえ、どうにもネタ臭が激しかったです。

■その先回りは誰のための”賢さ”なの?

 さて、今月号の目玉企画は「今年こそ『真実の結婚力』を身につける」です。リードでも「(略)結婚でも大切なのは焦らないこと。無理をしないこと。自分を見失わないこと。過度にアピールしたり、はしゃぎすぎたりするのは禁物」とおっしゃってますが、今年の5月号で「これが『結婚できる』服」という大特集を組んだのはどこのどいつだい? だいたい大いに自分を見失ってなきゃ、女性誌の結婚特集をそもそも読むわけがありません。

 まずは既婚者でもある、同誌のカバーモデル小泉里子に「結婚するまで 結婚してから」というロングインタビューをしているのですが、これがあまりに飛んじゃっていて、読者に何も還元できません。まず出会いは、小泉の一目惚れで「どうしてもあの人とご飯に行きたい」と周りにわめきちらして実現。「かなりせっかちな性格なので、すぐにでも彼とつき合いたかったんです」。いやいやいや、結婚したがる女性の悩み「出会いがない」「自分から気持ちを言えない」を早くも打ち砕く、スピーディーな展開。食事の次の日にデートに誘ってもらい、その日から交際スタートというウフフな感じです。ケンカして家に帰らず、車に立てこもった小泉に対し、「何も言わずに車に乗り込んできて、そのまま無言でなぜかディズニーランドに連れて行ってくれたんです」とか、「突然のプロポーズに私は驚いて、すぐにデジカメを取り出しました。(略)カレに怒られながらに録音したプロポーズは今もどこかにあるはずです(笑)」とか、ずぼらというか大らかというか、「今すぐ結婚したいんですっ」と鼻息荒めの人の神経を逆なでしそうなインタビューでした。

 そして、男性からの声を集めたコーナーには衝撃の一言!

「合コンに白ワンピ、張り切りすぎてて何だか怖い。」

 おい、「これが『結婚できる』服」で「出会いはワンピです」と言ってたのはどこのどいつだ? なんですか、「これが『結婚できる』服」は「CLASSY.」の黒歴史ですか? 北川景子でいうところの『美少女戦士セーラームーン』(TBS系)ですか?

 と「CLASSY.」さんをイジめるのはこれぐらいにして、筆者が本当に気になったのは男性の声。「オフィスなのに、ピラピラしたいわゆる『モテ服』を着てるコ、会社でもモテようとしている魂胆丸見えです」といわゆる派手さを嫌い、シーン別コーデでも「(合コンでは)モテを意識しすぎない潔いシンプルさが地に足がついている感じ」「(二次会)派手すぎ露出しすぎよりさりげなく華やか、がふさわしいと思います」と保守的&女性への自制を押し付ける思想が露に。「結婚したい、相手に好かれたいがために自分の意思と異なる服を着る」ということに男性が違和感を抱くなら共感もできますが、「ピラピラした服が好きなこと」「派手で露出が多い服が好きなこと」は否定の対象外であるべきです。そこへきて「結婚したいなら、悪目立ちしない服を着ろ」というのは、「オレ、モテ服で落ちるような簡単な男じゃないから」という変なプライドと、「周囲に簡単な男と思われたくないから、モテ服を着るなよ」と女性に先回りを促す思想が見え隠れして、違和感を覚えました。

 さらに「社内恋愛力UPこそ結婚の近道です」では、「an・an」(マガジンハウス)で田村淳とともに恋愛コラムを連載している、森川友義教授が登場。会う時間や連絡を取り合うエネルギーなどを引き合いに出し、「社内こそ、お互いに少ない投資・原子で結婚につながる恋愛に発展する、もっとも効率的な出会いの場なのです」と言い切っていますが、人生を共に歩く相手を「効率的に」選ぶのなら、人生のどのポイントで本気で頑張るべきなのか分からなくなりそうです……。ほか、社内恋愛を成就させてカップル3組の生の声も拾っていますが、「互いの立場に大きな差がついたら?」「互いの利益を守るために、意見が食い違ったら?」など、社内恋愛の正念場をどう克服するのか提案がなかったのも残念。「CLASSY.」読者の多くはキャリア志向ではなさそうなので、そんな問題は降りかからないのかもしれませんが……。

 今月号はほかにも着回しコーデ企画で、主人公がハリウッドセレブと恋に落ちる、というネタ感丸出しのページもあるのでお見逃しなく!
(小島かほり)

「CLASSY. 」

真面目に考えたらできないのが結婚じゃね?

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